#80:リステーキングがもたらす巨大な恩恵と深刻なリスク

今週もマネックスクリプトバンクから、Web3.0界隈の動きをお伝えします。

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注目トピックス解説

Magic Edenがマルチチェーン対応ウォレットを提供開始

コメント:宮本

NFTマーケットプレイスを展開するMagic Edenは1月29日、マルチチェーン対応ウォレット「Magic Eden Wallet」の提供を開始しました。Magic Eden Walletは現在、Chromiumをベースとしたブラウザ(Google Chrome、Microsoft Edge、Braveなど)を対象とした拡張機能として提供されています。
Magic Edenは Solanaにおいて最も大きなシェアを持ったNFTマーケットプレイスとして知られています。Solanaだけでなく、Polygon上のNFTや、Bitcoin上のOrdinalsを利用したNFTを取り扱っているのも特徴的です。Ethereum上のNFTについては現在は取り扱っていませんが、2023年11月に人気NFTコレクションBored Ape Yacht Club(BAYC)」の開発元である Yuga Labsと提携を結んでおり、Ethereumについても新たにNFTマーケットプレイスを立ち上げる計画があることが明らかになっています。
今回提供が開始されたMagic Eden Walletは、Bitcoin、Ethereum、Solana、Polygonの4つの主要チェーンに対応したマルチチェーンウォレットであることが最大の特徴となっています。これら4つの主要チェーンに対応した個人ユーザー向けのブラウザ拡張機能ウォレットは、確認できた中ではOKX Walletのみとなっており、非常に競合が少ない状況です。
また、前述したNFTマーケットプレイスであるMagic Edenとの統合が行われているのも特徴のひとつです。ウォレット内に4つのチェーンにおいて所持しているNFTが表示され、現在の最低落札価格を確認したり、出品したりすることが可能であると説明されています。
Magic Eden Walletの最大の競合は前述したOKX Walletです。OKXは中国発の暗号資産取引所(現在の拠点はセーシェル共和国)ですが、取引所だけでなくNFTマーケットプレイスも運営しています。中でも Bitcoin上のOrdinalsを利用したNFTを取り扱うNFTマーケットプレイスでは最大のシェアを持っており、マルチチェーンウォレットだけでなくNFTマーケットプレイスにおいてもMagic Edenと競合関係にあります。
Magic Edenは新規ユーザーを呼び込む施策として、Magic Eden Walletを対象に2月中にNFTのエアドロップ(配布)を行うことや、NFTプロジェクトと提携して今後発売するNFTの購入権が当選する確率を高くすることなどを発表しています。
このようなマルチチェーンウォレット間における競合の他にも、EthereumにおけるMetaMaskや、SolanaにおけるPhantomなど、すでに単一のブロックチェーンにおいて多数のユーザーを獲得しているウォレットサービスとの競合も十分に考えられます。今後の展開に注目したいところです。

リステーキングがもたらす巨大な恩恵と深刻なリスク

コメント:中坪

昨年初頭にEigenLayerの登場で話題となったリステーキングですが、この仕組みが今年も新しいブロックチェーンプロジェクトの成長に寄与しそうです。しかし、いまいち仕組みがわかりづらく、流動性ステーキングとの違いも曖昧に理解されています。今回はリステーキングの何がすごいのかについて解説していきます。

リステーキングとは、これまでイーサリアムをはじめとするコンセンサスアルゴリズムPoSを利用するチェーンにおいて、バリデーターがステーキングしていたネイティブトークンを別のプロトコルにもステーキングするということです。これによりステーキングをする人は、メインチェーンとリステーキングプロトコルの二カ所からステーキング報酬を二重取りできます。バリデーターにとってはこれにより今まで休眠資産となっていたステーキングされているETHを追加で運用に回すことができ、資産効率が高まると言う非常に嬉しいニュースです。ではリステーキングは誰がその報酬を払っているのでしょうか?答えはイーサリアムのセキュリティを直接的に利用できないAVS(Actively Validated Service)です。具体的には非EVMのバーチャルマシンやオラクルネットワーク、データ可用レイヤーなどDappsにサービスを提供するミドルウェアのことを指します。これらはイーサリアムPoSとは別に独自のセキュリティシステムを構築する必要があり、これが初期投資を大きくしてしまうことがボトルネックとなっていました。しかし、リステーキングプロトコルの登場により、AVSは0からそのシステムを作らずとも、間接的にイーサリアムのバリデーターにアクセスすることでセキュリティを担保することが可能になりました。また、ネットワークの利用状況に応じて、セキュリティのスケールを柔軟に変更できることも大きなメリットとして挙げられます。 AVSからすれば好きな時にバリデーターを獲得できるバリデーター版タイミーのようなプラットフォームといってもいいでしょう。

しかし、リステーキングがはらむデメリットは決して小さいものではありません。イーサリアムPoSでは悪意のあるバリデータにペナルティを与える「スラッシング」という制度がありますが、これはリステーキングプロトコルでも同様です。イーサリアムとリステーキングプロトコルの両方でスラッシングされるリスクが発生します。また、メインチェーンのセキュリティにレバレッジをかけて転用しようと言う発想の仕組みであるために、リステーキングプロトコル上での清算失敗などで生じた損失によるバリデーターや投機筋の動向が、元のレイヤー1(例えばイーサリアム)に影響を及ぼしかねません。この点についてはイーサリアムの創業者のヴィタリク・ブテリン氏も X上で懸念を示しています。
DeFiの業界では階層構造のデリバティブが大量に生まれています。デリバティブ同士が依存関係にあるため、どこかで大きな問題が起きた際にはDeFi全体へその影響が簡単に波及してしまいます。リステーキングに関わるのであればそのリスクには十分注意しておく必要があります。

注目の資金調達(1/29~2/4

※本まとめはGPT3.5によって自動生成されており、その内容の正確性を保証するものではありません。事例の概要を網羅的に把握するのにお役立てください。

BBOX

日付: 01月30日
調達額: $2.70M
ラウンド: Pre-Seed
投資家: Hashedなど
カテゴリー: DeFi
プロジェクト概要: BBOXはパーペチュアル先物取引に特化した分散型取引所(DEX)です。小規模な市場価値を持つトークンでも、新しい市場を迅速に導入することができることが特徴です。BBOXはユーザーの取引体験を向上させ、流動性提供者に魅力的な収益機会を提供することを目指しています。このプラットフォームは、ダイナミックな自動市場メーカー(AMM)、マルチアセットシグナリング、最適な執行場所(OEV)キャプチャなどの革新的な機能によってこれを実現しています。これらの進歩を取り入れることで、BBOXはフロントランニングに対する無比の耐性を確保し、ユーザーの資本効率を最大化します。

NAVI Protocol

日付: 01月31日
調達額: $2.00M
ラウンド: Undisclosed
投資家: OKXなど
カテゴリー: DeFi
プロジェクト概要: NAVIはSuiプラットフォーム上に構築された革新的な流動性プロトコルであり、流動性提供や借入機会を求めるユーザーに包括的なソリューションを提供します。Sui上の先駆的なネイティブワンストップ流動性プロトコルであるNAVIは、個人がSuiエコシステムにシームレスに参加することを可能にします。 NAVIを使用することで、ユーザーは流動性プロバイダーとして積極的に参加し、プロトコルに資産を提供し、その見返りに報酬を得ることができます。流動性を提供することで、ユーザーはSuiエコシステム全体の流動性向上に重要な役割を果たし、活気ある効率的なマーケットを育成します。 さらに、NAVIはSuiエコシステム内での借入活動を容易にし、ユーザーが必要な流動性にアクセスできるようにします。個人やビジネス目的に関わらず、借り手はNAVIを活用して必要な資金を調達し、スムーズな運営と成長を実現します。 NAVIをSuiプラットフォームに統合することで、ユーザーは簡素化された使いやすい体験を享受し、より広いユーザー層に流動性提供や借入を利用する機会を提供します。

Ithaca Protocol

日付: 01月31日
調達額: $2.50M
ラウンド: Pre-Seed
投資家: Cumberlandなど
カテゴリー: DeFi
プロジェクト概要: アイサカプロトコルは、カストディアルサービスを必要とせず、コンポーザビリティを提供する革新的なオプションプロトコルです。数十億のオプション取引をブロックチェーン上に移行するための独自のリスク共有システムを導入することを目指しています。さらに、数兆の潜在的なオプションおよび構造化ペイオフ需要を表現するための効率的なプラットフォームを提供します。このプロトコルは、オプションのペイオフをモジュラーコンポーネントに分解するオークションベースのマッチングエンジンを利用し、原子的なリスクマッチングを通じて流動性の創出を容易にします。アイサカプロトコルは、このアプローチを活用することで、オプション市場をブロックチェーン上に革新し、リスク共有と流動性提供のためのシームレスで効率的なソリューションを提供することを目指しています。

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担当:松嶋

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