インターネットは文字による情報の伝達を一方向で行うWeb1、文字だけでなく動画や画像よりリッチなコンテンツををインタラクティブに相互発信できるWeb2、そしてブロックチェーンを利用した分散型のインターネットであるWeb3の時代へと進化を遂げました。
近年、スマートコントラクトを利用したプラットフォームであるイーサリアムを用いたDeFi(分散型金融)など、これまでとは大きく異なる分散型の仕組みのサービスが次々と登場しています。
その中でも注目を集めているのが「SocialFi(ソーシャルファイ)」です。本記事では、SocialFiの基本的な概念から、従来のソーシャルメディアとの違い、代表的なサービス、そして今後のビジネスの可能性について詳しく解説していきます。Web3ビジネスやブロックチェーンに興味がある方や、新しいソーシャルメディアの形に関心がある方はぜひ最後までお読みください。
Web3時代におけるSocialFiの重要性
SocialFiは、「Social(社会的)」と「Finance(金融)」を組み合わせた言葉です。従来のSNSのようにユーザーはコンテンツを投稿したり、コミュニティ活動をしたりすることができますが、それらに加えて新しい機能として、自身の投稿やニュースなどがNFT(非代替性トークン)になったり、受け取ったいいねの数によってトークンを受け取ったりと、サービスを利用してエコシステムに貢献する事で、その対価としてユーザーが経済的な利益を得ることができます。
従来のXやInstagram、TickTokなどはプラットフォーマーがデータを管理しているものに対し、SocialFiはブロックチェーン技術や暗号資産を活用しているため、分散型で管理されており、プロフィールIDや投稿内容、その他のデータ、NFT等は運営するプラットフォームではなくユーザーが自身で管理する仕組みである点が大きな特徴です。
また、SocialFiは「DAO(分散型自律組織)」の形式で運営されているケースが多く、ユーザーが運営に関する意思決定やガバナンスに関与できる点もWeb3ならではの新しい特徴です。
出典:liskul
SocialFiが注目される理由
SocialFiの概念は、ソーシャルメディアがただの情報交換や交流の場に留まらず、ユーザー自身が経済的な価値を創出できる金融サービスとしての側面も含めたニュアンスを表しています。
Web2時代のSNS(Faceobok、Instagram、X、TickTokなど)では、ユーザーがどれだけ価値のある投稿や、多くのいいねを集めても、それだけでマネタイズする事は非常に難しく、どれだけ多くのユーザーがサービスを利用しても運営企業が広告収益のほとんどを独占していました。
この主な理由は、Web2のビジネスモデルが広告収益に基づいたものであるため、広告主からの報酬(広告掲載料)はサービスを利用するエンドユーザーではなく、プラットフォームである運営企業に対して支払われている事が主な理由です。
一方、SocialFiでは本来ソーシャルサービスを利用するエンドユーザーが直接的に収益を得られるようになります。こうした新規性がSocialFiの最大の特徴であり、多くの注目を集めている理由です。
ブロックチェーン技術を活用した透明性
SocialFiの土台となっているのは、ビットコインやイーサリアムなどに利用されているブロックチェーン技術です。この技術は、分散型台帳を使ってデータの記録を行うため、従来の中央集権型システムと比べて非常に高い透明性を持っています。
たとえば、投稿や取引の履歴など多くのデータがブロックチェーン上に記録されるため、改ざんが困難であり、第三者がその情報を簡単に確認できます。これにより、ユーザーがどのように収益を得ているのか、またプラットフォームがどのように運営されているのかを誰でも把握できる仕組みが実現しています。
実際に、Meta(旧Facebook)は2016年、米国大統領選挙の際に個人情報を収集し、大統領選の投票の意思決定に関する情報を恣意的に操作していた事が明るみになっています。
2016年の米大統領戦でトランプ陣営を支えたのが、英データ分析会社「ケンブリッジアナリティカ(以下CA)」だった。CAはフェイスブック上の数千万人の個人情報を取得し、候補者を決めあぐねていた人々を抽出した。
そして、心理プロファイリングを行い、「カスタマイズされた情報」を意図的にフェイスブックのタイムラインなどに流し、投票結果を左右しようと試みた。そのCAでリサーチ研究員を務めたクリストファー・ワイリーは、3月に米下院の特別委員会で、投票操作の実態を証言した。
こうした従来のSNSプラットフォームによる個人情報の流用や、恣意的な印象操作を防ぐためにも、ソーシャルサービスに透明性が求められるようになっています。
トークンやNFTを活用したインセンティブ設計
SocialFiでは、トークンやNFT(非代替性トークン)を利用したインセンティブ設計ができる事も大きな特徴です。トークンはユーザーの活動量や貢献度に応じて配布されたり、他のユーザーと取引したり、サービスや商品と交換したりすることができ、経済的インセンティブを活用してサービスの改善に大きは幅を持たせる事ができます。
他にも、クリエイターであれば自身のNFTを活用してデジタルコンテンツを制作する事もできます。自分の作品をNFT化し、販売して収益を得たり、自分のプロフィールをNFT化し記念にコレクションしたり、バズった投稿をNFT化したりと、ブロックチェーンの分散性とトークン、NFTを用いて様々なユニークなインセンティブ設計が可能になります。
ユーザー主導のデータ管理とプライバシー保護
従来のソーシャルメディアでは、ユーザーのデータが運営企業に集中して管理されていました。その結果、個人情報の漏洩や不正利用といった問題が頻繁に発生していました。
一方、SocialFiでは分散型の仕組みを活用しており、ユーザー自身がデータの管理権を持つことができます。たとえば、自分のデータをどのように利用するかを自分で選択できるため、プライバシーが大幅に向上しています。こうしたコンセプト設計から、ユーザーが安心して利用できるプラットフォームとして認識される可能性が高まります。
SocialFiのメリット
SocialFiでは、従来のソーシャルサービスにはない様々な新しいメリットがあります。ここでは、特に注目すべき3つのポイントについて解説します。
①マネタイズが可能
SocialFiを利用することで、ユーザーは自身のSocialFi上での活動を通じて収益を得ることができます。投稿やコメントだけでなく、NFTの販売やトークンの取引など、多様な方法で収益化が可能です。
②プライバシーの保護
SocialFiはブロックチェーンの分散型の仕組みを採用しているため、ユーザーが自分のデータを自分で管理する事ができます。従来のソーシャルサービスよりも高いレベルでプライバシー保護がされており、個人情報の漏洩や悪用の心配がありません。
③新しいビジネスの可能性
SocialFiはまだまだ新しい領域であるため、企業や個人にとっても新しいビジネスチャンスとなります。トークンやNFTを活用した新規事業の創出や、コミュニティ型のマーケティング施策など、これまでにないソーシャルサービスのアイデアが生まれていく事が予想されます。
SocialFiの代表サービス
SocialFiの中には、すでにいくつかの注目すべきサービスが存在します。以下に代表的な4つのサービスを紹介します。
①Lens Protocol
Lens Protocolは、分散型ソーシャルグラフを構築するために設計された、ブロックチェーンベースのプロトコルです。このプロトコルは、ソーシャルメディアのデータ(投稿、フォロワー、コメントなど)を分散化し、ユーザー自身がそのデータを管理・所有できる仕組みを提供しています。
従来のソーシャルメディアでは、ユーザーが投稿したコンテンツやフォロワーリストはすべて中央集権型のプラットフォームが管理していました。そのため、サービス全体が特定のプラットフォームに依存してしまうという課題がありました。Lens Protocolはこうした課題を解決するために開発され、ユーザーが自分のプロフィールやデータをLens Procotol上で構築されたアプリケーションに持ち運べる事が可能です。
Lens Protocolはアプリケーションではなく開発基盤
重要な点として、Lens Protocolはソーシャルメディアアプリケーションそのものではなく、SocialFiのアプリケーションを開発するための基盤です。Lens Protocolは様々なSocialFiのアプリケーションを取り扱っているプラットフォームであり、Lens Protocol自体がアプリケーションを提供している訳ではありません。
イーサリアム(Ethereum)が様々なDeFi(分散型金融)アプリケーションを構築するためのプラットフォームであるように、Lens Protocolは、ブロックチェーン上で様々な分散型ソーシャルサービスを構築するためのプラットフォームで、SocialFiの開発に必要な機能や仕組みを提供しているというイメージです。
具体的には、Orbなどの分散型ソーシャルメディアサービスがLens Protocolを基盤にして構築されています。Lens Protocolが提供する柔軟な開発フレームワークを活用しており、開発者は柔軟で自由度の高いアプリケーションを作ることができます。
Orbは、Orb上で投稿されている音楽や動画、ポッドキャストなどの様々なデータをNFTとして販売し、その収益をクリエイターやコミュニティ運営者が直接受け取れるWeb3ソーシャルアプリです。従来のSNSではプラットフォームが収益の大部分を管理し、投稿者に十分な対価が還元されないケースが多かったのに対し、OrbではNFTを通じてユーザー自身が収益化できる仕組みになっています。メンバーシップNFTを使えば有料コミュニティや限定コンテンツも提供できるなど、Web3ならではの柔軟なマネタイズが活用されています。
出典:Orb
Lens Protocolの特徴
①プロフィールNFTによるユーザー管理
Lens Protocolでは、ウォレットアドレスと紐づいた「プロフィールNFT」を発行し、ユーザーが自身でアカウント管理を行います。プロフィールNFTにはユーザーの基本情報や投稿履歴が記録され、Lens Protocl上で開発された複数のアプリケーションをまたいでも、同じプロフィールを活用できるのが特徴です。
②投稿・コメント・フォローの仕組み
投稿やコメントはNFTそのものではなく、プロフィールNFTにひも付く形でデータが管理されます。コンテンツの保存先は、IPFSやArweaveのような分散型ストレージだけでなく、AWSのような中央集権型のクラウドサービスでもかまいません。また、ユーザーをフォローすると「フォローNFT」が自動発行され、ブロックチェーン上でつながりを表現します。
④フォローNFTのガバナンス機能
フォローNFTにはガバナンス機能が組み込まれており、提案や投票などDAO的な運用を行う際にも活用できます。フォローNFTを自分や他のユーザーにデリゲートして投票権のように使うことができるため、SNS上でのコミュニティ運営や意思決定を分散化しやすくなる点が大きな特徴です。
Lens Protocolの将来性
Lens Protocolは、SNSのデータやアイデンティティをユーザー自身が所有・管理できるサービスを目指しています。フォロー関係や投稿履歴といったソーシャルグラフをユーザー自身で管理し、特定のプラットフォームに縛られない分散型のコミュニケーションサービスを目指しています。
さらに、フォローNFTに備わるガバナンス機能を使う事でコミュニティの意思決定を分散的かつ民主的に進めることができ、従来のSNSにはない分散型の新たなコラボレーションや収益モデルも期待されています。
②Farcaster Protocl
出典:Farcaster
Farcaster Protoclは、開発者がスマートコントラクトを用いてさまざまな分散型SNSアプリケーションを構築できるように設計されており、中央集権的な管理者の介入なくユーザー間での相互交流が可能なプラットフォームを提供しています。
Lens Procotolと同様に、Farpcaster Protocol自体はSocialFiアプリケーションではなく、分散型ソーシャルサービスを開発するための基盤となるプロトコルです。
Farcaster Protoclには、以下のような特徴があります。
- 分散型ID:Farcasterでは、ユーザーのアイデンティティがイーサリアム上で管理されるため、イーサリアム自体の分散性を担保に、ユーザー自身がアイデンティティを管理する設計になっています。
- オープンで拡張性のあるプロトコル:開発者はFarcasterを基盤として新しいアプリケーションを自由に構築する事ができます。Farcaster protocolを用いて開発された複数のアプリケーション間で共有できるような設計になっています。すでにWarpcastのようなSocialFiアプリケーションがFarcasterプロトコルを用いて構築されています。
- 中央集権的要素の排除:Farcasterはデータが特定の企業や運営団体に管理されるのではなく、分散型のネットワーク上に保存されるため、ユーザーのデータが特定にプラットフォームに独占的に利用される心配がありません。
Farcaster Protoclの構造
Farcaster Protoclは、大きく分けて2つのレイヤーで構成されています。
- オンチェーンID(アイデンティティ):イーサリアムブロックチェーン上に記録されるユーザーIDです。このIDを基盤として、ユーザーのアイデンティティが保証されます。
- オフチェーンデータ:投稿内容やフォロワーリストなどのデータはオフチェーンに保存されます。このため、ID部分以外の投稿や共有、ログインなどのサービス全体の処理速度の向上、取引コストの削減が実現できます。
Farcasterはイーサリアムと、レイヤー2であるOptimismの2つのネットワークを活用したハイブリッドなモデルで開発されています。SocialFiには欠かせないIDはオンチェーン(イーサリアム)で、その他の様々なデータに関してはオフチェーン(Optimism)で処理する事で処理速度を大きく上げています。
この設計により、Web3ならではのIDのオーナーシップの重要性と分散性を確保しつつ、従来のソーシャルメディアに近いスムーズなユーザー体験が可能になっています。
出典:Farcaster
Farcaster Protoclのユースケース
Farcaster Protoclは、分散型ソーシャルネットワークを構築するための基盤となっており、下記のようなユースケースが考えられます。
- 分散型ソーシャルメディアの構築:既存のソーシャルメディアのような投稿・フォロワー機能を、中央管理なしで実現できます。すでにWarpcastのような分散型のソーシャルメディアが開発されています。
- 開発者向けの自由度:Farcaster Protocolの特徴として、開発の自由度が高いため、開発者は柔軟に新しいコンセプトやアイデアを形にする事ができます。
Farcaster Protoclが目指す未来
Farcaster Protoclは、従来の中央集権型ソーシャルメディアが抱える問題を解消し、分散型のアプローチでユーザー主体のソーシャルエコシステムを構築することを目指しています。ユーザーが自分のデータを完全に管理できる環境が整うことで、自由で透明性の高いソーシャルネットワークが実現します。
また、開発者がFarcasterを利用して新しいアプリケーションを開発することで、さらに多様なサービスやユースケースが広がる可能性があります。今後もWeb3時代の主要なプロトコルの一つとして注目されるでしょう。
③Friend .Tech
Friend.tech(フレンドテック)は、イーサリアムのレイヤー2ソリューションであるBaseチェーン上に構築された分散型ソーシャルアプリケーションです。ユーザーは「キー(Key)」と呼ばれる独自のトークンを発行する事ができます。そして対象者のKeysを購入すれば、そのユーザーと独占的なメッセージのやりとりが行えたり、限定コンテンツや限定サービスにアクセスしたりすることができます。
Keysの価格は需要と供給によって決まり、人気販売者のチャットほど価格は上昇していきます。Keysを売却することで、そのユーザーの影響力から利益を得ることも可能です。
当アプリは、従来のソーシャルメディアとは異なり、トークンを介してユーザーの影響力を金銭価値に変換する大胆なサービスであったため、とても注目されましたが、2024年7月以降、取引はほぼ0になり、事実上サービスは終了を迎えました。
Friend.techの基本的な仕組み
Friend.techでは、ユーザーが自身の「キー」を作成し、それを購入・保有することで、そのユーザーの専用チャットルームに参加する権利を得られます。キーはイーサリアムのスマートコントラクトによって管理されており、以下のような特徴を持っています。
- キーの売買:キーは他のユーザーが自由に売買できます。キーの価格は需要と供給に基づき変動します。
- 特別なアクセス権:キーを購入することで、そのユーザーのプライベートチャットルームにアクセスでき、限定コンテンツや独占的なコミュニケーションが可能になります。
- 収益の分配:キーが売買されるたびに、売上の一部が元の発行者(ユーザー)に還元されます。
Friend.techの特徴とユニークなポイント
Friend.techの主な特徴には以下のような点があります。
- 関係性のトークン化:ユーザー同士のつながりや信頼関係、影響力を「キー」という形でトークン化し、経済的価値として表現しています。
- 収益の可能性:発行者はキーの取引によって継続的に収益を得ることができ、クリエイターやインフルエンサーにとって新たな収益モデルを提供します。
- 分散型プラットフォーム:イーサリアム上で動作しているため、中央集権型の管理がなく、透明性と安全性が確保されています。
Friend.techが抱えた課題
Friend.techは一時的に大きな注目を集めたものの、いくつかの課題に直面しました。結果として、開発者がスマートコントラクトの管理権を放棄したため、事実上サービスは閉鎖を迎えました。
- 短期間での盛衰:リリース当初はユーザー数が急増したものの、その後急激にアクティビティが低下しました。これは、一部のユーザーが短期的な投資目的でキーを購入し、プラットフォームの利用が一過性のものに留まったことが原因とされています。
- 収益モデルの持続性:キーの売買に依存する仕組みは、一部の人気インフルエンサーに利益が集中する構造になりやすく、広範なユーザー層に恩恵を与えるのが難しかったと指摘されています。
Friend.techはサービスを終了した
Defilamaによると、Friend.techの取引高は2024年7月以降、取引はほぼ0になり、事実上サービスは終了を迎えました。
出典:Defilama
Friend.techは、「ソーシャルグラフのトークン化」という独自のアイデアを基に、新しい形のソーシャルメディアを提案したプロジェクトでした。最終的にはサービス終了という結果を迎えましたが、その革新的な仕組みはWeb3の可能性を示す前向きな実験だったと言えます。
今後、別のサービスで、Friend .techの課題を解決したものや、改善が加えられた新しいコンセプトなどのサービスが生まれれば、Web3時代におけるソーシャルアプリケーションの新たなスタンダードとして定着する可能性もあるので、引き続き注目に値する領域です。
④Mirror
Mirror(ミラー)は、Web3時代の分散型のメディアプラットフォームであり、従来の広告収益モデルのブログや出版プラットフォームとは異なり、ユーザー自身がコンテンツの所有権を持ちながら収益化できる仕組みを備えています。イーサリアムブロックチェーンを活用しており、執筆した記事をNFTとして発行・販売できる点が特徴です。
Mirrorは単なるブログサイトではなく、クリエイターにとって、執筆、資金調達、コミュニティ運営を総合的に活用できるプラットフォームとして位置付けられています。
Mirrorの仕組み
Mirrorでは、ユーザーがブロックチェーン技術を活用して自分のコンテンツを自分自身で管理することができます。以下は、Mirrorの主な機能と仕組みです。
- コンテンツのNFT化:執筆した記事やストーリーをNFTとして発行し、販売することができます。こうする事で、クリエイターは広告に依存せず、自分の作品そのものから経済的インセンティブを得ることができます。
- クラウドファンディング:「コレクタブルエディション」機能を活用し、読者やファンが記事やプロジェクトをサポートするための資金を提供できる仕組みも用意されています。
- DAO(分散型自律組織)のサポート:Mirrorを通じてコミュニティが共同で文章を作成したり、資金を調達したりすることができます。
- 分散型ストレージの利用:記事はIPFS(InterPlanetary File System)に保存され、ブロックチェーン上で管理されるため、中央集権型プラットフォームによるデータの検閲や改ざんのリスクがありません。
Mirrorの特徴とメリット
Mirrorは、従来のメディアプラットフォームと比べ、以下のようなユニークな特徴があります。
- 所有権の明確化:執筆したコンテンツがNFT化されるため、クリエイター自身が作品の所有権を持つことができます。
- 収益化の多様性:記事の販売やクラウドファンディングを通じて、クリエイターが収益を得る手段が多く用意されています。
- コミュニティとの連携:ファンや読者とのエンゲージメントを高める仕組みが整っており、コミュニティ主導型のプロジェクトにも適している。
- 分散型技術の活用:データがブロックチェーンと分散型ストレージに保存されるため、透明性が高く、プラットフォームの信頼性が高い。
Mirrorのユースケース
Mirrorは、下記のような事例で、多くのクリエイターやプロジェクトに活用されています。
- クリエイターによる収益化:作家やアーティストが、自分の作品をNFTとして販売したり、クラウドファンディングを実施してプロジェクト資金を調達したりしています。
- プロジェクトの立ち上げ:DAOやスタートアップが、プロジェクトの詳細をMirror上で公開し、ファンや投資家から資金を募ることが可能です。
Mirrorが抱える課題
Mirrorは革新的なプラットフォームですが、いくつかの課題も指摘されています。
- 一般ユーザーのハードル:ブロックチェーン技術やNFTの仕組みに馴染みがない初心者にとって、利用方法がやや難しいと感じる可能性があります。
- ガス代の負担:Ethereum上で動作するため、記事のNFT化やトランザクションに伴うガス代が発生し、コストがかかることがあります。これは初心者のユーザーにとっては経済的、心理的な負担になる懸念があります。
- コンテンツの価値評価:NFT化されたコンテンツの価値をどう評価するかという課題があり、主観的な評価に依存するため、作品によっては販売が難しいケースもあります。
Mirrorの将来性
Mirrorは、Web3時代におけるクリエイターエコノミーの新しい形を模索しています。クリエイターが自分の作品に所有権を持ち、それを収益化するだけでなく、読者やファンとのつながりを深める仕組みは従来にはない新しいコンセプトであり、注目に値します。
今後、ブロックチェーン技術の普及や利用コストの低下が進めば、Mirrorはより多くのユーザーにとって使いやすいプラットフォームになることが期待されています。また、Web3コミュニティの成長とともに、MirrorがWeb3クリエイターエコノミーの中心的存在として定着する可能性も考えらるでしょう。
出典:Mirror
SocialFiとWeb3時代の新しい可能性
SocialFiは、これからのWeb3時代における新しいソーシャルサービスの形として注目されています。分散型技術を活用し、ユーザーがデータを自身で管理しながら経済的な利益を得られ、安心して利用できる仕組みを目指しています。
また、SocialFiは企業や個人にとっても新しいビジネスチャンスの可能性があります。これからの時代において、SocialFiの仕組みがどのように発展していくのか注目です。
SocialFiを支えるDAO(分散型自律組織)は、SocialFi以外の領域でもさまざまなサービスを展開しています。詳しくは下記の記事をご覧ください。
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