近年、暗号資産市場が急成長する中で、「分散型取引所(DEX)」という新しい取引形態が注目されています。DEXは、中央管理者を介さず、ユーザー同士がP2Pの仕組みを使って直接取引を行うプラットフォームです。
従来のCoinbaseやCoincheckに代表されるような中央集権型の取引所とは異なり、DEXはユーザーが資産を自己管理する仕組みを採用しており、これにより透明性やセキュリティが高まっています。とはいえ、DEXには独自のメリット・デメリットも存在し、まだ解決すべき課題も少なくありません。
この記事では、DEXの基本的な仕組みから、中央集権取引所との違いや代表的な事例、さらには市場動向と将来展望について詳しく解説します。初心者の方から、より深く学びたい方まで役立つ内容をお届けします。
目次
DEX(分散型取引所)とは何か?概要と位置付け
分散型取引所(DEX)は、中央集権取引所(CEX)とは異なり、管理者を必要としない形で取引が行える新しい取引プラットフォームです。暗号資産市場においては、ユーザーがより自由で安全に取引できる場として注目を集めています。
DEXはブロックチェーン技術を活用しており、スマートコントラクトを基盤に設計されています。Metamaskのような暗号資産ウォレットを利用し、従来のような暗号資産取引所を利用しなくても低い手数料で中央管理者なしで暗号資産の取引ができます。
この仕組みが、従来の取引所にはないDEX特有のメリットを提供しています。
DEXの概要
DEXは、ブロックチェーンを活用し、ユーザー同士が直接取引を行うことを可能にする仕組みです。最大の特徴は、中央管理者を必要としない点にあります。従来の中央集権取引所では、取引所自体が仲介役を担い、取引を管理していました。
しかし、DEXでは、ユーザーの資産は取引所に預けることなく、Metamaskに代表されるようなそれぞれの暗号資産ウォレットで管理されます。そして、取引はスマートコントラクトを介して行われるため、迅速で透明性が高く、安全な取引が実現されます。
そのため、ハッキングや取引所の倒産といった、第三者に起因するリスクを軽減できる点が魅力です。また、DEXでは基本的にKYC(本人確認)を必要としないことが多く、匿名性の高い取引が可能です。
一方で、DEXは仕組み上、管理者が存在しないため、詐欺目的で発行された暗号資産や、流動性がほとんどない暗号資産のペアなど、従来の取引所にはないいくつかの課題も残されています。
スマートコントラクトの仕組み
スマートコントラクトは、DEXの核となる技術です。スマートコントラクトとは、ブロックチェーン上で動作するプログラムのことで、特定の条件が満たされた場合に自動的に実行される技術を指しています。
例えば、あるユーザーが1ETHを100USDTと交換したい場合、スマートコントラクトはこの条件を満たしているかどうかを検証し、取引を自動的に完了させます。これにより、取引は人為的な介入を必要とせず、公平に行われます。
スマートコントラクトは透明性が高く、誰でもそのコードを確認できるため、不正行為のリスクを大幅に低減します。また、ブロックチェーン上に記録されるため、改ざんが困難で、信頼性の高い取引が可能です。
ただし、一度デプロイされたスマートコントラクトを修正することは非常に難しいため、開発段階での慎重な設計が求められます。
このブロックチェーンとスマートコントラクトを利用して分散型で様々な金融取引を行うDeFi(分散型金融)という新しい金融サービスが誕生しました。その中でも最も大きな1分野としてDEX(分散型取引所)というカテゴリーが占めています。
ユーザーが資産を自己管理する仕組み
分散型取引所では、暗号資産ウォレットを利用するため、ユーザー自身が資産を管理する仕組みが採用されています。このため、中央集権型取引所のように取引所自体が資産を保管する必要がなくなり、取引所が受けるハッキングや不正使用のリスクを軽減できます。
ユーザーはMetamaskのような暗号資産ウォレットを使用して暗号資産を保管しますが、このウォレットは、ユーザーの秘密鍵によってアクセスが管理されており、完全にユーザー自身で自己管理をする必要があります。ただし、秘密鍵を紛失した場合、資産へのアクセスを取り戻すことはできません。
これは「Non Custodial(非カストディアル)」とも呼ばれています。管理者のいないブロックチェーンの仕組みを活用しているため、資産の所有権が常にユーザー自身にあることを意味します。そのため、ユーザーの自由度を高める一方で、自己責任の重さも伴います。
例えば、ウォレットのセキュリティを強化するためには、秘密鍵の管理やコールドウォレットの活用など、非常に慎重な対策が必要です。
流動性プールやAMM(自動マーケットメーカー)の仕組み
流動性プールとは、ユーザーが暗号資産を提供し、それを取引のためにプールする仕組みです。これにより、取引所は十分な流動性を確保し、取引がスムーズに行えるようになります。
AMM(自動マーケットメーカー)は、流動性プールを利用して取引価格を決定する仕組みです。従来の注文板方式とは異なり、特定のアルゴリズムに基づいて価格が設定されます。
例えば、Uniswapでは「x * y = k」という数式を使用しており、プール内の資産バランスに基づいて価格が調整されます。これにより、流動性が確保され、取引が成立しやすくなります。
一般的なオーダーブック型の指値取引ではなく、あらかじめ流動性プールにあるトークンXとトークンYのバランスによって、取引価格を成立させるという革新的な試みです。
この枠組みを用いれば、流動性プールが提供するあらゆるトークンペアの交換が可能になり、暗号資産業界に可能性を広げるサービスとなり得ます。
出典:Uniswap
ただし、流動性を提供するユーザーにはインパーマネントロス(価格変動による一時的な損失)のリスクがあるため、提供者としてのリスク管理も重要です。
DEXとCEX(中央集権取引所)の違いを解説
DEXとCEXには、それぞれ独自の特徴があり、利用者のニーズに応じて選択することが重要です。このセクションでは、両者の仕組みや違いについて、具体的に解説していきます。
主な違いは、管理者の有無、資産の保管方法、透明性やセキュリティ、取引手数料の面にあります。それぞれの特徴を理解することで、利用者が自分に最適な取引所を選ぶための指針になります。
中央管理者の有無
CEXでは、取引所自体が中央管理者として機能し、取引データや資産を管理します。ユーザーは取引所にアカウントを作成し、そこで資産を預け、取引を行います。
一方、DEXでは、中央管理者が存在しません。取引はスマートコントラクトを介して実行されるため、仲介者を必要とせず、取引の透明性が高いのが特徴です。
例えば、CEXでは運営会社の信頼性や財務基盤が重要ですが、DEXではブロックチェーン技術やスマートコントラクトそのものが信頼の基盤となっています。
中央管理者の有無は、取引の安全性だけでなく、サービスの利便性やサポート体制にも影響があります。CEXは顧客対応や個別のサポート体制が充実している一方、DEXではあらゆる側面で自己責任が求められるため、ユーザー側で常にケアをしないといけません。
資産の保管方法
資産の保管方法も、CEXとDEXの大きな違いのひとつです。CEXでは、ユーザーが資産を取引所のウォレットに預ける形となります。これにより、取引が迅速に行える反面、取引所がハッキングされるリスクも伴います。
過去にCoincheckやDMM Bitcoinなどで起こった大規模なハッキングは、いずれもユーザーが資産を預けていた取引所のウォレットがハッキングされた事で起きました。
一方、DEXでは、ユーザーが資産を自分のウォレットで資産を管理します。資産を取引所に預ける必要がないため、ハッキングや取引所の倒産リスクを大幅に減らすことができます。
ただし、DEXでは秘密鍵の管理が非常に重要です。秘密鍵を紛失すると資産へのアクセスを失うため、ユーザー自身のセキュリティ意識が求められます。また、フィッシングサイトや偽サイトなどでウイルスに感染しないための対策なども自分で行う事が求められます。
資産の保管においては、利便性を重視するならCEX、自己管理を重視するならDEXといった選択が考えられます。
透明性とセキュリティ
取引におけるそれぞれの透明性とセキュリティ面でも比較をしていきます。
透明性の面においては、DEXの方が優れています。取引はすべてブロックチェーン上に記録されるため、誰でも取引履歴を確認することができます。一方、CEXでは取引データが運営会社によって管理されており、内部的な不正リスクもゼロではありません。
セキュリティ面では、CEXも多くのセキュリティ対策を講じていますが、それでもハッキングの被害が完全に防げるわけではありません。従業員などによるヒューマンエラーが原因で、過去には大規模なハッキング事件も発生しています。
一方、DEXでは、取引がユーザー同士で直接行われるため、自身以外の第三者が原因で攻撃対象になるリスクは低くなります。ただし、DEXでもスマートコントラクトに脆弱性がある場合は攻撃を受ける可能性があるため、すべてが安全というわけではありません。
透明性とセキュリティ、自己責任を重視するならDEXが適していますが、シンプルな操作性やサポートを求める場合はCEXが便利です。
DEXのメリットとデメリット
ここでは、分散型取引所のメリットとデメリットをそれぞれ具体的に挙げていきます。
メリット①:ハッキングリスクの低減
DEXでは、資産を取引所に預ける必要がないため、ハッキングリスクが大幅に低減されます。ユーザーは自分のウォレットで資産を管理するため、取引所が攻撃されても直接的な被害を受けることはありません。
これは、特に過去のハッキング事件を目の当たりにしてきた暗号資産ユーザーにとって、非常に重要なポイントです。
ただし、ウォレットで資産を自身で管理する場合、秘密鍵の管理やフィッシングサイトの対策など、気にしなければならない点が多くある点は注意が必要です。
メリット②:取引手数料
DEXでは、取引手数料がCEXに比べて安価であることが一般的です。特に、中央集権的な運営コストがないため、レイヤー2やSoalna(ソラナ)ネットワークなど、低コストのネットワークを利用すれば、取引手数料が低く抑えられる場合が多いです。
2025年1月現在、主要レイヤー2ネットワークのSwapコストは0.1~0.5ドルほどとなっています。
ただし、Ethereum レイヤー1のようなブロックチェーンでは高いガス代が発生するため、使用するプラットフォームに応じてコストが変動します。
メリット③:取扱銘柄の豊富さ
DEXは、取引所に上場するプロセスが不要であるため、ユーザーが希望するあらゆるトークンを取引できる可能性があります。そのため、CEXでは扱われていないマイナーなトークンも簡単に取引可能です。
特に新規トークンやDeFi(分散型金融)プロジェクトのトークンが早い段階で利用できる点が魅力です。
実際にUniswapでは、トークンのコントラクトアドレスさえ知っていれば、あらゆるトークンのSwapが可能です。CEXでは取り扱われていないトークンの取引も、DEXであれば簡単に可能です。
出典:Uniswap
デメリット①:資産管理の負担
DEXでは資産の自己管理が求められるため、ウォレットや秘密鍵の管理に注意が必要です。秘密鍵を紛失すると、資産を取り戻すことはほぼ不可能になります。
また、ウォレットのセキュリティを強化するためには、秘密鍵の管理やコールドウォレットの利用などの対策が求められます。
デメリット②:法定通貨や日本語対応
DEXでは、法定通貨を直接取引することが難しい場合が多く、日本円などを利用するにはCEXを経由する必要があります。
他にも、多くのDEXは英語表記が中心であるため、日本語対応が不十分な場合があります。このため、英語が苦手なユーザーや、暗号資産初心者には操作が難しいと感じる場合があります。
また、生活に必要な資金は多くの場合法定通貨であるケースが多いため、日本円やその他の法定通貨に換金したい場合、CEXを経由する必要があります。
代表的なDEX
DEXとCEXは、それぞれ独自の特徴を持ち、多様なニーズに応えています。このセクションでは、代表的なDEXとCEXを挙げながら、その特徴や活用方法について解説します。
特に、利用するプラットフォームを選ぶ際の参考となるよう、取引所ごとの機能や利便性について詳しく見ていきます。
Uniswap(Ethereum)
Uniswapは、Ethereumブロックチェーン上で動作する代表的な分散型取引所です。流動性プールを活用し、AMM(自動マーケットメーカー)の仕組みで取引を成立させます。
特徴として、ユーザーが任意のERC-20トークンを取引可能である点が挙げられます。Uniswapはイーサリアム(Ethereum)ブロックチェーンで最もシェアが高く、初めてAMMの概念を浸透させた DEXです。また、Uniswapはオープンソースのプロトコルであるため、誰でもその仕組みを確認することができます。
2025年1月時点で、DEXのTVL(預かり資産)でも1位を記録しており、DEXの中でも最大手のポジションを築いています。
出典:Defilama
Uniswapの出現により、多くのDEXがAMMモデルを採用し始め、流動性を効率的に提供できる仕組みが暗号資産業界で広まりました。
1inch(Ethereum)
1inchは、DEXのアグリゲーター(統合ツール)として機能します。つまり、複数のDEXから最適な価格を探し出し、ユーザーに提供します。
これにより、取引コストを最小化し、ユーザーが最も有利な条件で取引を行えるようになります。1inchは、取引手数料を抑えたいユーザーにとって非常に便利なプラットフォームです。
また、1inchでは複数のトークンの取引を一括で処理できるため、効率的な資産管理が可能です。
出典:1inchi
Matcha(Ethereum)
Matchaは、1inchと同様にアグリゲーター型のDEXです。シンプルで使いやすいインターフェースを提供しており、初心者にも利用しやすいのが特徴です。
Matchaは、UniswapやSushiSwapなどの複数のDEXに接続し、最適な価格を自動的に提示します。また、ガス代を抑える工夫がされているため、コスト意識の高いユーザーにも人気があります。
また、Mathcaは指値取引の機能も提供しています。
出典:Mathca
Raydium(Solana)
Raydiumは、Solanaブロックチェーン上で動作するDEXで、高速かつ低コストな取引を実現しています。Solanaの高い処理能力を活かして、スムーズな取引を提供しています。
Raydiumは、SerumというSolana上の分散型オーダーブックを活用しており、AMMとオーダーブック型取引の両方をサポートしています。このため、流動性が高く、幅広いユーザーに対応できます。
特に、高頻度取引を行うユーザーやガス代を気にする人々にとって、Raydiumは非常に便利です。
実際に、Solanaブロックチェーン上のDEXのTVL(預かり資産)でも、2位のOrcaと10倍以上のさがあり、大きく突き放して1位となっており、名実ともにSolanaの主要DEXとなっています。
出典:Defilama
Orca(Solana)
Orcaは、Raydiumと同じくSolana上で動作するDEXで、シンプルなUIと低コストの取引を提供します。特に初心者にとって使いやすい設計がされており、直感的な操作性が特徴です。
Orcaは流動性プールを活用し、スリッページを最小限に抑える仕組みを提供しています。これにより、取引効率が向上し、ユーザーにとって快適な取引環境が整っています。
さらに、Orcaはガス代が非常に安いため、小額取引を行うユーザーにも適しています。
出典:Orca
Turbo(Sui)
Turboは、新興ブロックチェーンであるSui上に構築されたDEXで、高速な取引処理とスケーラビリティが特徴です。Suiの革新的な技術により、安定した取引が可能です。
Turboはまだ開発途上の部分もありますが、将来的にはSuiエコシステムを牽引するDEXとしての役割が期待されています。特に、新しい技術やSuiのエコシステムに興味があるユーザーにとって注目のプロジェクトです。
代表的なCEX
CEXは、暗号資産初心者から経験豊富なユーザーまで、多くの人に利用されています。以下に、代表的なCEXを挙げ、それぞれの特徴を解説します。
Binance
Binanceは、世界最大級の取引量を誇るCEXです。数百種類以上の暗号資産を取り扱い、取引手数料が非常に安価な点が特徴です。
また、Binanceは高度なトレーディングツールを提供しており、経験豊富なトレーダーにとって非常に使いやすい取引所です。一方で、初心者向けのシンプルなUIも用意されているため、誰でも利用しやすいのが魅力です。
ミームコインなどを含む多くのアルトコインに対応しており、現物取引以外にも先物取引、証拠金取引など多くの取引方法を提供しています。
Coinbase
Coinbaseは、特にアメリカ市場での利用率が高い取引所で、規制遵守とセキュリティの高さに定評があります。初心者に優しいインターフェースを提供しており、暗号資産取引を初めて行うユーザーに最適です。
また、Coinbaseは法定通貨との取引もサポートしており、暗号資産と法定通貨や現実世界のお金をつなぐゲートウェイとして機能しています。
他にも、ウォレットサービスや、プロ向けの取引サービス、NFTや取引手数料が安くなる「Coinbase One」などさまざまなサービスを提供しています。
bitFlyer
bitFlyerは、日本を拠点とする国内大手の暗号資産取引所で、日本円での取引が可能です。国内ユーザーに特化したサービスを提供しており、使いやすいUIと高いセキュリティが特徴です。
レバレッジ取引のサービスも提供しており、プロ向けのサービスも拡充しています。また、金融庁の認可を受けているため、日本国内で安心して利用できる取引所のひとつです。
Coincheck
Coincheckも日本を代表する取引所のひとつで、初心者向けのシンプルな操作性が特徴です。多くのアルトコインを取り扱っており、初心者から中級者まで幅広く利用されています。
Coincheckは、モバイルアプリケーションが使いやすく、特に初心者の国内ユーザーにとって非常に親しみやすい取引所です。
bitbank
bitbankは、取引手数料の安さと高いセキュリティが魅力の日本の取引所です。特に、ビットコインやリップルの取引量が国内最大級であり、アクティブなトレーダーに人気があります。
また、板取引を多くの銘柄で準備してており、多くのアルトコインでスプレッドを抑えた取引が可能です。
DEXの市場動向と今後の展望
DEXは、暗号資産市場の拡大とともに急速に成長しています。その取引量は年々増加しており、CEXに匹敵する存在感を示しつつあります。
このセクションでは、DEXの市場動向、直面している課題、そして今後の展望について詳しく解説します。特に、利用者数の推移や規制の進展、新技術の導入がもたらす影響に注目していきます。
利用者と取引高の急増
DEXの取引高は、ここ数年で急速に増加しています。特に2020年以降、DeFi(分散型金融)の普及とともにDEXの人気が高まりました。Uniswapのような主要なDEXでは、月間の取引高が100Billion(15兆円)以上に登ることもあります。
出典:Defilama
利用者数も同様に増加傾向にあります。従来の中央集権型取引所では対応できないような、匿名性の高い取引や特定のトークンへのアクセスを求めるユーザーがDEXに流れ込んでいます。特に、DeFiブームにより、多くのトークンに対応しているDEXや、ガバナンストークンによる利回り目当てにDeFiを利用したいという需要が急増しました。
さらに、低コストで高速な取引が可能なSolanaやレイヤー2といった新興ブロックチェーンの普及も、DEXの利用拡大に寄与しています。これにより、Ethereumのガス代の高さが課題となっていたユーザーも新しいプラットフォームに移行しつつあります。
今後も利用者と取引高は拡大が見込まれ、DEXが暗号資産市場での重要な役割を担い続けることが予測されます。
実際に、a16zのレポートによれば、暗号資産の取引のうち、DEXが占める取引の割合は、過去4年で0%から10%を上回るほど急激にシェアを伸ばしています。
出典:State of Crypto report 2024
規制と対応の課題
DEXの成長に伴い、規制の必要性も議論されています。CEXとは異なり、DEXは管理者がいないため、従来の金融規制の枠組みで対応することが困難です。
例えば、KYC(顧客確認)やAML(マネーロンダリング防止)といった規制要件は、多くのDEXでは現時点で導入されていません。これにより、匿名性の高い取引が行われる可能性がある一方で、規制当局からの監視対象にもなっています。
さらに、一部の国では、DEXの運営者や開発者が規制違反を理由に罰則を受けるケースも報告されています。これにより、分散型と規制のバランスをどのように取るかが大きな課題となっています。
将来的には、スマートコントラクトを利用した規制対応技術や、特定の条件下でのデータ提供といった、新しいアプローチが求められるでしょう。
新技術による進化
DEXの進化は、技術革新の導入によってさらに加速しています。特に、次のような技術が今後のDEXの発展を支えると考えられています。
1. レイヤー2ソリューション
Ethereumのガス代問題を解決するため、多くのDEXがレイヤー2ソリューションを採用し始めています。これにより、取引速度の向上とコストの削減が可能になります。OptimismやArbitrumなどのレイヤー2プロトコルが既に実用化されています。
実際に、UniswapはAtbitrum、Optimism、Polygonなど多くのレイヤー2のブロックチェーンに対応しています。
出典:Defilama
2. クロスチェーン技術
クロスチェーン技術は、異なるブロックチェーン間での資産移動を可能にするもので、DEXにおいても重要な役割を果たします。これにより、異なるブロックチェーン上の資産をスムーズに取引できる環境が整います。EthereumとSolana間のブリッジ機能を提供するWhom wholeなどがこの分野で注目されています。
3. プライバシー技術
DEXでの取引は透明性が高い一方で、プライバシー保護が課題となっています。これに対応するため、ゼロ知識証明やプライバシーフォーカスのプロトコルが導入されつつあります。これにより、匿名性を維持しながら取引を行うことが可能になります。
DEXの将来展望
分散型取引所の未来は非常に明るいと考えられています。特に、DeFi(分散型金融)のさらなる普及や、規制対応技術の進化がDEXの成長を後押しするでしょう。
また、従来の金融市場との融合も期待されており、DEXが銀行や証券取引所の役割を果たす日も遠くないかもしれません。さらに、ユーザーエクスペリエンスの向上や新興市場への浸透により、DEXの利用範囲は拡大を続けると見られています。
一方で、規制の進展やセキュリティリスクの軽減といった課題にどのように対応するかが重要です。これらをクリアすることで、DEXは暗号資産市場の中心的な存在として位置付けられるでしょう。
将来的には、DEXとCEXの垣根が曖昧になり、ハイブリッド型の取引所が誕生する可能性もあります。ユーザーにとって、より自由で便利な取引環境が提供されることが期待されています。
実際にCoinbaseも、中央集権的な取引所サービスを提供しながらも、独自のレイヤー2であるBaseチェーンを開発しており、TVL(預かり資産)も右肩上がりに伸ばしています。多くのDeFiサービスやDEXのサービスがBaseチェーンで拡充しており、CoinbaseはCEXだけでなくDEXも同様に成長させており、今後Coinbaseとして両者がシームレスにつながるようなサービスを提供していく可能性も考えられます。
出典:Defilama
まとめ:DEXがもたらす未来
DEXは、中央管理者に依存しない自由で透明な取引の場を提供し、暗号資産市場に新しい可能性をもたらしています。スマートコントラクトや流動性プールを活用することで、従来の中央集権取引所では実現できなかった独自の仕組みを構築しています。
一方で、資産管理の自己責任や規制対応の課題など、まだ克服すべき課題も多く残されています。特に、初心者にとっては操作の難しさや法定通貨との直接的な取引ができない点が障壁となることがあります。
それでも、新技術の導入や市場の成長により、DEXは今後さらに進化を遂げることが予想されます。レイヤー2ソリューションやクロスチェーン技術などの革新的な取り組みは、取引速度の向上やコスト削減を実現し、ユーザーエクスペリエンスを向上させています。
また、DEXの台頭は、金融の分散化という理念を実現する重要な一歩です。これにより、世界中の誰もが平等に金融サービスへアクセスできる未来が期待されています。
今後は、分散型と中央集権型の取引所が共存し、それぞれの強みを活かしたハイブリッドなモデルが登場する可能性も考えられます。ユーザーにとっては、選択肢が広がり、より利便性の高い取引環境が整備されていくでしょう。
DEXがもたらす未来は明るく、私たちの金融生活に革命を起こす存在となるかもしれません。
トークン発行、配布サービス一覧
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株式会社テコテック:DAO(分散型自立組織)組成支援「Spize DAO(スパイズダオ)」
株式会社テコテックは、DAO(分散型自立組織)の組成を包括的に支援する「Spize DAO」を提供しています。このサービスは、ガバナンストークンの発行、投票制度やインセンティブ設計、システム選定、コミュニティ運営サポートを一括で支援します。
「Spize DAO」は、企業やプロジェクトが持続可能なコミュニティを形成し、効率的に運営できる環境を提供します。豊富な事例調査と分析に基づき、最適なソリューションを提案します。
項目 | 内容 |
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会社名 | 株式会社テコテック |
所在地 | 東京都渋谷区渋谷3-9-9 東京建物渋谷ビル6階 |
設立年月日 | 2007年12月28日 |
主要サービス |
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実績 |
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株式会社テコテック:迅速かつ安全なトークン発行を実現「Spize token(スパイズトークン)」
株式会社テコテックは、迅速かつ安全なトークン発行を支援する「Spize token」を提供しています。このプラットフォームでは、カスタムトークンの設計、発行、Dapps開発を一貫してサポートします。
「Spize token」は、フルスクラッチ開発と比較して大幅なコスト削減を実現し、企業や地方自治体がブロックチェーン技術を活用した新たなビジネスモデルを構築する支援を行います。
項目 | 内容 |
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会社名 | 株式会社テコテック |
所在地 | 東京都渋谷区渋谷3-9-9 東京建物渋谷ビル6階 |
設立年月日 | 2007年12月28日 |
主要サービス |
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実績 |
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株式会社テコテック:ブロックチェーンゲーム開発を支援する「Spize +(スパイズプラス)」
株式会社テコテックは、ブロックチェーンゲーム開発を効率化する「Spize +」を提供しています。このサービスは、ゲーム内トークンやNFTの導入を迅速かつ安全に実現し、開発コストの削減と運営オペレーションの簡略化を支援します。
「Spize +」は、中央管理によるハッキングリスクを回避する仕組みや、NFT管理ツールを備えた包括的なソリューションを提供します。必要に応じて、カスタマイズも可能です。
項目 | 内容 |
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会社名 | 株式会社テコテック |
所在地 | 東京都渋谷区渋谷3-9-9 東京建物渋谷ビル6階 |
設立年月日 | 2007年12月28日 |
主要サービス |
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株式会社IndieSquare:HAZAMA BASE
株式会社IndieSquareが提供する「HAZAMA BASE」は、ノーコードでNFTやトークンの発行、DAOを展開可能なWeb3ダッシュボードサービスです。このサービスは、ウォレットや暗号資産の事前準備が不要で、誰でも簡単にWeb3プロジェクトを開始できる仕組みを提供します。
「HAZAMA BASE」は、内閣官房や上場企業などで採用されており、政府機関や地方自治体プロジェクトの推進にも貢献しています。
項目 | 内容 |
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会社名 | 株式会社IndieSquare |
所在地 | 東京都渋谷区宇田川町3-1 渋谷東宝ビル7F |
設立年月日 | 2014年4月1日 |
主要サービス |
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実績 |
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株式会社IndieSquare:HAZAMA BASEの詳細はこちら
Securitize Japan株式会社:セキュリティトークン(ST)/デジタル証券プラットフォームサービス
Securitize Japan株式会社は、資本市場の近代化を目指し、セキュリティトークン(ST)やデジタル証券のプラットフォームを提供するグローバル企業の日本法人です。このプラットフォームは、株式、社債、ファンド持分など、幅広い資産のトークン化をサポートします。
同社のサービスは、投資家向け機能(会員登録、eKYC、投資申込など)や管理者向け機能(STの発行、管理、配当計算など)をSaaS形式で提供し、国内外の法規制に準拠した運用が可能です。
項目 | 内容 |
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会社名 | Securitize Japan株式会社 |
所在地 | 東京都中央区日本橋室町2-1-1 日本橋三井タワー6F |
設立年月日 | 2018年9月26日 |
主要サービス |
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実績 |
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株式会社PBADAO:生体認証スマートウォレット「TORMO(とるも)」
株式会社PBADAOが提供する「TORMO(とるも)」は、生体認証技術を活用したスマートウォレットです。パスワード不要で暗号資産の管理やNFT受け取り、キャッシュレス支払いなど、多様な機能を簡単に利用できます。
TORMOは、Web3事業を迅速に立ち上げたい企業向けに設計されており、シームレスなユーザー体験を提供します。
項目 | 内容 |
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会社名 | 株式会社PBADAO |
所在地 | 東京都千代田区神田須田町1-5 KSビル6F |
設立年月日 | 2020年10月15日 |
主要サービス |
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実績 |
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株式会社PBADAO:NFCハードウェアウォレット「pokke」
株式会社PBADAOが提供する「pokke」は、NFC技術を活用したハードウェアウォレットです。使いやすい設計により、幅広い世代に対応し、安全な暗号資産管理を実現します。
「pokke」はNFTのMintやBurnなどの機能もサポートし、簡単かつ直感的な操作が可能です。さらに、国内外の企業や自治体での採用実績があります。
項目 | 内容 |
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会社名 | 株式会社PBADAO |
所在地 | 東京都千代田区神田須田町1-5 KSビル6F |
設立年月日 | 2020年10月15日 |
主要サービス |
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実績 |
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株式会社Decentier:Decentierコンサルティング(web3技術を活用した新規事業開発)
株式会社Decentierは、web3技術を活用した新規事業開発のコンサルティングを提供しています。市場調査や事業戦略策定から、サービス設計、要件定義、システム開発まで、事業の上流から下流までを一貫して支援します。
特に、RWA(現実資産のトークン化)やVASP(暗号資産交換業)などの分野で専門性を持ち、多様な産業におけるユーティリティNFT関連のプロジェクトを得意としています。
項目 | 内容 |
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会社名 | 株式会社Decentier |
所在地 | 東京都港区六本木1-6-1 泉ガーデンタワー35階 |
設立年月日 | 2020年8月1日 |
主要サービス |
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Curvegrid株式会社:MultiBaas
Curvegrid株式会社が提供する「MultiBaas(マルチバース)」は、ブロックチェーン開発を簡易化するためのウェブUIおよびREST APIを提供するツールです。このサービスは、ブロックチェーンの知識がない開発者でも簡単に利用可能で、スプレッドシートプラグインや電子署名など、多彩なソリューションをサポートしています。
「MultiBaas」は、オンラインゲームや金融サービス、文書管理システムなど、多岐にわたる業界で利用されています。
項目 | 内容 |
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会社名 | Curvegrid株式会社 |
所在地 | 東京都千代田区九段北1-10-5 九段興産ビル6階 |
設立年月日 | 2018年2月15日 |
主要サービス |
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株式会社BLOCKSMITH&Co.:QAQA
株式会社BLOCKSMITH&Co.が提供する「QAQA(カカ)」は、クイズを通じて暗号資産を獲得できる新しいユーザー投稿型のクイズ動画SNSです。ユーザーは「Chip」を貯めて暗号資産「BLQS」に交換可能で、さらに取引所で他の通貨に交換することもできます。
「QAQA」は、クイズを解くことで収益を得られる仕組みを提供し、特に自分の得意分野で稼ぐことができる点が特徴です。エンタメ性と実用性を兼ね備えたサービスです。
項目 | 内容 |
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会社名 | 株式会社BLOCKSMITH&Co. |
所在地 | 東京都港区南青山2-11-14 青山コシビル3F |
設立年月日 | 2019年5月8日 |
主要サービス |
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株式会社BLOCKSMITH&Co.:QAQAの詳細はこちら
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