#82:イーサリアム現物ETFに新展開、イーサリアムステーキングETFとは?

今週もマネックスクリプトバンクから、Web3.0界隈の動きをお伝えします。

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注目トピックス解説

イーサリアム現物ETFに新展開、イーサリアムステーキングETFとは?

コメント:宮本

ビットコインに次ぐ暗号資産の上場投資信託(ETF)候補として注目されているイーサリアム現物ETFについて、いくつかの銘柄で「イーサリアムステーキングETF」を示唆する内容に修正されるという動きがありました。

ARK Investment & 21Sharesは2月7日、 米国証券取引委員会(SEC)に提出したForm S-1(目論見書)の修正案において、運用資産の一部をステーキングする場合がある、という文面を追加しています。

またFranklin Templetonも2月12日、 SECに新規提出したForm S-1において、ARK Investment & 21Sharesと同じくステーキングに関する文面を記載しているなど、イーサリアムステーキングETFの機運が高まっています。

このトピックでは、イーサリアムステーキングETFとは何か、どのようなメリットやデメリットがあるのかについて解説したいと思います。

イーサリアムでは、「バリデータ」という主体がブロックチェーン上の取引履歴を検証するような役割を果たしています。また、バリデータに保有しているETHを預け入れることで、検証の対価としてETHを報酬として得ることができるという仕組みがイーサリアムには備わっています。このような仕組みを利用してETHを得ることを「ステーキング」と呼びます。

バリデータには誰でもなることができる一方で、最低でも32ETH(約1,400万円)が必要となるなど、金銭面でのハードルが高くなっています。このため、ステーキングプロバイダーに保有しているETHを預け入れて代わりにバリデータになってもらうことで、32ETHよりも少額からステーキングを行う方法が一般的になっています。

イーサリアムステーキングETFは、運用資産の一部をステーキングプロバイダーに預け入れてステーキングを行い、ステーキング報酬を収入として反映させることでより高いパフォーマンスを実現することを目指すものです。2月23日時点で イーサリアムのステーキング報酬は年率3.5%となっており、これらの報酬がETFに反映されることは通常のイーサリアム現物ETFにはないメリットといえるでしょう。

では、イーサリアムステーキングETFのデメリットはどのようなものでしょうか。イーサリアムステーキングETFにより、特定のステーキングプロバイダーにバリデータの運用者が集中する可能性があることがデメリットとして挙げられます。バリデータが集中することがネガティブに捉えられるのは、イーサリアムネットワークの分散化が妨げられ、耐障害性が損なわれる可能性があるためです。

こうした集中化への対策として、イーサリアムステーキングETFが用いるステーキングプロバイダーを複数に分散させることが考えられます。一方で、米国外にすでに存在しているイーサリアムステーキングETFの大多数はCoinbaseをステーキングプロバイダーとして選択しており、ステーキングプロバイダーの分散は達成されていないような現状となっています。

今回取り上げたARK Investment & 21Sharesの申請について、SECが承認の判断を下す最終期限は5月24日となっています。イーサリアムステーキングETFではない通常のイーサリアム現物ETFについても、VanEckが提出した申請についての最終期限が5月23日となっているため、5月頃に合わせて承認の可否が判明することが期待されています。

イーサリアム現物ETFだけでなく、イーサリアムステーキングETFについても承認されるかどうか、承認された場合はステーキングプロバイダーがどうなっているかにも注目したいところです。

Animoca BrandsのMocaverseとKuCoinがクロスプラットフォームIDによる提携を発表

コメント:勝山

Animoca Brandsが進行中のメンバーシップNFTプロジェクト「Mocaverse」、暗号資産取引所の「KuCoin」、そしてWeb3ウォレット「Halo Wallet」との間で、画期的な提携が成立しました。この連携の目的は、暗号資産取引、分散型金融(DeFi)、ゲーミング(GameFi)、ソーシャルファイ(SocialFi)といったWeb3の様々なセグメントにわたるユーザー体験を向上させることにあります。

具体的には、Mocaverseで用いられている分散型ID(DID)の「Moca ID」、KuCoinのユーザーアカウント、Halo WalletのメンバーシップNFTの統合が行われます。この提携により、異なるプラットフォーム間でのアイデンティティリンクが確立され、ユーザーはWeb3の複数のサブエコシステムをスムーズに移動することが可能になります。

また、これまでは暗号資産取引所で活発に取引しているユーザーでも、NFTやメタバースプロジェクトにおいてユーティリティを得ることが難しいといった課題がありましたが、今回の提携により解決されることが期待できます。

Animoca Brandsの共同創設者であるヤット・シウ氏は、”この提携がユーザー体験を一元化し、エンドユーザーがサービスにアクセスし利益を得ることをより容易にすることで、エコシステム全体の拡大と業界の共有価値の増大を目指している”と語ります。また、この統合がソーシャルファイ、DeFi、GameFi、教育、金融分野にわたるイノベーションと成長を促進することが期待されています。

この提携が広がっていくと、Web3エコシステムはユーザー体験の大幅な向上、エコシステムの拡大とイノベーションの促進といった将来を迎える可能性があり、クロスプラットフォーム価値を提供する重要な業界の事例となることが期待されています。

また、これらの進展によって異なるプラットフォーム間でのアイデンティティリンクが強化され、パーソナライズされた体験が提供されることで、エンドユーザーがWeb3の様々な領域をよりシームレスに移動することができるようになるかもしれません。こうした性質は「相互運用性」と呼ばれることもあります。

このように、Animoca Brands、KuCoin、Halo Walletの提携は、Web3における相互運用性の実現のための重要なマイルストーンとなることが期待されています。

注目の資金調達(2/19~2/25

※本まとめはGPT3.5によって自動生成されており、その内容の正確性を保証するものではありません。事例の概要を網羅的に把握するのにお役立てください。

Drosera Network

日付: 02月20日
調達額: $1.55M
ラウンド: Pre-Seed
投資家: Anagramなど
カテゴリー: Others
プロジェクト概要: 2023年に設立されたDrosera Networkは、技術分野での革新と協力を促進する先駆的な組織です。専門家と志望者の間のギャップを埋めることを目指し、プロフェッショナルと愛好家のためのダイナミックなエコシステムを作り出すことに焦点を当てています。ネットワーキング、知識共有、スキル開発のプラットフォームを提供することで、組織はメンバーが常に変化する技術の風景で繁栄するのを支援します。イベント、ワークショップ、イニシアチブを通じて、アイデアが交換され、パートナーシップが形成され、プロジェクトが実現される活気あるコミュニティを育成しています。卓越性と包括性にコミットメントを持ち、Drosera Networkは技術の未来を形作り、次世代のイノベーターをインスパイアします。

GameCentric
日付: 02月20日
調達額: $1.50M
ラウンド: Angel
投資家: Bilal Merchantなど
カテゴリー: Web3
プロジェクト概要: GameCentricは、魅力的なゲーム体験を提供することにコミットしたトップクラスのゲームプラットフォームです。様々なジャンルのゲームを幅広く取り揃え、カジュアルプレイヤーや競技ゲーマーの両方に対応し、能力を向上させることができます。2025年までにWeb3プラットフォームに移行し、暗号通貨を取り入れることを含むGameCentricの将来のビジョンは、ブランドやゲーマーに革新的で魅力的な機会を提供することを目指しています。この進化を受け入れることで、GameCentricはゲーム業界の最前線に立ち、最先端の体験を提供し、ゲームの世界で新たな可能性を切り拓く準備が整っています。
Honeypot Finance

日付: 02月22日
調達額: —
ラウンド: Pre-Seed
投資家: AC Capitalなど
カテゴリー: DeFi
プロジェクト概要: ハニーポットファイナンスは、独自のハチミツ風味のフライホイールモデルを生成する初のコミュニティ駆動型DeFiハブを開発中です。革新的なプラットフォームは公正なトークン発売モデルを提供し、プロジェクトトークンがスムーズに導入されることを保証します。コミュニティガバナンスと報酬インセンティブ構造を組み合わせることで、Honeypot FinanceはDeFiスペースを革新し、ユーザーに甘く透明な生態系を提供します。公正さ、コミュニティ参加、持続可能な成長を重視する新しいDeFiプロジェクトの時代を切り開くために、ぜひご参加ください。

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担当:松嶋

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