#105:LINEとKakaoが携わるレイヤー1ブロックチェーン「Kaia」、メインネットがローンチ

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注目トピックス解説

LINEとKakaoが携わるレイヤー1ブロックチェーン「Kaia」、メインネットがローンチ

コメント:宮本

Kaia Foundationは8月29日、レイヤー1ブロックチェーンである「Kaia」のメインネットをローンチすることを発表しました。Kaiaは「Klaytn」と「Finschia」という2つの既存ブロックチェーンが統合されたもので、それぞれメッセンジャーアプリ大手であるKakaoとLINEが開発に携わっています。

Klaytnは韓国のメッセンジャーアプリ大手であるKakaoの子会社Krust Universeが2019年に開発したレイヤー1ブロックチェーンとなっています。

また、FinschiaはLINEが独自開発した「LINE Blockchain」を前身としたレイヤー1ブロックチェーンで、2022年にリリースされたものです。

Kaiaの特徴として、EVM互換性だけでなくCosmWasmへの互換性もあること、トランザクション処理能力が比較的高いこと、メッセージングアプリとの統合が容易であることなどが挙げられます。

CosmWasmはCosmos SDKベースのブロックチェーンにおいてスマートコントラクトを実装するためのライブラリで、Rustというプログラミング言語が使用されています。一方でEVMはEthereumのスマートコントラクト実行環境となっており、Solidityというプログラミング言語が使用されています。EVMとCosmWasm両方への互換性があることで、RustとSolidityそれぞれの開発ツールを使えたり、RustとSolidity両方の開発者が参入しやすくなるといったメリットがあります。

また、トランザクションについては公式ドキュメントにて4,000TPS(Transaction Per Second:1秒間あたりトランザクション処理数)であることが示されており、EVM互換性のあるレイヤー1の中で最も高速であると説明されています。

さらに特徴の中で最も興味深いのは、LINEとKakaoTalkへの統合のサポートがあるということです。特にLINEについては、LINE Mini Dapp SDKという開発ツールを2024年4Qに提供予定であるということを公表しています。LINE Mini Dapp SDKではLINE内で遊べるブロックチェーンゲームや、LINE内からアクセスできるウォレットなどがユースケースとして挙げられています。

メッセージングアプリ系のブロックチェーンとしては、Telegram系のブロックチェーン「TON」が2024年3月から盛り上がりを見せています。TONブロックチェーンのTVL(Total Value Locked:合計預かり資産)は2024年3月以降急激に増加し、2024年7月には過去最高額である7億7,660万ドルを記録しました。

TVLが急激に増加した要因は、Telegram上でプレイすることができるNotcoinやHamster Kombatなどといった「Tap-to-Earn」ゲームがブームとなったことにあります。

現在のTVLは約3億5,000万ドルとなっており落ち着きを見せていますが、年初の1,351万ドルと比較すると大幅な増加となっています。TONブロックチェーンについてはMCB Web3ニュースレター #97にて詳しく解説していますので、ぜひそちらもご覧ください。

今回発表されたKaiaについても、TONと同じようにメッセージングアプリ上でブロックチェーンゲームをプレイできたり、メッセージングアプリ上でウォレットを作成したりすることができるようになる予定となっています。TONのように盛り上がりを見せる可能性があり、Kaiaの今後の動向に注目したいところです。

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エルサルバドルのビットコイン在庫、毎日の継続購入で5800BTC超に~現在のエルサルバドルでのビッドコインの普及度合いは?~

コメント:青木

2024年8月、エルサルバドル政府が保有するビットコインの量は5,800BTCに達しました。同国は金融戦略の一環として「1日1BTC」を購入する政策を採用しており、国家主導のマイニング事業などを含む様々な取り組みを通じて、9月2日時点で約5,861BTCを保有しています。

オンチェーン分析会社であるEmberCNによると、エルサルバドル政府が管轄するとされているウォレットのビットコイン取得平均価格は約44,835ドルで、現在の資産価値は約540億円に相当するとされています。これは約43%の値上がりを示しており、短期的にはエルサルバドルのビットコイン購入戦略が効果的であることがうかがえます。

このように、エルサルバドルは国を挙げて継続的なビットコインの購入を行っています。一方で、エルサルバドル国内におけるビットコインの浸透度はどうでしょうか?
エルサルバドルのナジブ・ブケレ大統領は、同国をビットコインのハブにするという自身の計画が「全体的にはプラス」の成果をもたらしているとしつつも、普及度は期待を下回っているとTIME誌のインタビューで語りました。

また、「多くのエルサルバドル人や国内の大企業が使用しており、マクドナルドやスーパーマーケット、ホテルなどでビットコインで支払うことができるが、期待していたほど普及していない」と言及したとする報道もあります。

2023年12月にホセ・シメオン・カーニャス中米大学が実施した調査に関する報道では、エルサルバドル国民の12%が調査の前年に少なくとも1回はビットコインを使って商品やサービスを支払ったことがあると答えているものの、そのうち49.7%は1~3回の利用にとどまっているとされています。少なくとも1回はビットコインを使用した人の割合は2022年の24%から低下しており、ビットコインの普及度が徐々に下がっていることを示唆しています。

このように金融政策的な観点から見ると効果的に見えるものの、国民の普及率については低下しています。ビットコインの導入に対して、エルサルバドル政府が今後どのような対策を講じるのか、その動向に注目が集まっています。

 

注目の資金調達(8/26~9/1

※本まとめはGPT3.5によって自動生成されており、その内容の正確性を保証するものではありません。事例の概要を網羅的に把握するのにお役立てください。

Chainbound
日付: 08月27日
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投資家: cyber Fundなど
カテゴリー: Infrastructure
プロジェクト概要: Chainboundは、ブロックチェーン技術のための最適化されたインフラとネットワークツールを開発する組織です。初製品Boltは、Ethereumネットワークの取引効率を向上させます。

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担当:松嶋

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