今週も暗号資産アナリストの松嶋がビットコイン相場の動向を分析します。
- 今週のビットコインは、トランプ大統領の就任式を巡る期待と失望により、乱高下する展開となった。
- 来週のビットコインはトランプ政策への失望売りを消化しつつ底堅さを維持か。直近の価格レンジとして、上値はBTC=1,700万円(109,000ドル)、下値はBTC=1,560万円(100,000ドル)を意識する。
今週の相場動向
相場回顧 BTC(ビットコイン):トランプ大統領の就任式前後で乱高下
ビットコインは、トランプ大統領の就任式を巡る期待と失望により、乱高下する展開となった。
就任式前には、暗号資産関連の大統領令が発表されるとの期待が高まり、BTC=1,700万円(109,000ドル)付近まで高騰し、史上最高値を更新した。その中、トランプ大統領とメラニア夫人が独自のミームコインを発表したことが大きな注目を集め、多額の資金が流入した。ただし、これらのコインは短期間で価格高騰・急落し、投機的な動きが市場全体に広がったことで、ビットコインも一時的に急落する場面も見られた。
就任式当日には、暗号資産に関する具体的な政策発表がなく、失望感からビットコインは大きく下落した。政府公表の最優先事項にも暗号資産は含まれず、BTC=1,560万円(100,000ドル)付近まで値を下げた。また、トランプ大統領が自身のミームコインへの関与を否定したことも、弱気材料として捉えられた。
その後、コインベースCEOやブラックロックCEOの強気発言に支えられ、ビットコインは一時的に買い戻された。しかし、23日にトランプ大統領が署名した暗号資産関連の大統領令では、ビットコイン準備金の導入まで時間がかかる見通しが示され、失望感により軟調な推移が継続した。
今週のトピックス
金融市場
暗号資産市場
- トランプ次期大統領が公式ミームコイン「TRUMP」発行、価格は20倍暴騰
- 米ワイオミング州とマサチューセッツ州、ビットコイン準備金法案を提出
- トランプ夫人の公式ミームコイン「MELANIA」ローンチ 先行していた「TRUMP」は急反落
- トランプ就任初日、期待された仮想通貨関連大統領令は署名されず
- 仮想通貨支持派のウエダ氏が米SEC委員長代行に就任 ゲンスラー氏退任
- エルサルバドル、ビットコイン11BTCを買い増し 総保有量は975億円相当に
- イーロン・マスク氏ら率いる政府効率化局(D.O.G.E)に複数訴訟
- イーサリアム財団、DeFiでETHを運用へ
- Osprey Funds、「TRUMP」など7銘柄のETF申請 新政権下のSECに期待か
- 「ビットコインは長期的に数百万ドルのレンジまで上昇する可能性」コインベースCEOが予測
- ブラックロックCEO「ビットコインは約70万ドルまで上昇する可能性」
- 米SEC、仮想通貨業界向けの特別タスクフォース設立
- トランプ大統領、仮想通貨の戦略的国家準備金に関する大統領令に署名
- 米CME、XRPとソラナ先物取引に関する情報を否定
- 中国政府、PlusTokenから押収した3兆円相当のビットコインを売却か
来週の相場予想
BTC(ビットコイン)はトランプ政策への失望売りを消化しつつ底堅さを維持か
これまで、トランプ大統領の暗号資産政策、特にビットコイン準備金への期待を背景に、ビットコインは上昇基調を維持してきた。しかし、今回の大統領令では規制整備が主軸となり、準備金導入に関する具体的な措置が含まれなかったため、短期的には失望売りが強まるリスクがある。
また、来週は2025年初のFOMCが予定されている。市場では金利据え置きがほぼ織り込まれており、無難に通過する可能性が高い。ただし、パウエルFRB議長が利下げペースの鈍化や経済見通しに慎重な姿勢を示した場合、リスク資産全般に売り圧力がかかる恐れがある。
一方で、SECが暗号資産関連のタスクフォースを設立するなど、規制面では明るい動きも見られる。また、ソラナやリップルなど主要アルトコインの現物ETF申請が相次いでおり、これら業界内での進展がビットコインの相場を下支えすると考えられる。
直近の価格レンジとして、上値はBTC=1,700万円(109,000ドル)、下値はBTC=1,560万円(100,000ドル)を意識する。
来週のトピックス:暗号資産市場に影響しうる指標をピックアップ
経済イベント・指標
- 日本、日銀金融政策決定会合議事要旨(1/29)
- 米国、FOMC(1/28-29)
- ユーロ圏、10-12月期四半期域内GDP(1/30)
- ユーロ圏、ECB理事会(1/30)
- 米国、12月個人消費支出(1/31)
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