#96:Lidoがリステーキングサービスを提供開始、EigenLayerへの対抗策になるか

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注目トピックス解説

Lidoがリステーキングサービスを提供開始、EigenLayerへの対抗策になるか

コメント:宮本

リキッドステーキングを提供するLidoは6月11日、SymbioticとMellow Financeと提携して、リステーキングサービスを新たに提供することを発表しました。

リステーキングは、ユーザーがステーキングに使用しているETHやLST、LPなどの資産を別のプロトコルに再度ステーキングすることができるサービスのことです。ユーザーは通常のステーキング報酬に加えて別プロトコルからのステーキング報酬も獲得することができるため、より高い利回りを期待することができます。

一方で、Ethereumからだけでなく別プロトコルからもSlash(ペナルティによる資産没収)を受ける可能性があるため、通常のステーキングよりもリスクが高くなっています。リステーキングの詳細については過去に配信した Web3ニュースレター#80に記載されていますので、ぜひそちらもご覧ください。

リステーキングを提供するサービスとしては、EigenLayerが代表的なものとなっています。 EigenLayerのTVL(Total Value Locked:合計預かり資産)は2024年6月現在で約183億ドルとなっており、 DeFi全体で見てもLidoに次ぐ第2位のTVLになっています。以下のグラフはDefiLlamaから引用したもので、EigenLayerの2024年におけるTVL推移を示したものです。グラフからは、2月以降急速にTVLが増加していることがわかります。

ここで、LidoのTVL推移についても見てみましょう。以下のグラフは先ほどと同じくDefiLlamaから引用したもので、Lidoの2024年におけるTVL推移を示したものです。グラフからは、3月に入りTVLが減少していることが読み取れます。​​​​​​​

LidoのTVLが減少傾向にある要因のひとつとして、EigenLayerなどのリステーキングサービスの台頭が挙げられます。先述したように、EigenLayerなどのリステーキングはLidoを用いたステーキングよりも高い利回りでETHを運用することができます。このため、LidoからEigenLayerへ資金を移行するユーザーが一定数存在したと推測することができます。

今回Lidoがリステーキングサービスを開始したのは、このようなEigenLayerへのTVL流出を阻止したいという背景があったと考えられます。提携先のうちSymbioticはParadiamとcyber.Fundから シードラウンドにて580万ドルを資金調達しています。cyber.FundはLidoの共同創設者であるKonstantin Lomashuk氏とVasiliy Shapovalov氏が率いるVCとなっており、 5月15日にSymbioticへの資金調達を行ったという報道が流れてからは、Lidoがリステーキングサービスに参入する可能性が予見されていました。

LidoがEigenLayerやRenzoなどの競合リステーキングサービスからTVLを奪還することができるのか、今後の展開にも注目したいところです。

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SolanaブロックチェーンがCircleのWeb3サービスに対応

コメント:勝山

Circleは6月12日、同社のWeb3サービスをSolanaブロックチェーンに統合することを発表しました。この統合は、Circleのサービスを高性能でスケーラブルなSolanaに拡張する重要なステップとなり、二段階で行われます。

第一段階では、プログラマブルウォレットに焦点を当てます。このウォレットは、事前に定義されたルールに基づいて資産管理および取引を効率化することができます。Solanaエコシステムの開発者は、ウォレットAPI/SDKを活用し、特定の条件が満たされた場合に自動的に取引を実行する機能などをアプリケーションやビジネスに簡単に組み込むことができます。

さらに「ガスステーション」というガス代(手数料)の立替機能も導入されます。これにより、開発者や企業はユーザーの取引コストを負担することができ、アプリケーションの操作性が向上し、ユーザー体験が向上します。

第二段階では、NFTのサポートとスマートコントラクトの相互運用性を拡張します。これにより、開発者はSolanaのスピードと効率性を活用し、インタラクティブなアプリケーションを作成することが可能になります。

これらの段階的な統合により、SolanaはCircleのWeb3サービスに対応している他のブロックチェーン(イーサリアム、ポリゴン、アバランチなど)と一貫性を持って利用できるようになります。また、Circleのプログラム可能なウォレットや支払いソリューションが提供されることで、より安全で効率的かつユーザーフレンドリーな取引が実現し、Solanaエコシステム内でのユーザー採用と定着率が向上すると考えられます。

Circleの他にも、Solana上でのウォレットのプログラマビリティに焦点を当てる企業があります。例えば、Fuse Walletは、シードフレーズへの依存、資産回復の選択肢の制限、オンチェーン相互作用のルールやパラメータのカスタマイズの制約を解決することを目指しています。このような取り組みにより、Solanaエコシステム全体の利便性とセキュリティが向上すると考えられます。

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注目の資金調達(6/10~6/16

※本まとめはGPT3.5によって自動生成されており、その内容の正確性を保証するものではありません。事例の概要を網羅的に把握するのにお役立てください。

Bitball
日付: 06月10日
調達額: $2.00M
ラウンド: Strategic
投資家: Bitfun Capitalなど
カテゴリー: Web3
プロジェクト概要: BitBallは、GameFiとSocialFiを組み合わせた革命的なプラットフォームで、スポーツの世界をWeb3技術でつなぎます。スポーツスター、クラブ、機関、ファン向けのデジタル空間を作成し、すべての関係者間の相互作用を向上させるユニークで没入型の体験を提供します。BitBallを通じて、ユーザーはさまざまなゲーム、スポーツ、エンターテイメント要素にアクセスでき、スポーツ業界に新たな次元をもたらします。このプラットフォームは、ブロックチェーン技術と分散型ファイナンスを活用して、スポーツの体験と楽しみ方を革新することを目指しています。BitBallを使えば、ユーザーはスポーツとテクノロジーをシームレスに統合し、お気に入りのスポーツパーソナリティやチームと革新的な方法で交流できる活気あるコミュニティを期待できます。

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担当:松嶋

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