キーロガーとは、コンピュータのキーボード入力を記録するソフトウェアやデバイスのことです。これは、入力されたキーのストローク(キーボードでのタイピング動作)を記録し、後でそれを取り出して見ることができるツールです。キーロガーは合法的な目的で使用されることもありますが、不正な目的で使用されることもあります。
合法的な使用例としては、企業が社内のセキュリティポリシー遵守を確認するために使用したり、親が子供のインターネットの使用状況を監視するために使用したりすることがあります。また、システム開発時のデバッグツールとして使用されることもあります。
一方で、不正な目的で使用される場合、キーロガーはサイバー犯罪における重要なツールとなります。例えば、ハッカーはキーロガーを使用して、ユーザーのログイン情報、クレジットカード番号、銀行口座情報などの機密情報を盗み出すことができます。これは「キーロギング」と呼ばれる攻撃手法で、特に金融情報や個人情報が関わる場合には大きなリスクとなります。
キーロガーは大きく分けて2種類あります。ソフトウェアキーロガーとハードウェアキーロガーです。
ソフトウェアキーロガーは、マルウェアやスパイウェアの一種として、ウイルスやトロイの木馬に隠されてコンピュータに侵入し、バックグラウンドで動作します。これらは、インターネットを介してリモートで送信されることもあり、犯罪者が遠隔地から情報を収集することを可能にします。
ハードウェアキーロガーは、キーボードとコンピュータの間に物理的に接続される小さなデバイスです。これはUSBポートやキーボードケーブルに接続され、キーボードからの信号を傍受して記録します。ハードウェアキーロガーはソフトウェアベースのセキュリティシステムをバイパスすることができるため、特に危険ですが、物理的にアクセスしなければならないため、設置はより困難です。
キーロガーから身を守るためには、以下の対策が有効です。
- アンチウイルスソフトウェアを常に最新の状態に保ち、定期的にスキャンを行うことで、ソフトウェアキーロガーを検出し除去することができます。
- 不審なメールの添付ファイルやリンクを開かない、信頼できるソースからのソフトウェアのみをダウンロードするなど、セキュリティ意識を高めることが重要です。
- 二要素認証を利用することで、パスワードが盗まれたとしても、不正アクセスを防ぐ追加のセキュリティ層を提供できます。
- パブリックな場所でのコンピュータ使用時には特に注意し、キーボード周りに不審なデバイスがないかを確認することが大切です。
キーロガーはその機能から、プライバシーの侵害やサイバー犯罪に悪用される危険性があるため、その存在を理解し、適切な対策を講じることが非常に重要です。