メタバースとは?Web3との関係性やメリット、ゲームビジネスでの活用事例を解説

メタバースとは?

メタバースとは、インターネット上に展開されている仮想空間のことです。ユーザーは「アバター」と呼ばれる自身の分身であるキャラクターを操作して、メタバース内で他のユーザーと交流をしたり、サービスを利用したりして楽しみます。

ジェームズ・キャメロン監督のSF映画『アバター』が公開されたのが2009年。その頃は映画の世界の話でしかなかったメタバースが、徐々に現実のものとして私たちの暮らしの中に浸透しつつあります。

「メタバースには興味があるけど、どんなものなのか詳しくは知らない」、「メタバースで具体的にどんなことができるのか知りたい」

この記事では上記のような方に向けて、メタバースの概要と活用分野、メリット・デメリット、活用事例、始め方などについて解説していきます。現在の主流な活用法であるゲーム分野はもちろん、ビジネスシーンでの活用事例も紹介しているので、「ビジネスでメタバースを利用したい」という方もぜひご覧ください。

メタバース(Metaverse)とは

メタバース(Metaveres)とは、インターネット上に構築された仮想空間のことです。「超越」を意味する”メタ”と「宇宙、世界」を意味する”ユニバース”が組み合わされた造語で、1992年に出版されたニール・スティーヴンスンのSF小説『スノウ・クラッシュ』が起源とされています。

ユーザーは仮想空間の中で、自身の分身であるアバターを介して自由に空間内を動き回ったり、他のユーザーとコミュニケーションをしたりして楽しむことができます。

デジタル空間に独自の経済圏を構築できる

メタバースでは、デジタル空間内で展開されているお店でショッピングをしたり、美術館でアート鑑賞をしたり、音楽イベントに参加したりと、現実世界と同じような娯楽を楽しむことも可能です。

また、ゲームや遊園地などのアトラクションを作って他のユーザーから利用料をとったり、自分で作ったアバターやアイテムをNFTとして販売したりすることもできます。なお、現実世界では商品やサービスの売買には法定通貨(円やドルなど)が使用されるのが一般的ですが、メタバースでは決済に暗号資産が利用されるケースが多いという点で違いがあります。

デジタル空間上に独自の経済圏を構築できるメタバースは、これから大きく成長していく分野と目されており、新たな収益源を求めてすでにさまざまな企業が参入しています。 その代表格として挙げられるのが、マーク・ザッカーバーグ氏がCEOを務めるMetaです。2021年、当時Facebookという社名だった同社はMetaに社名を変更して、メタバースに本格参入しました。

メタバースとWeb3、NFT、暗号資産の関係性

メタバースについて調べていると、必ずと言っていいほど目にするWeb3、NFT、暗号資産という3つのワード。初心者のうちはこれらの違いや関係性がわかりにくく、内容を混同してしまっている人もいるかもしれません。

ここでは、メタバースとこれら3つの違いと関係性について解説していきます。

メタバースとWeb3の関係性

メタバースは、インターネット上に構築されている仮想空間と、その仮想空間上で展開されているサービスの総称を指します。

それに対して、Web3ブロックチェーンP2P(ピアツーピア)などを基盤とする、非中央集権的な技術やサービスの総称を指します。なお、Web3を代表する技術・サービスとしては、NFT(非代替性トークン)やDAO(分散型自律組織)DeFi(分散型金融)などが挙げられます。

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メタバースとNFTの関係性

NFT(Non-Fungible Token)は、ブロックチェーンを活用することで、デジタルアイテムに唯一性と資産価値を付与する技術と、その技術によって作成されたデジタルアセットのことを指します。

従来のオンラインゲームでは、ゲーム内で獲得したお金はゲーム外では利用できず、法定通貨と同じような金銭的価値を持つことはありませんでした。その一方で、メタバースでは仮想世界で使用するアバターやアイテム、土地などをNFTとしてマーケットプレイスなどで自由に売買することが可能です。つまり、NFTは売却して金銭を得ることができるのです。

デジタルアイテムに資産価値を付与できるNFTの登場により、メタバースでは現実世界と同じような経済活動を行うことができるようになりました。

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メタバースと暗号資産の関係性

前述したように、メタバースに登場するアイテムはNFTマーケットプレイスで売買することができます。そして、NFTの取引にはイーサリアム(ETH)などの暗号資産が利用されます。

メタバースの中には、NFTを利用していないものも存在し、それらをプレイするにはデバイスだけを用意すれば問題ありません。ただし、NFTを利用するメタバースに参加する際には、事前に暗号資産とMetaMask(メタマスク)などのウォレットを用意する必要がある場合があります。その際には、Coincheckなどの国内の暗号資産取引所で口座開設をして、暗号資産を購入する必要があります。

メタバースとXR(VR、AR、MR)の違い

メタバースには、意味が混同されがちなXR(VR、AR、MR)という関連技術があります。ここでは、両者の違いを解説していきます。

XR(Cross Reality:クロスリアリティ)とは、現実世界と仮想世界を融合させて新たな経験を生み出す技術の総称を指します。XRという大枠があり、その中にVR、AR、MRといった個別の技術が含まれています。

続いて、以下の表でVR、AR、MRの概要を確認していきましょう。

名称 概要 活用例
VR(Virtual Reality:仮想現実) 仮想空間にリアリティや没入感を与える技術 ・VR動画を利用した内覧サービス【不動産】

・VR空間で運営するバーチャル店舗【小売】

AR(Augmented Reality:拡張現実 現実世界の光景にCG映像などを重ねて表示する技術 ・ポケモン GO【ゲーム】

・実際の部屋に家具の試し置きができるシミュレーションアプリ【不動産】

MR(Mixed Reality:複合現実) VRとARを組み合わせた技術

ARが2D映像を表示するのに対し、MRではより情報量が多い3D映像を表示する

・MRゴーグルを着用して行う医師の手術トレーニング【医療】

・3Dデータの利用による自動車の整備作業の効率化【製造】

3つとも仮想空間を演出するための技術ではありますが、方法や使用するデバイスなどがそれぞれ異なります。なお、XRはVR、AR、MRの総称です。

以上のことからXRとメタバースの違いをまとめると、XRがリアルとバーチャルを融合させて新しい経験を創造する「技術」の総称であるのに対して、メタバースはXR空間上で展開される「サービス」の総称と言うことができます。

メタバースの活用分野

現在、メタバースは主に以下のような分野で活用されています。

  • ゲーム
  • バーチャルオフィス
  • ショッピング
  • イベント・ライブ
  • 旅行・観光
  • 教育
  • 地方創生
  • 役所での手続き
  • 婚活

各内容について、順番に解説していきます。

①ゲーム

メタバースの代表的な活用法としては、ゲームが挙げられます。

メタバースゲームの特徴としては、「アバターを使い、3Dの仮想空間で臨場感のある体験ができる」、「大人数のユーザーがリアルタイムで遊べる」、「土地やアイテムをNFTとして売買できる」といったものがあります。

なお、メタバースゲームで有名なタイトルには以下のようなものがあります。

  • Fortnite
  • あつまれどうぶつの森
  • The Sandbox
  • Minecraft
  • Second Life
  • Decentraland

2017年のリリース以降、爆発的な人気を誇る「Fortnite(フォートナイト)」は、2023年末の時点で約6億5,000万人もの登録ユーザーを有しています。

参考:Business of Apps「Fortnite Usage and Revenue Statistics (2024)」

②バーチャルオフィス

2つ目に紹介する活用法は、バーチャルオフィスです。

2021年8月にMetaからリリースされた「Horizon Workrooms(ホライゾン・ワークルームズ)」は、VR(仮想現実)やMR(複合現実)を活用したバーチャルオフィスツールです。利用者はアバターの姿となり、他のユーザーとバーチャルオフィスで共同作業や会議をすることができます。

従来のリモート会議の場合、参加者の表情や雰囲気がつかみにくく、意思の疎通が図りにくいというデメリットがあります。その点、Horizon Workroomを使用した場合、ユーザーは実際のオフィスにいるような臨場感が持て、作業や会議の効率性を上げることができます。

③ショッピング

メタバースアプリ 「REV WORLDS」

出典元:三越伊勢丹オンラインストア「REV WORLDS」

次に紹介する活用法は、ショッピングです。

VR技術を活用して仮想空間内に作られた店舗のことを、「バーチャルショップ」と呼びます。バーチャルショップでは、ユーザーは実際の店舗と同じようにディスプレイされた商品を見たり、気に入ったアイテムを購入したりすることができます。

自宅にいながら友人と一緒に買い物をしている感覚を味わえたり、メタバースならではのユニークで没入感のある店舗演出ができるバーチャルショップは、新たな購買体験を提供できるツールとしてさまざまな企業から注目を集めています。

過去にバーチャルショップを出店したことがある企業としては、以下のようなところがあります。

  • 三越伊勢丹
  • 高島屋
  • 資生堂
  • 大丸松坂屋
  • メゾン クリスチャン ディオール
  • BEAMS
  • H&M

④イベント・ライブ

続いて紹介する活用法は、イベント・ライブです。

上の動画は、2020年にシンガーソングライターの米津玄師さんが「フォートナイト」で行ったライブの模様です。アバター姿でメタバース内のステージで歌う米津さんと、そのライブを楽しんでいるユーザーたちの姿を見ることができます。

フォートナイトでは、これまでに米津玄師さん、星野源さん、トラヴィス・スコットさん、アリアナ・グランデさんといった豪華ミュージシャンがライブを行っています。

近年はフォートナイトの事例のように、実在する歌手がメタバース内でライブをしたり、企業がプロモーションイベントを開催したりするケースが増えてきています。

⑤旅行・観光

ANA GranWhale

出典元:ANA

メタバースは、旅行・観光分野でも実用化が進んでいます。

2023年12月、ANA NEO 株式会社はスマートフォンひとつでバーチャル旅行が体験できる「ANA GranWhale」のサービスを開始しました。

ANA GranWhaleでは、ユーザーはスマートフォンでアバターを操作することで、バーチャル空間に再現された世界中の観光地や文化を体験することができます。なお、バーチャル空間はV-TRIP(旅のテーマパーク空間)と、Skyモール(ショッピング空間)の2つによって構成されています。

V-TRIPでは、日本国内61カ所、海外3カ所、全64カ所のツアーを楽しむことができます。また、Skyモールでは実際の商業施設のように各ショップを歩いて見て回り、EC商品やデジタルアイテムを購入することができます。なお、アプリ内で獲得できる「グランチップ」(アプリ内アイテム)は、ANAのマイルに交換することも可能です。

参考:ANA「バーチャルトラベルプラットフォームアプリ『ANA GranWhale』日本でサービスを開始!!」

⑥教育

Stanford Report

出典元:Stanford Report

メタバースは、教育分野でも活用されています。

スタンフォード大学では、Metaが販売するVRヘッドセット「Oculus Quest 2」を利用して行われるコース「Virtual People」を実施しています。

Virtual Peopleでは、大衆文化、エンジニアリング、行動科学、コミュニケーションなどの分野におけるVRの拡大と進化の役割について、リモート講義の形式で学びます。2021年の夏から実施されている同講義は、ほぼ完全にVRで教えられるコースとして人気を博しており、夏と秋のコースには数百人の学生が参加します。

参考:Stanford Report「Stanford course allows students to learn about virtual reality while fully immersed in VR environments」

⑦地方創生

伊那市メタバース

出展元:PR TIMES

メタバースは、自治体による地方創生の手段としても活用されています。

2024年4月、長野県伊那市は伊那市観光協会、デジタルハリウッド大学と協力し、メタバースプラットフォーム「XR CLOUD」上に「伊那市メタバース」を公開しました。

伊那市メタバースでは、高遠城址公園の桜をパノラマビューで体感できるほか、特産物の紹介ブース、高遠石工を360度視点で見ることができるなど、メタバースならではの観光体験が実現されています。

地域の豊富な観光資源や食文化の魅力が若者に届きにくい状況が続いている問題を解決するため、同市では行楽やグルメの魅力をメタバースならではの体験価値に落とし込むことで、若者世代に向けて伊那の魅力を発信しています。

参考:伊那市「観光視点で表現された「伊那市メタバース」が公開されました」

⑧役所での手続き

メタバース区役所

出典元:江戸川区

メタバースは、役所での各種相談や電子申請手続きにも活用されています。

東京都江戸川区では、インターネット上の仮想空間に区役所を開設するための実証実験を、2024年9月20日から開始しました。このサービスでは、アバター姿の利用者がメタバース上の区役所で、子育てや教育、健康や福祉などに関する相談を、同じくアバター姿の担当職員にすることができます。

この江戸川区が取り組んでいる「メタバース区役所」は、お年寄りや身体に障害がある方など、身体的な理由により役所を訪れるのが困難な人たちにとって特に役立つサービスになるのではないかと期待されています。

参考:江戸川区「メタバース区役所」

⑨婚活

メタバース婚活

出典元:奈良市

人口減少や少子化問題などの対策として、アバターを使用して仮想空間上で交流する「メタバース婚活」を実施する自治体が増えています。

奈良市では、2024年9月に市内在住・在学・在勤または将来的に奈良市への移住を検討している20〜40歳くらいの独身男女を対象に、メタバース婚活を実施しました。その際には、7組14人のカップルが成立し、82.4%という高いマッチング率を実現しました。

アバターを使って交流するメタバース婚活は、見た目にとらわれずに会話から内面を知ることができる、自宅から手軽に参加できるといった点がメリットで、従来の婚活イベントに参加するのは抵抗があるいう人も参加しやすい内容となっています。

同市では、2024年12月に第2弾となるメタバース婚活を企画しており、こちらでも多くのカップルが成立することが期待されています。

参考:奈良市

メタバースが注目されている3つの理由

メタバースが注目を集めている理由としては、主に以下の3つが挙げられます。

  1. VR機器の進化
  2. 大手企業の参入
  3. NFTなど関連技術の発展

どのような内容なのか、1つずつ見ていきましょう。

1.VR機器の進化

メタバースが注目を集めるようになった理由の1つとして、「VR機器の進化」を挙げることができます。

VRヘッドセットは、「VR元年」と呼ばれた2016年から出荷数が増え始め、一般ユーザーに広く普及するようになりました。具体的には、Oculus Rift、HTC Vive、PlayStation VRといった高性能かつ比較的手頃な価格のVRヘッドセットや、スマホ用の簡易型ヘッドセットが発売されたことが、新規ユーザーの増加につながったようです。

このように参入するメーカーが増え、市場に出回る製品が増えたことによって、ヘッドセットの高性能化や軽量化、価格の値下げなどが実現されたことが、ユーザー増加の要因になりました。

VRヘッドセットの出荷数

総務省が発表した「令和6年版 情報通信白書」によると、世界のVRヘッドセットの出荷台数は2022年の1,250万台をピークにその後は沈静化を見せています。それでも、2023年には約770万台が出荷されており、依然として一定の需要を維持しています。

世界のVRヘッドセットの出荷台数の推移及び予測

出典元:総務省「令和6年版 情報通信白書|データ集」

2.大手企業の参入

大手企業による新規参入も、メタバースの発展を語る上では欠かせないでしょう。

その代表格として挙げられるのが、マーク・ザッカーバーグ氏が率いるMeta社のメタバース分野への進出です。2021年10月、当時Facebookという社名だった同社はMetaに社名を変更して、メタバースに本格参入することを発表しました。

会長兼CEOのザッカーバーグ氏は、同年7月には「(Metaは)数年以内にSNSからメタバースの会社に変わる」と説明し、同年12月期にはメタバース事業に約100億ドル(約1兆1,000億円)を投じる考えを公表しました。

Facebookという世界的に認知されている社名をあえてMetaに変更したことや、ザッカーバーグ氏の同分野に対する前向きな発言は大きな話題となりました。同社の一連の動きはメタバースに対する注目度を高め、その後に続く市場の成長に多大な貢献をしたと言えるでしょう。

参考:日本経済新聞「Facebook、社名を「メタ」に変更 仮想空間に注力」

3.NFTなど関連技術の発展

NFTなどの関連技術の発展も、メタバースの発展に大きな影響を与えています。

メタバースの中には、仮想空間内で使用するアイテムやキャラクター、土地などをNFTとして販売しているものがあります。また、ユーザーがメタバース内で手に入れたNFTは、OpenSeaやCoincheck NFTなどのNFTマーケットプレイスで売却することも可能です。

Coincheck NFT

出典元:Coincheck NFT

ブロックチェーンを活用したNFTの登場により、ゲーム内のデジタルアイテムに資産価値を持たせることが可能になりました。このことは、メタバースをはじめとするオンラインゲーム全般の可能性を大幅に広げました。

メタバースのメリット

メタバースのメリットとしては、主に次の3点が挙げられます。

  • 仮想空間ならではの体験ができる
  • 世界中の人とリアルタイムで交流できる
  • ビジネスチャンスを創造できる

以下で詳しく解説していきます。

仮想空間ならではの体験ができる

専用のゴーグルを装着をすることで、360度パノラマの画像や映像を目の前に流すことができるメタバースは、仮想空間でありながらあたかも現実のような臨場感のある体験を堪能することができます。

具体的な例として、マネックスグループ株式会社が「The Sandbox」上で開発・展開しているメタバース都市「OASIS TOKYO」を挙げてみましょう。The Sandboxは、2012年にリリースされた人気メタバース・プラットフォームです。ブロックチェーン技術を基盤としており、仮想空間内の決済では「SAND」という独自トークンが使用されます。

OASIS TOKYOでは、ユーザーはアバターを使って仮想空間内に建設されている商店街や美術館、ライブハウスなどの施設を利用したり、他のユーザーやさまざまな分野のアーティストと交流をしたりして楽しむことができます(※)。

デジタル空間でありながら、現実世界と同じように他者と交流したり、ショッピングをしたり、ライブやイベントに参加できたりする点は、メタバースならではのメリットです。

(※)OASIS TOKYOは現在開発中です。OASIS TOKYOの詳細はこちらをご覧ください。

世界中の人とリアルタイムで交流できる

メタバースでは、一人称視点のアバターや相手との位置関係によって音量が変わるボイスチャット機能などにより、まるで生身の人間と対面で会話しているような臨場感を味わうことができます。さらに、ネット環境さえあれば24時間どこにいてもアクセスできるので、世界中の大勢のユーザーとリアルタイムでつながれる点も魅力です。

例えば、アメリカのVRChat Inc.が運営する人気ソーシャルVRプラットフォームの「VRChat」の場合、2024年11月25日時点で2.5万〜5万人程度の同時接続ユーザーが存在します。

VRChatのユーザー数

出典元:SteamDB

ビジネスチャンスを創造できる

次世代のテクノロジーを象徴する存在として注目を集め始めたメタバースには、新たなビジネスチャンスを目指してすでに多くの企業が参入しています。その中には、プラットフォームの開発・提供を手がける企業はもちろんのこと、現実世界で展開している商品やサービスをメタバース環境に適合させて販売している企業も数多く存在します。

例として、先ほども軽く紹介した「The Sandbox」を挙げてましょう。

2023年9月、株式会社SHIBUYA109エンタテイメントは、自社が監修したThe Sandbox用の限定アバターコレクションの販売を行いました。また、同社はThe Sandboxのメタバース上に渋谷の街を再現した「SHIBUYA109 LAND」の開設も行っており、2024年10月にはY3Kファッションをテーマにした期間限定イベント「SHIBUYA FUTURAMA(シブヤ フューチャラマ)」を開催しました。

SHIBUYA109監修のファッションアバター

出典元:The Sandbox

また、2023年11月にはイタリアのラグジュアリーブランド「Gucci(グッチ)」が、同じくThe Sandboxのメタバース内で、グッチの歴史をたどるエキシビションを体験できる期間限定コンテンツ「Gucci Cosmos Land」を公開しました。

Gucci Cosmos Land

出典元:Gucci

このように、現実世界でも営業を行っている企業がメタバースプラットフォームと提携し、仮想空間でも商品の販売やサービスの提供を行うケースが増えています。

メタバースのデメリット・注意点

前述したようなメリットがある一方で、メタバースには次のようなデメリットや注意点もあります。

  • 依存症、健康被害のリスクがある
  • 暗号資産やNFTを盗難されるリスクがある
  • 個人特定、ストーキングのリスクがある

どのような内容なのか、詳しく見ていきましょう。

依存症、健康被害のリスクがある

娯楽性が高く没入感があるメタバースは、つい時間を忘れて長時間プレイしてしまいがちです。ゲーム依存に関しては、すでに「ゲーム障害」という病名で世界保健機関(WHO)によって依存症の1つとして正式に認定されていますが(※)、メタバースに関しても同様の症状を引き起こす可能性が高いと指摘されています。

さらに、VRゴーグルなどのデバイスを装着してメタバースにアクセスしていると、めまいや吐き気といった「VR酔い」を引き起こす可能性もあります。また、日常的にメタバースを利用していると運動不足になりやすく、生活習慣病などのリスクが増大する可能性がある点もデメリットと言えるでしょう。

(※)参考:WHO「Gaming disorder」

暗号資産やNFTを盗難されるリスクがある

メタバースの中には、仮想空間内の土地やキャラクター、装備品などをNFTとして販売しているものがあります。そして、通常それらの取引には暗号資産が使用されます。ユーザーはMetaMaskなどのウォレットに保管している暗号資産と、目当てのNFTを交換する形でNFTを入手します。

そして、もしハッキングなどによってウォレットの秘密鍵が外部に漏れてしまった場合、ウォレットに保管している暗号資産やNFTは盗難されてしまう可能性があります。

詐欺の加害者の中には、プラットホームの関係者になりすましてメールなどを送り、もっともらしい理由をつけてユーザーにウォレットの秘密鍵を入力させ、暗号資産やNFTを盗もうと企む者も存在します。そのような詐欺に遭わないためにも、少しでも怪しいと感じたら、絶対にウォレットの秘密鍵などの情報を伝えないことが大切です。

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個人特定、ストーキングのリスクがある

アバターを使って行動するとは言いつつ、それを操作しているのは生身の人間です。同じメタバース内で他のユーザーとコミュニケーションを重ねていく中で、特定のユーザーと仲良くなったり、逆に何かがきっかけとなり敵視されたりするようなことは往々にして起こります。

その一方で、メタバースでは匿名性が保たれており、原則として仮想世界での出来事や人間関係は現実世界には影響を及ぼしません。例えば、もしメタバース内であるユーザーから恨みを買うようなことがあったとして、その仕返しを現実世界でされるような危険性があるなら、誰も安心して仮想世界を楽しむことはできないでしょう。

しかしその匿名性も、もしメタバースにアクセス中に自分の身分が特定されるような情報を発信してしまうようなことがあれば、一気に効力を失ってしまいます。例えば、仲良くなったユーザーに自分の本名や勤めている会社などの情報を伝えたら、そのユーザーから他のユーザーにその情報が伝わり、さらにそのユーザーから別のユーザーに…と、気づいたら大勢のユーザーに自分の個人情報が知れ渡っていた、というような事態も十分に起こり得るのです。

そして、もしメタバース上での発言などがきっかけとなり個人が特定されてしまった場合、現実世界で嫌がらせをされたり、ストーキングをされたりする危険性も生じてきます。そのような事態に陥られないためにも、メタバース内では個人の特定につながるような情報は発信しないように注意しましょう。

メタバースの活用事例7選【ゲーム】

ここからは、実際にメタバースを活用しているサービスやプラットフォームをご紹介していきます。

まずは、メタバースの代表的な活用分野であるゲームの中から、以下の7つの人気タイトルをご紹介します。

  1. Minecraft(マインクラフト)
  2. Fortnite(フォートナイト)
  3. The Sandbox(ザ・サンドボックス)
  4. OASIS TOKYO(オアシス トウキョウ)
  5. VRChat(VRチャット)
  6. ZEPETO(ゼペット)
  7. Decentraland(ディセントラランド)

1.Minecraft(マインクラフト)

Minecraft

出典元:Minecraft

Minecraftは、Microsoft傘下のMojang Studiosが2011年11月に正式リリースしたオンラインゲームです。プレイヤーは3Dのブロックで構成された仮想空間の中で、他のプレイヤーとチャットをしながら冒険や建築をして楽しみます。

世界中にユーザーがいるMinecraftは、2014年には「世界で最も売れたインディーズゲーム」としてギネス世界記録に認定されました。そして、ギネス認定から約10年が経過した現在も、月間アクティブユーザー数が2億人(※)を超えるほどの人気を博しています(2024年12月1日時点)。

なお、2025年にはMinecraftに着想を得た実写映画が公開される予定もあり、ゲーム以外の分野でも注目を集めています。

(※)参考:ACTIVE PLAYER「Minecraft」

2.Fortnite(フォートナイト)

Fortnite

出典元:Fortnite

Fortniteは、米Epic Gamesが2017年にリリースしたオンラインゲームです。

無人島で100人のプレイヤーが武器やアイテムを収集しながら戦い、最後まで勝ち残ることを目指すバトルロイヤルゲームで、2023年末の時点で約6億5,000万人もの登録ユーザーがいるほど絶大な人気を博しています。

また、過去にはシンガーソングライターの米津玄師さんや、米国出身のラッパー、トラヴィス・スコットさんなどがFortniteの仮想空間上でライブを開催するなど、人気アーティストがバーチャルライブを行う際のプラットフォームとしても注目を集めています。

3.The Sandbox(ザ・サンドボックス)

The Sandbox

出典元:The Sandbox

The Sandboxは、2012年にゲーム開発会社のPixowlによってリリースされた、イーサリアムのブロックチェーン技術を基盤としたゲームプラットフォームです。

ユーザーは、仮想世界に存在するLAND(土地)を購入またはレンタルすることで、LANDの上でイベントやコンテストを開催したり、オリジナルのゲームや住居を作ったりすることができます。

そして、それらのコンテンツを他のプレイヤーが利用することで、LANDの所有者は使用料として暗号資産を得ることができます。また、LAND自体を売却したり、他のユーザーに貸し出してレンタル料を得ることも可能です。なお、The Sandboxには「SAND」という暗号資産が存在し、アイテムを売買する時やサービスを利用する際にはSANDを使って決済します。

4.OASIS TOKYO(オアシス トウキョウ)

OASIS TOKYO

出典元:Coincheck

OASIS TOKYOは、マネックスグループが「The Sandbox」上で開発・展開しているメタバース都市です。

”2035年の近未来都市”がコンセプトのOASIS TOKYOは、日本を連想させる象徴的な街並みの中に美術館やステージなどの施設を設置し、さまざまな分野のアーティストとファンとの交流や企業のコミュニティ育成の場として活用してもらうことを目指しています。

「OASIS」プロジェクトは、2022年1月のスタート以来、バーチャルファッションショーや音楽ライブの実施など多くの著名人や企業とのコラボレーションを進めてきました。独自に立ち上げたweb3コミュニティの公式Discordには約5,000名が参加(2024年12月時点)し、交流を楽しんでいます。

(※)OASIS TOKYOは現在開発中です。OASIS TOKYOの詳細はこちらをご覧ください。

OASIS KYOTO

OASIS KYOTO

出典元:Coincheck

OASIS KYOTOは、マネックスグループがDecentralandのLANDに建設したメタバース都市です。”2035年の近未来都市”をコンセプトにした「メタバース×NFT」のコミュニティ拠点で、神社仏閣など日本の古都を連想させる街並みになっています。

(※)OASIS KYOTOの詳細はこちらをご覧ください。

5.VRChat(VRチャット)

VRChat

出典元:STEAM

VRChatは、バーチャル空間で大勢のユーザーとコミュニケーションが楽しめるソーシャルVRプラットフォームです。通常のSNSと同じように他のユーザーと自由に交流ができるため、「ソーシャルVR」という呼び名がついています。

VRChat内には「ワールド」と呼ばれる空間がいくつも存在し、好きな場所で他のユーザーとの交流を楽しめます。周囲にいるプレイヤーとは、ボイスチャット機能を通して会話ができるほか、自身の身体の動きをアバターに反映させてボディーランゲージで交流することも可能です。

また、VRChatでは随時イベントが開催されており、個人だけでなくさまざまな企業もVR空間内で出展しています。特に有名なものとしては、株式会社HIKKYが主催する「バーチャルマーケット」や、サンリオが主催する「SANRIO Virtual Festival」などがあります。

6.ZEPETO(ゼペット)

ZEPETO

出典元:ZEPETO

ZEPETOは、スマートフォンで自分好みの3Dアバターを作り、メタバース空間で他のユーザーと交流が楽しめるバーチャルSNSアプリです。韓国のNaver Z Corporationが運営しており、Z・α世代を中心に5億人以上(※)のグローバルユーザーを抱えています。

アジア最大規模のメタバースプラットフォームであるZEPETOは、さまざまな分野の企業から注目を集めており、これまでに多くの企業やブランドとコラボレーションを行なってきました。具体的には、人気アニメの「ONEPIECE」や「セーラームーン」や、GucciやAmi Pariなどのファッションブランドとコラボイベントを開催しています。また、最近では2024年11月に大人気K-POPグループのaespaともコラボをし、話題を呼びました。

(※)参考:PR TIMES「株式会社V、5億人超のグローバルユーザーを抱えるメタバースプラットフォーム「ZEPETO」の公式開発パートナーに認定」

7.Decentraland(ディセントラランド)

Decentraland

出典元:Decentraland

Decentralandは、2020年に正式版がリリースされたイーサリアム・ブロックチェーンをベースとしたバーチャルリアリティプラットフォームです。

プレイヤーは独自トークンである「MANA」を使うことで、メタバース内のLAND(土地)やアバターの衣服といったアイテムをNFTとして取引することが可能です。また、LANDの所有者はLAND内にオリジナルゲームやランドマークなどのコンテンツを作ることができ、それらを他のプレイヤーに貸し出すことで使用料を得ることができます。

メタバースの活用事例5選【ビジネス】

続いて、ゲーム以外のビジネス分野でメタバースを活用している以下の5つのサービスをご紹介します。

  1. ナイキ「NIKELAND」
  2. BEAMS「TOKYO MOOD by BEAMS」
  3. HIKKY「バーチャルマーケット」
  4. KDDI「αU
  5. ANA NEO「ANA GranWhale」

1.ナイキ「NIKELAND」

NIKELAND

出典元:Nike

NIKELAND(ナイキランド)は、スポーツブランドのナイキがメタバースプラットフォーム「Roblox(ロブロックス)」内で展開するVR空間です。

プレイヤーはナイキ本社をモデルにした建物やフィールドで、ミニゲームやショールームなどさまざまな体験を楽しむことができます。また、Robloxが提供するツールキットを利用して、オリジナルゲームを作成することも可能です。

さらに、メタバース内のショールームではナイキが実際に販売しているスニーカーなどの商品をアバターに試着させ、気に入れば購入することもできます。

2.BEAMS「TOKYO MOOD by BEAMS」

BEAMS「TOKYO MOOD by BEAMS」

出典元:BEAMS

2024年5月、セレクトショップの運営などを行う株式会社ビームスは、世界最大級のソーシャルVRプラットフォーム「VRChat」上で、バーチャル活動の拠点となる初のワールド「Tokyo Mood by BEAMS」を公開しました。

夜の東京をイメージした本ワールドには、居酒屋やミュージックバーなど、ユーザー同士がコミュニケーションをとりやすい場所が数多く用意されています。また、ワールド内にあるBEAMSの店舗では、アバター用に制作された3D衣装を試着できるだけでなく、実際に購入することも可能です。

なお、アバター用の3D衣装は現実でも販売しているリアル商品をもとに制作されており、ユーザーはメタバース内で気に入ったアイテムがあった際には、リアル(物理的な)商品を購入することもできます。

3.HIKKY「バーチャルマーケット」

バーチャルマーケット

出典元:My Vket

バーチャルマーケットは、株式会社HIKKYが主催するVR空間上のマーケットイベントです。2018年から開催されているバーチャルマーケットは、世界中から100万人を超す来場者を誇り、ギネス世界記録も保持するメタバースの先駆け的イベントです。

ユーザーはメタバース上にある会場で、アバターなどの3Dアイテムやリアル商品(洋服、PC、飲食物など)を売り買いすることができます。また、 商品売買の他にも会場内で乗り物に乗ったり、音楽ライブに参加したりするなど、メタバースならではの体験をすることも可能です。さらに、ボイスチャット機能を使って他のユーザーと交流もできるので、現実世界で友達と一緒にショッピングをしているかのような臨場感も楽しめます。

参考:My Vket「バーチャルマーケットとは」

4.KDDI「αU

αU(アルファユー)は、大手電気通信事業者のKDDIが2023年に開始したメタバース・Web3サービスです。

メタバース、ライブ配信、バーチャルショッピングなど、Web3時代のサービスを総合的に取り扱っているαUは、以下の5つのサービスによって構成されています。

αU metaverse

VR空間に再現された渋谷や大阪の街を舞台に、アーティストによる音楽ライブや、利用者同士が集まって会話を楽しめるメタバースサービスです。

αU live

自分の好みに合わせてインタラクティブに楽しめる、超高精細音楽ライブ体験サービスです。アーティストと会場をバーチャル空間に再現しており、ユーザーはカメラを動かして好きなアーティストの表情や動きを間近で体感することができます。

αU market

デジタルアート作品(NFT)などが購入できるマーケットプレイスです。他のマーケットプレイスとも互換性がある「Polygonブロックチェーン」に対応しており、αU walletを接続して利用することができます。

αU wallet

NFTや暗号資産の管理ができるウォレットです。auかんたん決済・クレジットカードでのNFT購入も可能です。

αU place

実店舗を再現したバーチャル店舗で、最新の展示をみてショッピングができるサービスです。

参考:αU

5.モスバーガー「モスバーガー ON THE MOON」

2022年9月、モスバーガーを展開する株式会社モスフードサービスは、新商品「月見フォカッチャ」の発売に合わせて、仮想店舗「モスバーガー ON THE MOON」をメタバース上の“月面空間”にオープンしました。バーチャル店舗はVRChat上に展開され、VRゴーグルを持っていれば24時間365日訪れることができます。

「モスバーガー ON THE MOON」は、実際のモスバーガーの店舗をメタバース上で忠実に再現しており、店舗の外にあるテラスでは地球を一望しながら食事を楽しむことができます。

メタバースの始め方

メタバースは、以下のステップで始めるのが一般的です。

  1. 必要なデバイスを用意する
  2. プラットフォームでアカウントを作成する
  3. メタバースで活動する

どのような内容なのか、順番に見ていきましょう。

①必要なデバイスを用意する

最初に、メタバースにアクセスするために必要なデバイスを用意します。代表的なものとしては、主に以下の3つが挙げられます。

  1. PC
  2. スマートフォン
  3. ゴーグル、ヘッドセットなどの機器

メタバースを利用するには、VRに対応したPCが必要になります。ただし、PCでもCPUやメモリなどの性能が低いと、画面がカクついたりグラフィックの表示が荒くなったりすることがあります。そのため、事前にメタバースの公式サイトなどで推奨スペックを確認し、使用しているPCが基準を満たしているかを確認するようにしましょう。

最近はスマホでプレイできるサービスも増えてきていますが、3Dグラフィックを動かすメタバースでは膨大な処理能力や計算能力が求められるため、現状ではデスクトップPCでプレイするのが一般的です。

また、ゴーグルやヘッドセットなどの機器に関しては、用意しなくても利用できるメタバースもあります。

②プラットフォームでアカウントを作成する

次に、プラットフォームでアカウントを作成します。

アカウント作成に必要なものはプラットフォームによって異なりますが、一般的にはメールアドレス、ニックネーム、パスワードなどを入力するだけで登録できるサービスが多いようです。

③メタバースで活動する

アカウントの作成が完了したら、実際にメタバースにアクセスすることができるようになります。

なお、プラットフォームの中には、仮想空間内で使用するアイテムやサービスの決済に暗号資産しか使用できないものも存在します。そのようなプラットフォームを利用する場合、Coincheckなどの国内の暗号資産取引所で口座開設をし、暗号資産を購入する必要があります。

メタバースの始め方に関する詳細は下記をご覧ください。

メタバースのやり方・始め方5ステップ!必要な機材とメタバースの作り方も解説

メタバースの今後・将来性

メタバースに限らず、どの分野でも利用者の増加が市場の成長に果たす役割は大きいものです。そういう意味では、メタバースの利用者数が今後どのように推移していくかが、メタバース市場そのものの未来を左右する要因になると考えることができます。

メタバースの利用経験

出典元:総務省(2024)「デジタルテクノロジーの高度化とその活用に関する調査研究」

上のグラフは、総務省が2024年に発表した「メタバースの利用経験」についての調査結果を表したものです。ほぼすべての国で20〜35%程度の利用経験がある中で、日本だけが6.1%しか経験者がいないことがわかります。このグラフを見る限り、日本はメタバース分野に関しては他の国々の後塵を拝する状況に置かれていると言えそうです。

その一方で、トップのアメリカでも38.7%の人しか利用経験がないことから、世界的に見てもメタバースはまだそれほど広く普及していないことがわかります。この結果は違う言い方をすれば、まだ市場が黎明期で、成長の初期段階にあると言うこともできるでしょう。

次に、市場規模の推移を見ていきましょう。下のグラフは、ドイツ・ハンブルクに本社を置く統計データ会社「Statista」が発表した「世界のメタバース市場規模の推移と予測」です。

世界のメタバース市場規模の推移と予測

出典元:Statista

Statistaでは、2024年時点で740億ドルほどのメタバース市場は、2030年には5,078億ドルに達すると予測しています。

現状では、ゲームなどの限られた分野で一部の人だけが利用しているというイメージが強いメタバースですが、今後eコマースやヘルス&フィットネス、ワークプレイスなどの分野でも利用する人が増加すれば、それに伴い市場規模も加速度的に拡大していくことが考えられます。

参考:総務省「令和6年版 情報通信白書|データ集」

まとめ

ここまで、メタバースの概要、活用分野、メリット・デメリット、活用事例、始め方などについて解説してきました。

これまでメタバースは、主にゲームなどのエンタメ分野で活用されていましたが、現在はワークプレイスやeコマース、ヘルス・フィットネスなどの分野でも実用化が進んできています。またそれに伴い、メタバース市場には日々新たな企業が参入してきており、市場規模も年々拡大し続けています。

今後さらに急速に普及していくことが予想されるメタバース。「どんなものなのか気になる」という方は、まずは自分の興味のあるジャンルで触れてみてはいかがでしょうか?

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