今週も暗号資産アナリストの松嶋がビットコイン相場の動向を分析します。
- 今週のビットコインは米国で追加利下げの期待が高まる中でも上値の重い展開となった。
- 来週のビットコインは米雇用統計次第では買いが強まると予想する。直近の価格レンジとして、上値はBTC=1,011万円(70,000ドル)、下値はBTC=867万円(60,000ドル)を意識する。
今週の相場動向
相場回顧 BTC(ビットコイン):米国で追加利下げの期待が高まるも上値の重い展開
ビットコインは米国で追加利下げの期待が高まる中でも上値の重い展開となった。
米国では9月FOMCの内容を受けてソフトランディング期待が高まり、リスク資産の買いが強まった。その中で、ハリス氏が初めて公の場でデジタル資産について言及したことが話題になり、ビットコインは一時的にBTC=932万円(64,500ドル)付近まで上昇した。
その後、米国の連銀総裁らが追加利下げの可能性に言及し、米国株が史上最高値を更新する中で、ビットコインも堅調に推移した。25日には経済協力開発機構(OECD)が世界経済はインフレの危機を脱し安定成長に向かっているとの報告書を発表し、再びBTC=932万円(64,500ドル)付近まで価格を伸ばした。
しかし、米9月消費者信頼感指数が予想外に悪化したことで景気の先行き懸念が再燃し、上値を抑えられる展開となった。また、イスラエルによるレバノンへの攻撃が続いており、地政学リスクが高まったことも売りを強めた。
今週のトピックス
金融市場
- イスラエル軍、レバノンのヒズボラ拠点さらに攻撃-死者500人超える
- 複数の米地区連銀総裁、大幅な追加利下げの可能性排除せず
- 米経済、ソフトランディングの軌道にある-IMF専務理事
- 中国人民銀、広範な景気刺激策発表-不動産・株式市場をてこ入れへ
- 米消費者の信頼感、3年ぶり大幅悪化-労働市場と経済先行き懸念
- 世界経済、インフレ危機を脱し安定成長へ-OECD
暗号資産市場
- 米マイクロストラテジー、660億円相当のビットコインを買い増し
- 米大統領選ハリス氏勝利で「ビットコインに限り」強気か=レポート
- ソラナ「ファイアダンサー」、初期版がメインネットにローンチ|Breakpoint 2024
- 「デジタル資産などの革新的技術を奨励する」ハリス副大統領が仮想通貨に初言及
- 金融庁が資金決済法改正に向けた議論へ、ゲーム内仮想通貨などの取り扱いを巡り前進=日本経済新聞
- 米決済大手Visa、銀行の法定通貨担保トークン発行プラットフォームを構築 イーサリアムで
- ペイパル、法人アカウントで仮想通貨の売買と送金を可能に 米国で
- ウォール街金融大手グッゲンハイム、イーサリアムで約30億円の商業手形をトークン化
- 米ロビンフッド、独自のステーブルコイン検討か
来週の相場予想
BTC(ビットコイン)は米雇用統計次第では買いが強まると予想
9月FOMCでパウエルFRB議長が労働市場の安定維持を課題に掲げたことを受け、4日に発表される米雇用統計の結果に注目が集まる。堅調な結果となれば、利下げ期待と相まって、株式やビットコインなどリスク資産への買いが強まると予想する。一方で、米雇用統計が悪化した場合は、米国経済のソフトランディング期待が後退し、短期的に売り圧力が強まる可能性がある。ただし、大幅利下げの影響が出始めるのは10月以降のデータになるため、市場は総悲観に陥ることはなく、下げ幅は限定的となるだろう。
不確定な要素として、イスラエルとレバノン、イラン間の対立には注意が必要である。米国や日本、フランスなどが即時停戦を求める共同声明を発表したが、これを無視してイスラエルが攻撃を続けた場合、リスクオフの売りが短期的に強まることが考えられる。しかし、地政学リスクが高まる状況では、金が史上最高値を更新する中、ビットコインがデジタルゴールドとして買われる動きも出てくるだろう。
米国大統領選挙も投票まで残り1ヶ月。トランプ氏とハリス氏が暗号資産に言及することがあれば、ビットコイン相場がポジティブに反応することもあるだろう。
直近の価格レンジとして、上値はBTC=1,011万円(70,000ドル)、下値はBTC=867万円(60,000ドル)を意識する。
来週のトピックス:暗号資産市場に影響しうる指標をピックアップ
経済イベント・指標
- 日本、7-9月日銀短観(10/1)
- ユーロ圏、9月消費者物価指数<速報値>(10/1)
- 米国、9月ISM製造業景況指数(10/1)
- 米国、9月ISM非製造業景況指数(10/3)
- 米国、9月雇用統計(10/4)
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