今週も暗号資産アナリストの松嶋がビットコイン相場の動向を分析します。
- ビットコインは年初に米国で現物ETFが承認されるとの期待が高まり一時BTC=644万円(45,500ドル)付近まで急上昇した。その後、審査延期や否決の可能性も指摘され、たちまちBTC=600万円(42,500ドル)付近まで急落し上昇分を打ち消した。しかし、4日の米国時間ではETF承認への期待が再燃し、買いが強まった。
- 来週のビットコインは米国の現物ETF承認で上昇なるか、審査延期や調整売りで下落しても中長期的な絶好の買い場になりうる。直近上値としてBTC=679万円(48,000ドル)、下値としてBTC=566万円(40,000ドル)を意識する。
今週の相場動向
相場回顧 BTC:年末年始はETF期待で一喜一憂
ビットコインは、年末で取引参加者が減る中、BTC=600万円(42,500ドル)付近でもみ合いの展開となった。米国ではビットコインの現物ETFに関してブラックロックやヴァンエックなどが修正版の申請書を年内最後に提出し、一部の指定参加者でJPモルガンやジェーンストリートなどが選ばれたことが話題になった。これを受けて年初にETFが承認されるとの期待がSNSを中心に高まり、年が明けた2日にはグレースケールの修正提出も好感されてBTC=644万円(45,500ドル)付近まで急上昇した。その後、マトリックスポートがETF非承認の可能性を指摘するレポートを発表したことで過度な期待が後退し、3日にはBTC=600万円(42,500ドル)付近まで急落し上昇分を打ち消した。年初の米国株式市場がハイテク株を中心に下落スタートとなったことも相場を押し下げた。しかし、4日の米国時間に入るとアナリストやメディアなどのコメントを受けてETF承認への期待が再燃し、買いが強まった。
今週のトピックス
金融市場
- FOMC議事要旨、高水準の金利「当面」維持-24年の利下げ視野
- 米ISM製造業総合景況指数、14カ月連続で縮小圏-受注が軟化
- リッチモンド連銀総裁、軟着陸の可能性高まるも必然ではない
- 勝者から敗者へ、米大型ハイテク株に厳しい年初-時価総額53兆円飛ぶ
暗号資産市場
- ブラックロックとValkyrieのビットコインETF、JPモルガンなどが流動性提供へ
- 米SEC、今回もビットコイン現物ETF非承認か Matrixportが新たな分析公開
- 「自社株売却した利益の一部でビットコイン買い増しへ」米マイクロストラテジーのセイラー会長
- 米証券取引所CboeがフィデリティのビットコインETFを登録、複雑な上場承認プロセスを整理
来週の相場予想
BTCは米国の現物ETF承認で上昇なるか、下落しても絶好の買い場
昨年12月会合のFOMC議事要旨では、2024年内に利下げが開始されるとの認識が示された一方で、その時期や経済見通しについては不確実性が高いとの認識も示された。今後は米雇用統計(5日発表)や米消費者物価指数(11日発表)など経済指標によって利下げ開始時期の予測が前後し、利下げ観測が高まった場合は買い、後退した場合は売りが強まることが予想される。
また米国のビットコイン現物ETFについては1月10日前後にSECが承認するのではないかとの期待が高まっている。実際に承認された場合、短期的に買いが強まるとの予想が優勢だが、イベント通過後の売りを警戒する声もある。昨年末にかけてETF承認への期待から急ピッチで上昇してきたため、審査延期や調整売りで一斉に期待が剥落し、20%前後の急落が起こる可能性はある。しかし、現物ETFが年内に承認されるとの見通しは変わっておらず、調整時は中長期的な絶好の買い場になりうるため、目先の値動きに動揺しないよう注意したい。
直近上値として2022年3月高値付近であるBTC=679万円(48,000ドル)、下値として節目であるBTC=566万円(40,000ドル)を意識する。
来週のトピックス:暗号資産市場に影響しうる指標をピックアップ
経済イベント・指標
- 米国、12月消費者物価指数(1/11)
ビットコイン現物ETF関連
- Ark 21Shares Bitcoin ETF(1/10)
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