【2024年最新版】NFTのビジネス活用事例11選

By | NFT

NFT活用事例

NFTという名前は聞いたことがあるけど、具体的にどんなことに使われているの?」

「自社の事業に導入したいので、NFTのメリットや活用事例が知りたい」

この記事を読んでいる方の中には、上記のような疑問や希望をお持ちの方が多いのではないでしょうか?

ブロックチェーン技術を応用し、高い利便性と汎用性を誇るNFTは、すでに国内外の多くの企業や非営利組織によって導入されています。また最近は企業やNPOだけでなく、地方創生の取組みの一環としてNFTを活用する自治体も増えています。

この記事では、2024年における最新のNFT活用事例についてご紹介していきます。業界を問わずさまざまな企業・自治体の事例を紹介しているので、NFTの機能に興味がある方や、NFTの導入を検討しているビジネスパーソンに最適な内容となっています。

NFT活用の国内事例7選【2024年最新】

ブロックチェーンの高い技術力を活用したNFTは、すでにさまざまな業界の企業に導入されています。NFTを活用することで期待できる業務効率化やコスト削減、新たな収益源の獲得などを目指して、NFTを導入する企業が増えているのです。

ここでは、実際にNFTを活用し成功を収めている国内企業の中から、厳選した7つの事例をご紹介します。

事例1.博報堂×日本航空、Web3を活用して地域創生を目指す「KOKYO NFT」

KOKYO NFT

出典:HAKUHODO

博報堂と日本航空は、地域の特別な体験や現実資産をNFT化し、国内外の購入者を地域の関係人口に変えていく「KOKYO NFT」の実証実験第2弾を2024年2月に開始しました。

今回の実証実験では、茨城県水戸市の明利酒類株式会社が提供している最高峰の日本酒「雨下-uka-の生酒」を直接酒蔵で味わうことができる権利や、福井の伝統工芸「越前打刃物」の職人とともにオリジナルの包丁を作ることができる権利などがNFTとして販売されました。

このケースのように、企業と自治体が協働する形でNFTを活用し、地域創生を目指すプロジェクトが増えています。

参考:HAKUHODO「博報堂と日本航空、web3を活用して地域の関係人口創出を目指す「KOKYO NFT」実証実験第2弾を開始」

事例2.日本総研「障害のある人と共創するNFTアートの販売を開始」

NFTアートコレクション「グッドジョブさん」のイメージ

出典:PR TIMES

株式会社日本総合研究所と社会福祉法人わたぼうしの会は、アートとデジタルの力で障害のある人とともに、社会に新しい仕事・文化をつくることをめざすNFTプロジェクト「Good Job! Digital Factory」を開始しました。

本プロジェクトの一環として、わたぼうしの会はNFTアートコレクション「グッドジョブさん」の販売を2024年2月に行いました。グッドジョブさんは、障害のある人とともに、アートとデジタルの力で社会に新しい仕事・文化をつくりだそうとしている人や、その活動を応援する人などをイメージしたキャラクターです。

なお、 グッドジョブさんの販売による収益金は、わたぼうしの会の運営費やプロジェクトに関わりがある障害のある人たちに還元されました。

参考:PR TIMES「障害のある人と共創するNFTアートの販売を開始」

事例3.東武トップツアーズ「山形県西川町のカヌーセンター命名権NFTオークション」

tohbu

出典:PR TIMES

東武トップツアーズは山形県西川町と連携して、2025年6月に西川町に新設されるカヌーセンターの命名権をNFT化して、オークション販売しました。オークションは2024年9月1日に開始され、命名権NFTは150万円で落札されました。

同社は、「地域活性化の新しいカタチ」として、今後も自治体が命名権NFTを通じて町の関係人口を増やす手伝いをしていくとしています。

参考:PR  TIMES「山形県西川町のカヌーセンター命名権NFTオークション 前回の公園命名権NFTを超える金額で落札!」

事例4.スタートバーン×小田急電鉄「ムーンアートナイト下北沢 2024

ムーンアートナイト下北沢 2024

出典:PR TIMES

2024年9月、スタートバーン株式会社は小田急電鉄、下北沢商店連合会と共同で、下北沢で「月」をテーマにしたアートフェスティバル「ムーンアートナイト下北沢 2024」を開催しました。

本イベントでは、街を巡りながら楽しめるNFTスタンプラリーや、有料NFTチケット保有者のみが入場できる展示場所など、NFTを活用したアトラクションが用意されました。

参考:PR  TIMES「スタートバーン、40万人以上が来場した昨年度に続くアートフェスティバル「ムーンアートナイト下北沢 2024」を今年も開催。」

事例5.シースリーレーヴ「NFT寄付サービス『Kifto』」

kifto

出典:PR TIMES

2024年5月、シースリーレーヴ株式会社は、寄付をするとNFT画像(NPO活動画像など)が届く寄付サービス「Kifto(キフト)」のβ版をリリースしました。

今回のβ版では、横浜市での無料学習支援教室開校を主な事業するNPO法人「学舎 こころ星」がKiftoを利用。集まった寄付金は、学習支援教室で利用される教材や文房具などの購入費に充てられました。

NFTを活用した新しい形の寄付サービスとして、KiftoはさまざまなNPO団体から注目を集めています。

参考:PR TIMES「【NFT×寄付】”みなさんにとってのこころ星となる”子ども達の居場所づくりとして無料学習支援教室開校をおこなうNPO法人学舎こころ星、NFT寄付サービス「Kifto」にて寄付の募集を開始。」

事例6.集英社、マンガアート販売事業「SHUEISHA MANGA-ART HERITAGE」

onepiece

(c)2021, Eiichiro Oda /Shueisha Inc. All rights reserved.

2021年9月、集英社のマンガアート部門「SHUEISHA MANGA-ART HERITAGE」は、人気マンガ『ONE PIECE』の連載1,000回・コミックス100巻発売を記念して、活版印刷作品「The Press」10点をNFTとして販売しました。

同プロジェクトはこれまで、原画を「マンガアート」に再構築した作品をウェブサイトで販売してきました。しかし、2023年11月に東京・麻布台ヒルズに常設展示場「集英社マンガーアートヘリテージ トーキョーギャラリー」がオープンしたことで、実物の作品を見ることができるようになりました。

MANGA-ART-HERITAGE

出典:集英社

同ギャラリーは、ファンのみならず外国人観光客やアートコレクターも多く集まる人気スポットとなっています。

参考:集英社「「SHUEISHA MANGA-ART HERITAGE」がマンガアートを展示・販売する常設ギャラリーをオープン」

事例7.吉本興業「よしもとNFTシアター」

yoshimoto theater

出典:PR TIMES

2022年4月、吉本興業は限定NFT動画「よしもとNFTシアター」の販売を開始しました。

よしもとNFTシアターは、チョコレートプラネット、ジャルジャル、ニューヨークなどの人気芸人28組54種のコント映像をNFTコンテンツ化したものです。コントはすべてこのNFT用に撮り下ろしたもので、NFTの購入者のみが閲覧することができます。さらに、購入したNFTは第三者に販売することも可能です。

参考:PR TIMES「ニューヨーク、マヂラブらのネタをNFTで購入&取引できる! LINE NFT「よしもとNFTシアター」2022年4月13日(月)発売開始!」

自治体によるNFTの活用事例4選

先ほど紹介したような民間の企業やNPOだけでなく、NFTは自治体によっても活用されています。具体的には、過疎化が進む地域で新たな財源獲得のために利用されたり、ふるさと納税の返礼品として活用されるなど、NFTは地域創生・地域活性化のためのツールとしても注目を集めています。

なお、自治体がNFTのプロジェクトを始める際には、自治体が単体で行うというよりも、ブロックチェーンやNFTに精通している企業の協力を受けながら進めるケースが多いようです。

ここでは、自治体によるNFTの活用事例を厳選して4件ご紹介します。

事例1.新潟県・旧山古志村「Colored Carp」

Colored Carp

出典:PRWire

2021年12月、新潟県長岡市山古志地域で活動する「山古志住民会議」が、錦鯉をシンボルにしたNFTアート「Colored Carp」を発行・販売しました。

長岡市公認プロジェクトである「Colored Carp」は、地域の名産である錦鯉をテーマにしたデジタルアートであると同時に、電子住民票としての機能も有しています。なお、同NFTは合計10,000点発行され、1点につき0.03ETHで販売されました。

人口800人ほどで、過疎化の著しい山古志地域(旧山古志村)。その地域に縁のある人々が、地域創生のためにNFTを利用して独自の財源を獲得しようとする試みが、前例のないNFTの活用方法として大きな注目を集めました。

参考:note(山古志住民会議)「世界初。人口800人の限界集落が「NFT」を発行する理由」

事例2.島根県・松江市、雲南市「鷹の爪団NFT」

TAKANOTSUME DAN NFT

出典:PR TIMES

島根県松江市と雲南市は、ふるさと納税の返礼品として株式会社ディー・エル・イーが展開する「鷹の爪団」の公式NFTプロジェクト「鷹の爪団NFT」の提供を行っています。

鷹の爪団NFTは、”だれもが幸せに生きられる世界を実現する”ために世界征服を目指す、心優しい悪の秘密結社「鷹の爪団」の一員になり、応援するためのNFTアートプロジェクトです。

指定された観光地に設置されたQRコードを読み込むと、NFTアートの吉田くんの絵柄が進化する仕掛けが付いているなど、観光スポットを巡りながら楽しめるNFTとなっています。

参考:PR TIMES「島根県松江市、雲南市初!ふるさと納税返礼品にNFTアートが登場。「鷹の爪団NFT」とコラボしたふるさと納税NFT受付開始!」

事例3.埼玉県・横瀬町「Open Town Yokoze」

JOY LAB

出典:note

株式会社奇兵隊は、Web3技術の活用を通じて”自律的なまちづくり”を目指すプロジェクト「Open Town Yokoze」を埼玉県横瀬町で実施しました。

Open Town Yokozeでの第一弾プロジェクトでは、横瀬町の特徴を生かしたNFTアートが世界中に向けて販売され、売上収益は地元小中学生向けのWeb3教育に特化したスクール「JOY LAB」や、その講座の録画視聴ができるオンラインコミュニティの設立などに活用されました。

JOY LABでは、同じ志を持つ人たちが集まって友好を深めたり、Web3の知識を得たりすることを目的としています。なお、このプロジェクトで発行された「Yokoze Pass NFT」の購入者は、横瀬町の住人以外でもJOY LABコミュニティに参加することができます。

出典:note

参考:note「【前編】日本初のOpen Townプロジェクトが、埼玉県横瀬町でスタート!NFT発行を楽しく体験できる実践型Web3講座「JOY LAB」を開催しました」

事例4.山口県・美祢市「デジタル住民票NFT」

mine city digital residents

出典:PR TIMES

山口県美祢市は、東武トップツアーズ株式会社と協働して、NFTによるデジタル住民票を発行する取組みを行っています。

通常、住民票はその地域の住民に対して発行されます。一方、美祢市が発行している「デジタル住民票NFT」は、実際には住んでいない人も希望すれば購入できる、デジタル上で発行される住民票のことを指します。

なお、美祢市のデジタル住民票NFTの所有者は、以下のような特典を受けることができます。

  • 秋芳洞(大人1,300円)→入場無料
  • 美祢市養鱒場釣り堀→釣竿料金無料+鱒2匹プレゼント
  • 美祢市化石館→利用料無料
  • 美祢市温水プール→使用料無料

(※)特典の内容については変更・終了することがあります。

美祢市は、同プロジェクトにより市の関係人口を創出し、移住者を増やしていくことを目指しています。

参考:PR TIMES「山口県美祢市で「デジタル住民票NFT」を発売」

そもそもNFTとは

「そもそもNFTがどういうものなのか、まだわかっていない…」という方に向けて、ここではNFTの基本的な特徴についてご紹介します。

NFT(Non-Fungible Token)とは、デジタルデータの所有権を示す証明書のようなもので、日本語では「非代替性トークン」と呼ばれています。

多くのNFTは、「ERC-721」というイーサリアムの標準規格にもとづいて作成されています。また、事前に設定されたプログラムをもとに、第三者の仲介なしに自動的に契約を実行できる「スマートコントラクト」という技術も活用されています。

NFTはデジタル資産に「唯一無二の価値を与える」

NFTには、「デジタル資産に唯一無二の価値を与える」という特徴があります。

出典:Coincheck.inc

現金やビットコイン(BTC)などの通貨の場合、数量が同じであれば同等の価値があると見なされます。例えば、AさんとBさんがそれぞれ1BTCを所有している場合、両者の1BTCは同等の価値があり、等価交換することができる「代替可能」なものとして扱われます。

一方で「代替不可能」なものとは、全く同じものが存在せず、他のアイテムと等価交換することができない一点物のことを指します。例えば、「金メダル選手の直筆サイン入りTシャツ」のようなアイテムがこれに該当します。

さらに、ブロックチェーンの技術が活用されているNFTはセキュリティ性も高く、コピーや改ざんができないという特徴もあります。このような特徴をもつNFTの誕生により、デジタルアイテムにも物理的な資産と同じような価値を与え、売買することが可能になりました。

NFTとは?特徴と注目される理由、今後の将来性をわかりやすく解説

ビジネスでNFTを活用するメリット

ビジネスでNFTを活用するメリットとしては、主に以下の4つが挙げられます。

  1. 新たな収益源を獲得できる
  2. 参入障壁が低い
  3. グローバルに取引できる
  4. あらゆる業界で活用できる

どのような内容なのか、順番に見ていきましょう。

1.新たな収益源を獲得できる

1つ目のメリットは、「新たな収益源を獲得できる」点です。

2017年ごろから注目を集め始めたNFTは、これまでさまざまな業界で多くの新規ビジネスを創出してきました。その代表的な例としては、以下のようなものが挙げられます。

  • NFTアート(芸術作品をデジタルアートとして販売)
  • NFTゲーム(ブロックチェーンを活用したゲーム。ゲーム内のアイテムはNFTとして売買可能)
  • メタバース(NFT化されたバーチャルな土地や建物を販売)
  • NFTトレカ(トレーディングカードをデジタル化して販売)
  • NFT会員権(ホテルやレストランなどの会員証をデジタル化して販売)

上記はNFTの活用事例の一部ですが、企業はNFTを利用することで、それまで実在する物として販売していた商品をデジタル化して販売することができます。これにより、それまでリーチできなかった購買層に商品を販売できたり、製造コストを節約できるなどの恩恵を受けることができます。

2.参入障壁が低い

2つ目のメリットは、「参入障壁が低い」点です。

まだ誕生してからそれほど経っておらず、競合他社がそれほど多くないこともあり、NFTは他の市場と比べて参入しやすいという特徴があります。ブロックチェーンに関する知識と経験があれば、比較的手軽に事業を始められる点はNFTのメリットと言えるでしょう。

3.グローバルに取引できる

3つ目のメリットは、「グローバルに取引できる」点です。

NFTはビットコインなどの暗号資産と同じように、国や地域を問わずに取引することが可能です。特定の地域に縛られることなく、事業をグローバルに展開できる点もNFTのメリットと言えるでしょう。

4.あらゆる業界で活用できる

4つ目のメリットは、「あらゆる業界で活用できる」点です。

前述したように、NFTは金融やアート、ゲーム、メタバース、ファッションなどすでに多岐にわたる分野で活用されています。利便性だけでなく、あらゆるビジネスで活用できる汎用性の高さもNFTのメリットです。

「NFTの活用事例」まとめ

ここまで、NFTの活用事例、特徴、ビジネスで活用するメリットなどについて解説してきました。

誕生した当初、NFTは主にアートやゲームなどの分野で利用されていました。しかし、その高い利便性と汎用性が徐々に認めれるようになり、現在はさまざまな企業や自治体によって活用されるようになりました。

前述したように、企業はNFTを活用することでさまざまなメリットを受けることができます。特に、新たな収益源につながる機会を創出できる点は、多くの企業にとって魅力的なポイントと言えるでしょう。

NFTはまだ誕生してから間もない発展途上の技術であり、今後も新たな活用方法が発見されていくことが予想されます。またそれに伴い、さらに多くの組織がNFTの導入を開始するでしょう。

MCB Web3カタログは、NFTをはじめとした、Web3領域におけるBtoBサービスを網羅的に検索・比較することができるカタログサイトです。「NFTを活用した事業をしてみたい」「NFTの発行から活用事業検討までを支援してくれるコンサルティングサービスを調べたい」など、導入を検討中の事業者様にぴったりのサービスやソリューションが見つかるMCB Web3カタログを、ぜひご活用ください。

資料を無料ダウンロード

Comments are closed.