#83: 米暗号資産メディアがクリプトインデックス「GMCI30」の支援を発表

今週もマネックスクリプトバンクから、Web3.0界隈の動きをお伝えします。

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注目トピックス解説

米暗号資産メディアがクリプトインデックス「GMCI30」の支援を発表:クリプト市場のS&P500になれるか

コメント:中坪

米国の大手暗号資産メディアであるThe Blockは2024年2月12日、暗号資産流動性プロバイダーのWintermuteとともに、クリプトインデックスを提供するGMCIの支援を開始することを発表しました。これに合わせて、主要な暗号資産30銘柄を組み入れたインデックス「GMCI30」を新たにリリースしたことも発表しています。今回はこのGMCI30がどのようなインデックスなのか詳しくみていきたいと思います。

GMCI30は、暗号資産市場の主要な銘柄の値動きから市場全体の動きを表すことで、暗号資産の投資戦略およびポートフォリオのベンチマークとなることを目指して構築されたインデックスです。

まずは銘柄選定の基準を見てみましょう。基本的には時価総額の高い順番に30銘柄を選定しており、その上で除外規定を設けて該当する銘柄を排除する形をとっているようです。具体的には、米国の規制当局から明らかに未登録証券として指摘されているものやステーブルコイン、他のチェーンにネイティブトークンを送る際に用いられるラップドトークンなどが除外される銘柄として指定されています。これらの規定をクリアした上で、GMCIが指定する取引所やカストディアン、データプロバイダーにリスティングされていれば晴れて構成銘柄に選ばれます。

2024年2月29日現在、構成比率順と時価総額順が逆転しているのはETHとBTCのみとなっており、基本的には時価総額が高いほど組み入れ比率も上がるようです。実際に、構成銘柄の組み入れ比率の計算式をみても、時価総額が基本的にはウェイトを左右しており、当該インデックスを管理・監督するインデックス監督委員会が裁量的な判断をしない限りは逆転が起こることはなさそうです。

暗号資産ならではの組み入れ基準として、プロジェクトの活動状況が考慮されている点にも注目です。例えば、MediumやX、Discordでのプロジェクト運営側からの発信が過去6ヶ月間ない場合には組み入れ銘柄から除外するとされています。現状、どうしても中央集権的な機関がプロジェクトを進めていくことで発展を続けているトークンが多いため、このような基準はトークンの将来性を考慮する点は非常に優れたものであると言えるでしょう。一方で、時価総額がすでに高い銘柄においても、今後分散化がさらに進みプロジェクト運営側からの発信が少なくなる可能性もあります。この基準から外れるがマーケットでは高く評価され、流動性も高いものが増えていったときに、同基準を見直していくのかにはぜひ注目しておきたいところです。

最後にGMCI30のチャートを見てみましょう。添付の画像は2024年2月29日14時現在のGMCI30の値を示したものであり、前日比で +8.33%となっています。先週はビットコイン、イーサリアムともに価格が大きく上昇しており、これを受けてGMCI30も大きく上昇したことが伺えます。昨年の10月頃、暗号資産の冬の終わりが見えてきたと言われた時期から上昇を開始し、2月末には年初来高値をつけています。ビットコインETF承認騒動があった1月初めの変動幅をみても比較的小さく、市場全体を表すインデックスとしても一つの銘柄だけに影響されていないという点において評価できるでしょう。今後組み入れ比率や数値がどう変化していくのかウォッチしていきたいと思います。

香港がCBDCとしてe-CNY(デジタル人民元)の試験運用を拡大

コメント:宮本

香港の陳茂波(Paul Chan)財務長官は2月28日に発表した2024年度財政予算案にて、試験運用中のCBDCであるe-CNY(デジタル人民元)のテストを拡大することを発表しました。具体的には、FPS(Faster Payment System)と呼ばれるリアルタイム決済システムにおいて、e-CNY用のウォレットを一般ユーザーが作成できるようになります。

香港はe-CNYだけでなく、e-HKD(デジタル香港ドル)の試験運用も行っています。e-HKDの試験運用の第1段階については2023年10月に完了しており、預金のトークン化や定期支払い、オフライン支払いなどのユースケースについて研究したと発表しています。

また、香港は各国のCBDCを相互運用するプロジェクト「mBridge」にも参加しており、e-HKDを使用した企業同士の国際送金サービスを今年中に開始する予定であると説明しています。mBridgeは香港金融管理局(HKMA)とタイ銀行(BOT)が主導しているCBDCブリッジプロジェクトで、現在はこの2つの中央銀行に加えて中国人民銀行(PBC)とアラブ首長国連邦中央銀行(CBUAE)の合計4つの中央銀行が参加しています。

香港はCBDCの試験運用だけでなく、Web3関連領域における法整備についても急ピッチで進めています。2月20日には デジタル資産の分別管理を求める文書をHKMAが公開したり、2月21日には ステーブルコインおよびOTC取引のライセンスに関する法案の提出を予定しているという報道がありました。

こうした一連の動きから、規制を設けてこれに準拠しつつ、APACにおけるWeb3関連領域のハブとなることを目指すという香港の戦略が読み取れます。あくまで規制に準拠しながらWeb3を推進するという姿勢において、日本と香港は似ているといえるかもしれません。同じくAPACに位置していることからも、香港の動向にはぜひ注目しておきたいところです。

注目の資金調達(2/26~3/3

※本まとめはGPT3.5によって自動生成されており、その内容の正確性を保証するものではありません。事例の概要を網羅的に把握するのにお役立てください。

5ire

日付: 02月26日
調達額: —
ラウンド: Undisclosed
投資家: Gotbit Hedge Fundなど
カテゴリー: Infrastructure
プロジェクト概要: 5ireは、インドで急成長しているユニコーンであり、経済的および環境的持続可能性に重点を置いたレイヤー1のブロックチェーンエコシステムとして運営されています。プロジェクトは、5ireChainフレームワーク内で革新的なツールやスキームの創造を重視し、第4次産業革命から第5次産業革命への移行を促進しています。様々なビルディングブロックを活用することで、ステークホルダーや開発者、既存の機関、ユーザーが5ireChainの可能性を探求し、積極的にエコシステムと関わることが奨励されています。協力と創造性を通じて、5ireは多様な参加者がプラットフォームの進化と拡大に貢献できるダイナミックな環境を育成し、最終的にはブロックチェーン空間での持続可能な実践の採用を推進しています。

Fair Math
日付: 02月27日
調達額: $1.40M
ラウンド: Pre-Seed
投資家: gumi Cryptosなど
カテゴリー: Others
プロジェクト概要: フェアマスは、オープンソースとコミュニティ主導の戦略を採用して、現代社会のプライバシー問題に取り組む研究会社です。彼らの主な目標は、完全ホモモーフィック暗号技術に基づくプライバシー保護ソリューションを作成することです。この高度な暗号化方法を活用することで、フェアマスは、機密データを保護しながら安全な計算を可能にする革新的なツールを開発することを目指しています。彼らの協力的で透明性のあるアプローチを通じて、フェアマスは、個人や組織がますますデジタル化する世界でプライバシーを保護する力を与えることを目指しています。プライバシー保護技術の推進に対する彼らの取り組みは、すべてのデータのセキュリティと機密性を促進することへの彼らの献身を強調しています。
Silence Laboratories

日付: 02月29日
調達額: $4.10M
ラウンド: Undisclosed
投資家: Pi Venturesなど
カテゴリー: Web3
プロジェクト概要: Silence Laboratoriesは2019年にTony Quek、Andrei Bytes、Jay Prakashによって設立され、クライアントの高リスク資産運用のセキュリティを向上させるために、多者計算(MPC)と多要素認証(MFA)の最先端ソリューションを提供しています。同社の主力製品であるSilent AuthとSilent Shardは、安全なMFAとキー/アカウントアクセス管理機能を提供しています。シンガポール工科大学で育成されたSilence Laboratoriesは、APAC、ヨーロッパ、米国にまたがる14人のエンジニアとビジネス担当者からなる多様なチームを持っています。先進技術と専門知識を活用することで、Silence Laboratoriesは組織が安全かつ効率的に運用を行うことを可能にし、今日のデジタル環境で堅牢なセキュリティソリューションを求める企業にとって貴重なパートナーとなっています。

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担当:松嶋

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