NFTマーケットプレイスとは?海外・日本別の特徴と4つの選び方

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nft マーケットプレイス

「これからNFTの取引に参加してみたいが、どこでどのように売買すれば良いか分からない」

ブロックチェーン暗号資産という言葉が一般にも浸透しつつある昨今、NFTの取引量も変動を繰り返しながら成長しています。という方も多いかもしれません。

そこで本記事では、NFTマーケットプレイスの概要とおすすめのNFTマーケットプレイスの紹介をおこないます。

NFTマーケットプレイスとは

NFTマーケットプレイスとは、NFTを売買するオンラインプラットフォームです。クリエイターは、自分で作成したイラストや音楽などのデジタル作品をNFTとして出品でき、購入者はオーナーとして売買に参加できます。NFTマーケットプレイスの発祥は海外で、海外のプラットフォームは規模が大きく知名度も高い一方で、最近では日本国内の企業も参入しています。各マーケットプレイスには、対応しているブロックチェーンや、出品できる条件など、それぞれ異なる特徴があります。

NFTマーケットは、2010年代後半から徐々に話題になり、2021〜2022年頃に急成長を遂げました。

日本でも、NTTドコモがNFT技術を使ったレースゲームを開発することを発表し話題を呼ぶなど、大手企業もNFT技術開発に注力しており、今後の発展が期待される分野です。

NFTについて詳しく知りたい方は下記をご覧ください。

NFTとは?特徴と注目される理由、今後の将来性をわかりやすく解説

NFTマーケットプレイスでできること

NFTマーケットプレイスの概要がわかったところで、次にNFTマーケットプレイスでできることを具体的に見ていきましょう。以下では「出品」「購入」「二次流通」に分けて説明していきます。

なお、これらの前提としてNFTマーケットプレイスでのアカウント準備が必要であることに注意しましょう。一般的な手順としては、下記のような手順になります。

  • 暗号資産取引所に口座を開設し、暗号資産(主にイーサリアム)を購入する
  • NFTマーケットプレイスにアカウント登録する
  • ウォレット」を制作しNFTマーケットプレイスと接続する
  • NFTマーケットプレイスで取引を行う

NFTの出品

NFTマーケットプレイスではNFTの出品ができます。クリエイターとしてイラストや音楽、映像、3Dデータなどを販売したい場合や、サービスの事業者として、サービスを利用できる権利やネーミングライツなどを販売したい場合が該当します。各NFTマーケットプレイスの手順に従って操作すると対象をNFT化でき、そのまま出品できるようになります。

NFTの購入

NFTマーケットプレイスではNFTの購入もできます。先述したNFTマーケットプレイスのアカウント作成とウォレットへの暗号資産準備を済ませていれば、購入方法にもよりますが、すぐに作品を購入できます。購入方法とは、出品者が出品時に設定するもので、各NFTマーケットプレイスによって種類が異なります。もっとも一般的なのは即時購入で、他にはオークション形式や、購入者が希望価格を提示するオファー方式などがあります。

NFTの二次流通

NFTの二次流通とは、絵画や美術品の世界で行われているのと同じように、コンテンツ作者からNFTを購入したユーザーが、そのNFTを再び売りに出すことです。NFTマーケットプレイスはNFTの二次流通マーケットとしても機能しています。

NFTの二次流通では、各NFTマーケットプレイスの機能によってロイヤリティを設定することができます。ロイヤリティとは、二次流通でコンテンツが売れた場合に、そのコンテンツの作者に一定の手数料が支払われる仕組みです。

たとえば、購入額に対して5%、といった形で設定されます。ロイヤリティがない場合、コンテンツの作者は最初の販売時にしか利益がありませんが、ロイヤリティがあれば転売のたびに利益を生みだし、クリエイターにメリットのある機能といえます。一方、作品の売却で利益を得たいオーナーにとっては手数料が増えることを意味するため、ロイヤリティをあえて設定しない仕様にしているNFTマーケットプレイスもあります。

NFTの作り方と自分でNFT発行ができる3つのサービスを解説

日本のNFTマーケットプレイスと海外のNFTマーケットプレイスの特徴

NFTマーケットプレイスは、国内企業が展開するものと海外企業が手がけるものがあり、異なる利点を持ちます。それぞれの特徴について見ていきましょう。

日本のNFTマーケットプレイス

日本のNFTマーケットプレイスの最大の特徴は日本語で利用できることです。NFTマーケットは英語が標準言語のサービスが多く、ブロックチェーンやNFT関連の事柄は説明に出てくる言葉自体が難しいことも多いため、日本語で利用できることは大きなメリットです。

日本語でのサポートも充実しています。NFT取引が初めてで不安のある方や、日本のアーティストの作品を中心に購入したい方は日本のNFTマーケットプレイスを選ぶとよいでしょう。

海外のNFTマーケットプレイス

海外のNFTマーケットプレイスの利点はユーザー数が多いことです。

購入者の立場でもクリエイターの立場でも、モチベーションは異なりますがマーケットの規模は大きいに越したことはありません。英語にある程度慣れている場合や、自分の作品を世界に向けて展開したい場合は、海外のNFTマーケットプレイスを選択するのがおすすめです。

NFTマーケットプレイスの選び方

NFTを売買したい場合、どのような観点でNFTマーケットプレイスを選択すればよいか迷うことがあるかもしれません。

以下では、NFTマーケットプレイスを選ぶ際のポイントをいくつか紹介します。

選び方1.取引の活性度

マーケットプレイスの価値は、そのプラットフォームでの取引がどれだけ活発に行われているかにかかっています。ユーザー数が多く、日常的に取引が行われているプラットフォームを選ぶことが重要です。活発な取引環境があることで、売り手・買い手双方にとって望ましい取引機会が生まれやすくなります。また、取扱作品の種類が豊富であることも、良好な取引環境の指標となります。

選び方2.対応暗号資産

各マーケットプレイスで利用できる暗号資産は異なります。世界的には、イーサリアムが最も普及していますが、取引手数料が比較的安価なPolygonやSolanaも人気があります。日本のマーケットプレイスでは、独自のブロックチェーンや法定通貨での取引に対応しているケースもあります。すでに保有している暗号資産があれば、それに対応したプラットフォームを選ぶことで、円滑に取引を開始できます。

選び方3.使いやすさとサポート体制

特に初心者の方は、使いやすさを重視することをお勧めします。日本語対応の有無、カスタマーサポートの充実度、インターフェースの使いやすさなどが重要な判断基準となります。日本国内のプラットフォームであれば、日本語でのサポートが充実している場合が多く、初心者でも安心して利用できます。

選び方4.セキュリティ対策

NFT取引におけるセキュリティは最も重要な要素の一つです。スマートコントラクトの安全性、不正アクセス対策、詐欺防止施策などを確認することが大切です。例えば、OpenSeaのような大手プラットフォームでは、公式認証制度を設けることで信頼性の高い取引環境を提供しています。プラットフォーム運営企業の信頼性も重要な判断材料となります。

このように、マーケットプレイスを選ぶ際は、複数のプラットフォームを比較検討することをお勧めします。また、最初は小規模な取引から始めて様子を見ることも賢明です。コミュニティの評判や実際のユーザーの声を参考にしつつ、セキュリティ対策の内容を必ず確認しましょう。

NFTマーケットプレイスの選択は、安全で効率的な取引を行うための重要な基盤となります。これらのポイントを総合的に考慮しながら、自分のニーズに合ったプラットフォームを選択することで、より充実したNFT取引体験を得ることができるでしょう。

ブロックチェーンのセキュリティ対策と3つのリスクを解説

おすすめのNFTマーケットプレイス5選

おすすめのNFTマーケットプレイスについて具体的に紹介していきます。それぞれ特徴が異なるため、目的や重視したいポイントに基づいてNFTマーケットプレイスを決める参考にしてみてください。

HEXA(ヘキサ)

HEXA(ヘキサ)は、メディアエクイティ株式会社が運営する日本のNFTマーケットプレイスです。HEXAの最大の特徴は、日本語で利用でき、購入する際に日本円が使えることです。このため、暗号資産取引時の手数料が不要になります。暗号資産に不慣れな人にとっては心理的ハードルが低くなり、気軽に参加できるようになるというメリットもあります。なお、暗号資産での購入も可能です。

機能面の特徴は、「袋とじNFT」というNFT所有者だけが中身をみられるNFTを発行できることや、景品などのプロモーション利用を想定したNFT無償配布機能などが挙げられます。

出品者として、地方自治体が多いのも特筆すべきポイントです。地方創生を目的として、デジタル住民票や命名権などが販売されており、プラットフォームとしての実績や信頼は十分といえるでしょう。

HEXA(ヘキサ)の詳細はこちら

NFT INFINITY

NFT INFINITYでは、企業向けNFTマーケットプレイス構築を行うことができます。

株式会社OCT-PATHが運営しており、Sake World NFTや、株式会社美利善、某大手小売事業者、某ゲーム会社での導入実績があります。

企業のニーズに合わせてマーケットプレイスを設計することができるため、自社保有のIPコンテンツや、特定の業界やカテゴリでのNFT販売に向いています。

NFT INFINITYの詳細はこちら

Coincheck NFT

Coincheck NFTは、暗号資産取引サービス「Coincheck」を運営するコインチェック株式会社が運営するNFTマーケットプレイスです。Coincheck NFTの特徴は、Coincheckと連動していることです。

他の国内NFTマーケットプレイスではイーサリアムしか使えない場合も多いのですが、Coincheck NFTではCoincheckで取扱のある10種類以上の暗号資産で売買することが可能です。また、CoincheckのNFT専用のウォレットが使えるため、別途ウォレットの開設をする必要がありません。さらに秘密鍵の管理を利用者自身でする必要もないため、安全に、そして簡単にNFT取引をすることができるとうたっています。

Coincheck NFTでは、購入時にブロックチェーン上ではないデータベース(オフチェーン)で取引を実行するため、ブロックチェーン利用時の手数料がかからないことも魅力です。

【海外】OpenSea

OpenSeaは、アメリカで設立された最大手のNFTマーケットプレイスです。NFT売買が最初のブームを迎えた際、主要なNFTマーケットプレイスとして認知度が高まりました。

その後、ほかのNFTマーケットプレイスが台頭してきたのに対抗するように、OpenSea Proなどの新サービスを次々と発表し、今でも発展を続けています。最大の特徴は作品数の多さで、8,000万点以上のNFTが販売されているといわれています。

また先ほども触れたように、公式認証済みコレクションに「チェックマーク」がついているなど、ユーザーが安心して利用できる仕組みやUIが整えられています。海外のNFTマーケットプレイスには珍しく、日本語対応しているのもポイントです。

OpenSeaの出品方法とは?始め方・使い方やガス代について解説

業界特化型のNFTマーケットプレイス事例紹介

ここまでは、イラストなどを中心としたメジャーなNFTマーケットプレイスについて紹介してきました。一方で、業界特化型のニッチなNFTマーケットプレイスを展開している事例もあります。ターゲットを絞っているため、特定のコミュニティの人に深くマッチするサービスが提供されています。

Sake World NFT

Sake World NFTは、「日本酒を資産に」というコンセプトで、日本酒をNFT化した世界初のマーケットプレイスです。Sake World NFTでNFTを購入すると、日本酒と引き換える権利が得られます。

ほかには、仕込み前の日本酒の予約や、日本酒熟成後の受け取りなど、従来にない日本酒との関わり方を提供しています。。Sake World NFTが生まれた背景には、ロイヤリティが酒蔵に支払われることによって日本酒生産者を支援したいという想いがあります。取引が活発化することは、投資家だけでなく日本酒業界全体にとってもプラスとなります。

NFTの技術を活用することで、参加者全員がメリットを享受できる新しいビジネスモデルを確立しようとする好例といえるでしょう。

購入方法は、暗号資産のPolygon(MATIC)のほか、二次流通を除きクレジットカード決済も可能です。日本酒好きで、Sake World NFTに手軽に参加してみたい方も、暗号資産を準備することなく購入してみることができます。

Sake World NFTの詳細はこちら

そのほか、NFTのビジネス活用事例については『【2025年最新版】NFTのビジネス活用事例11選』をご覧ください。

【2025年最新版】NFTのビジネス活用事例11選

NFTマーケットプレイスを利用する際の注意点

NFTマーケットプレイスについて紹介してきましたが、比較的新しい売買マーケットであるからこそ、利用する際に注意するべきポイントもあります。トラブルに巻き込まれないためにも、注意点を事前に把握しておくことは重要です。

NFTを誤送信すると取り戻せない

NFTは誤送信すると取り戻せません。主な誤送信パターンは下記です。

  • ウォレットアドレスの入力ミス
  • ウォレットアドレスではなく、NFTのスマートコントラクトアドレスに直接送信してしまう
  • イーサリアムのNFTをPolygonのアドレスに直接送信するなど、異なるブロックチェーンネットワークのアドレスに送信してしまう
  • 受け取り側のウォレットがNFTに対応していない場合など、NFT非対応ブロックチェーンへ送信してしまう

NFT取引は「スマートコントラクト」というブロックチェーン上にプログラムされたルールに基づいて実行され、一度成立するとキャンセルはできないため、各種操作は慎重におこないましょう。

取引には手数料が必要

取引には手数料が必要なことがほとんどです。イーサリアムなどのブロックチェーン上では、仕組み上、取引を記録するために手数料が必要であるためです。この手数料は一定ではなく、取引の混雑具合などの複合的な要因で変動します。特にイーサリアムでは、参加者が多くなったことによって手数料が高くなってきていることが課題といわれています。

なお、コスト高の課題を解決するためにL2トークンの売買対応をしているプラットフォームが増えてきています。

一方、オフチェーン(ブロックチェーン外)で取引が実行される仕組みを採用しているNFTマーケットプレイスでは、一部の手数料が不要な点がメリットとされています。

オンチェーンとは?オフチェーン・サイドチェーンとの違いと技術解説

偽サイトやフィッシング対策が必要

一般的なオンライン上の詐欺と同じく、偽サイトやフィッシング詐欺には十分に注意しましょう。実在するNFTマーケットプレイスに見た目がそっくりな詐欺サイトも発見されています。

こちらでウォレットを接続したり、パスワードを入力してしまうことによって、所有する暗号資産が盗まれる危険性があります。身元が不明なページのリンクや、知らないアドレスからメールで送られてきたリンクは絶対に踏まないなどの注意が必要です。

NFTゲーム(ブロックチェーンゲーム)の危険性は?注意点やリスクを解説

まとめ

この記事は、主にNFTマーケットプレイスでの売買をこれから始めたい方に対して、NFTマーケットプレイスでできることや、おすすめのNFTマーケットプレイスについて解説しました。日本語を使った取引がしたい、暗号資産を持たずにクレジットカード決済がしたい、業界特化型のNFTマーケットプレイスを利用したい、など、ニーズは人それぞれ異なります。

フィッシング詐欺やハッキングには十分に注意しながら、自分のニーズにあったNFTマーケットプレイスを選択し、充実したNFT取引を実現させましょう。

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