今週も暗号資産アナリストの松嶋がビットコイン相場の動向を分析します。
- 今週のビットコインは米国の利下げ期待で堅調に推移した。
- 来週のビットコインは、米FOMC通過後、ソフトランディング期待で買い優勢の展開を予想。直近の価格レンジとして、上値はBTC=926万円(65,000ドル)、下値はBTC=826万円(58,000ドル)を意識する。
今週の相場動向
相場回顧 BTC(ビットコイン):米国の利下げ期待で堅調推移
ビットコインは米国の利下げ期待で堅調に推移した。
米国ではFOMCを控え、主要メディアが0.5ポイントの利下げの可能性について報じた。この報道を受け、市場では大幅利下げ観測が高まり、ビットコインはBTC=855万円(60,000ドル)まで上昇した。また、マイクロストラテジー【MSTR】がビットコインの追加購入を発表したことも、相場を支える材料となった。
その後、トランプ氏が2回目の暗殺未遂事件に遭遇したとの報道が流れ、リスクオフの動きが強まった。これを受けてハイテク株が下落する中、ビットコインもBTC=826万円(58,000ドル)まで値を下げた。しかし、トランプ氏の息子が主導する分散型金融プロジェクトのイベントに同氏が無事に登場したことで、安心感が広がり、ビットコインは次第に買い戻される展開となった。
17日には、米国の8月小売売上高が市場予想を上回る結果となり、これを受けてS&P500が取引時間中に史上最高値を更新した。その流れでビットコインもBTC=869万円(61,000ドル)まで急伸した。中東情勢の不安定な状況が継続する中、ヒズボラのポケベル爆発騒動が新たなリスク材料となり、一時的に下落する場面も見られた。
しかし、事前報道の通りFOMCで0.5ポイントの大幅利下げが発表されると、ビットコインは再び急上昇し、BTC=897万円(63,000ドル)を記録する展開となった。
今週のトピックス
金融市場
- トランプ氏暗殺の試みか、ゴルフ場から逃走の男拘束-前大統領は無事
- 米小売売上高、8月は予想外に増加-オンライン購入が支える
- ヒズボラのポケベル爆発で9人死亡、2750人負傷-イスラエル関与か
- FOMC、0.5ポイントの利下げ-積極緩和で経済守る決意表明
- ボウマンFRB理事が反対票、25bp利下げ主張-理事の反対19年ぶり
暗号資産市場
- 米マイクロストラテジー、18300BTCのビットコインを追加購入
- FTX前CEOバンクマン・フリード氏、25年懲役判決に控訴 再審求める
- イーサリアム次期アップグレード「Pectra」、2段階の実施案が浮上
- テザーなどステーブルコイン発行企業4社、北朝鮮ハッカー集団保有の7億円相当を凍結
- トランプ氏、息子らの暗号資産プロジェクトの発表イベントに登場
- 米国初、ルイジアナ州政府 ビットコインライトニングに対応
- シンガポール最大銀DBS、仮想通貨オプション提供へ
来週の相場予想
米FOMC通過後、BTC(ビットコイン)はソフトランディング期待で買い優勢の展開を予想
米FOMCでパウエルFRB議長は、0.5ポイントの大幅利下げを決定すると同時に、米国経済が依然として堅調であるというメッセージを市場に発信した。このような発言を受け、ソフトランディングへの期待が高まり、リスク資産への買いが短期的に強まる可能性がある。ただし、年内の利下げ幅については当局者の間で見解が分かれており、今後も経済指標次第で市場の動向が左右される展開が続くだろう。
9月の主要イベントを通過したことで、ビットコイン現物ETFへの資金流入が徐々に回復している。この傾向が続けば、ビットコインのさらなる価格上昇が見込まれる。また、米ナスダックに続き、シンガポールのDBS銀行が暗号資産オプション取引を提供する計画を発表し、機関投資家やプロ投資家が暗号資産に投資しやすい環境が整備されつつある。これにより、10月にかけて新規資金の流入が加速する可能性がある。
直近の価格レンジとして、上値はBTC=926万円(65,000ドル)、下値はBTC=826万円(58,000ドル)を意識する。
来週のトピックス:暗号資産市場に影響しうる指標をピックアップ
経済イベント・指標
- 日本、日銀金融政策決定会合議事要旨(9/26)
- 米国、4-6月期四半期実質GDP<確定値>(9/26)
- 米国、8月個人消費支出(9/27)
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