NFTゲームの作り方・開発方法は?情報収集方法や注意点も解説

NFTゲームの作り方

NFTゲームは「ゲームで稼げる」ことから注目を集めており、プレイヤーだけでなく事業者側からも可能性を感じる声が多くあがっています。

本記事では、NFTゲームの開発を検討している方に向けて、NFTゲームの作り方や開発方法、NFTゲームの基礎知識や情報収集方法、注意点などを解説します。

NFTゲームの開発を検討している事業者様、ぜひ参考にしてみてください。

NFTゲームとは

NFTゲームとは、ゲーム内のキャラクターやアイテムデータ、イラストやアイデアといった知的財産がNFTのゲームです。

従来のオンラインゲーム・ソーシャルゲームにおいても、ゲーム内で強力なキャラクターやアイテムはプレイヤーの誰もが欲しがり、レアリティや性能が高いデータを求めるプレイヤーの欲求が課金誘導に繋がっていました。

NFTゲームではデータの非代替性が保証されるNFTが取り扱えることにより、データ上の「レベルを鍛えたキャラクター」「伝説の剣」などを、現物資産のように売買したりレンタルしたりといった取引が可能となります。

NFTゲームがアピールされるときに「稼げる」という点が強調されますが、このようにNFTゲームという「場」を通すことでNFTの魅力・価値がより明確となり、NFTを取引する市場の活性化が期待できます。

NFTについては、日本国内の官公庁では総務省が情報収集・情報発信を行っています。

参照:https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r05/html/nd131120.html

NFTやブロックチェーン技術全般については、日本国としても処理情報コストの増大と人口減少という矛盾した課題を解決する技術として注目しています。

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作る前に準備しておくべきこと

NFTゲームを制作するにあたっては、いくつかの課題をクリアする必要があります。

  • 一般的なゲーム開発のスキル
  • 暗号資産に対する理解
  • 国内外における法的な問題への理解(有価証券・景品表示法など)

これらの項目について情報収集を行います。

開発チーム内もしくは協力者に、それぞれの専門知識を持つ人材を迎え入れると良いでしょう。

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NFTゲーム開発の流れ

NFTゲームの開発過程には一般的なゲーム開発のステップの他に、NFTゲーム独自の要素が多くあります。

ゲーム本体の企画・人材収集・開発と同時に、プレイヤーがNFTを取引したくなるような仕掛けを用意し、NFTの取引が円滑に行えるシステムを構築する必要があります。

1.ゲームのコンセプトやビジョンを定義

  • どのようなゲームを制作すればプロジェクトが成功するかを調査・企画します。
  • ゲームに関する規制・法律・経済・社会的な視点などの外部環境を分析し、機会や脅威を炙り出します。
  • 競合の分析や、ユーザーのニーズを掴むことも重要です。

また、NFTゲーム独自の要素として採用する暗号通貨やウォレットが多くのユーザーに受け入れられるかの評価が必要です。

2.トークンエコノミーの設計

トークンエコノミーとは、広義ではブロックチェーン技術を基盤とする(新しい)経済の概念です。

ここでは狭義のトークンエコノミーとして、プロジェクトが設計する「ゲーム内経済」の意味となります。プレイヤーがNFTゲームに参入する目的は、楽しみながらお金を稼ぐことにあります。

ゲーム内のマーケットプレイスで取引されるNFTの需要と供給のバランスを熟慮し、開発するゲームのトークンエコノミーがプレイヤーにとって魅力的な市場となるように調整を行います。

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3.UI/UX~NFTゲーム本体の開発

この工程は一般的なゲーム開発と共通するものです。提供するNFTゲームのUX(ユーザー体験)がプレイヤーにとって魅力的なものになるよう企画を詰めます。

UI(ユーザーインターフェース)は特にゲームの快適さに直結するため、プレイヤーにストレスがない操作性を追求しましょう。Unityなどのゲーム開発に向いた開発環境を用いて実際にプログラミングを行い、ゲーム本体の開発とテストを繰り返します。

4.スマートコントラクトの開発

NFTゲーム独自の工程として、スマートコントラクトの開発が考えられます。

スマートコントラクトとは、ブロックチェーン上で事前に指定されたルールに従って自動的に動作するプログラムです。

NFTゲームにおけるスマコンは下記の機能も提供します

  • NFTの発行(ミント)と所有権管理
  • ゲーム内ロジックやルールの実装
  • 報酬システムの管理

当然ながらNFTの取引が正確かつスムーズに行われず、決済トラブルが発生してしまっては、ゲームタイトルの信頼性が失われユーザーが離れてしまいます。

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5.ゲームのテストとデバッグ

ゲーム本体とスマートコントラクトそれぞれのテストとデバッグを行い、実際のリリース後にトラブルが起こらないように全体の精度を高めていきます。

6.リリース

一般的な商品・サービスと同様にマーケティング・キャンペーン・広報を行い、プレイヤーを集めてリリースします。

既存のオンラインゲーム・ソーシャルゲームでも行われていることですが、リリーススケジュールやロードマップを詳細に情報提供していく姿勢も重要です。

外部からでは伺い知れない将来の展望を示すことで、プレイヤーからの信頼を得られ、ひいてはプロジェクトの成功に繋がります。

オフショアを利用して開発するメリット

オフショアとは、自国以外の企業に一部の業務を委託する手法です。

特に日本においては人材不足が叫ばれていることに対し、インド・タイ・ベトナムなどの地域では技術教育の充実により高度な技術を持つエンジニアが育っています。

NFTゲームの開発が大規模になり人材が不足する場合、オフショアという選択肢も考えられます。オフショアを利用して開発するメリットは、以下のようになります。

メリット1.コスト削減

タイやベトナムの平均年収は日本よりも低いため、同じ仕事量・仕事内容でも人件費を抑えることができます。

単純な安さで飛びつくだけでは後述のようなデメリットが発生しますが、依頼側・マネジメント側が適切に対応することで、安価に・円滑に・高品質な開発を実現できます。

メリット2.人手不足の解消

日本国内の人手不足は深刻であるため、IT人材が豊富な海外に業務委託することで人手不足の問題を解消できます。

相手国側の事情ではIT人材は他の職業と比較して高給であるため、継続的に優秀な人材が育成されています。

メリット3.納期の短縮

オフショア開発では十分な開発人員の確保が可能なため開発スピードを向上させることができます。特に、時差を活用することで実質的な作業時間を延長でき、納期の短縮に繋がります。

ただし、納期短縮の実現には「プロジェクトの目標と要件の明確化」や「詳細な作業工程の策定とマイルストーンの設定」、「円滑なコミュニケーション体制の構築」などの取り組みが必要不可欠です。これらを適切にマネジメントすることで、品質を維持しながら効率的な開発を実現することが可能になります。

メリット4.高品質のサービス

NFTゲーム開発には、従来のゲーム開発の知識に加えて、ブロックチェーン技術やスマートコントラクトなど、Web3特有の専門知識が必要です。多くのプロジェクト企画者にとって、これらすべての技術領域に精通した社内人材を確保することは困難な課題となっています。

オフショア開発企業では、複数のNFTプロジェクト開発実績があり最新のブロックチェーン技術への精通しているため、このような専門性を持つ企業と協業することで、技術的なリスクを軽減し、より高品質なサービス開発を実現できる可能性があります。

オフショアを利用して開発するデメリット

オフショアを利用して開発するデメリットは、以下のようになります。

デメリット1.言葉や習慣の壁がある

当然のことながら国が違うことで言語の壁があるため、少なくともお互いに英語などの共通言語でコミュニケーションを取るようにします。

理想は、依頼側・マネジメント側に現地語を話せる人材がいるとより良いでしょう。

また、日本では公然とまかり通っている「サービス残業」「労働時間を越えてでも納期に間に合わせる」といった習慣は海外では通用しません。適切な報酬やスケジュール管理を準備する必要があります。

デメリット2.時差がある

時差がある場合、コミュニケーションを取れる時間帯が限られます。確認事項がある時に労働者が勤務時間外であるといった事態が発生します。

日本と緯度が近く時差が少ないアジア圏の企業にオフショア開発を依頼することで、時差の問題は小さく抑えられるでしょう。

デメリット3.小規模開発では投資対効果が合わない

オフショア開発は上記のような難点があるため、プロジェクトマネジメントやコミュニケーション管理など、追加的な投資が必要となります。

そのため、開発規模が小さい場合、開発コストの削減効果を上回ってしまう可能性があります。

現在のプロジェクトの規模で、オフショア開発が本当に適切であるかの経営判断が重要です。

NFTゲーム開発における注意点

NFTゲーム開発における注意点としては、新しい技術であるがゆえに各国の法整備が整っていないことがあります。加えて過去の事例が少ないことで、NFTゲームを提供する側にも、何が法的に問題なのかの認識が不足している部分があります。

すでにIT問題に強いいくつかの法律事務所が、NFTの取扱いについて解釈を示した情報をインターネット上で得ることができます。

NFTゲーム内でトラブルが発生し法廷闘争に発展した場合に、NFTゲームのサービス提供側が身を守る盾として「利用規約」の整備が不可欠です。

利用規約にはマーケットプレイス上で発生する各種手数料などの金銭面の事前承諾も含まれます。これらの法律知識は十分に把握することが難しく、専門の弁護士に監修を受けることが現実的な対応となります。

気をつけるべき機能は?

NFTの売買やレンタルによって発生した利益を配分する「収益分配の受取機能」を備えている場合、金融商品取引法上の「有価証券」と見なされる可能性があります。

有価証券を取り扱う場合、有価証券届出書の作成・提出・開示などが必要です。これらの人員整備・体制整備・監査法人との契約などが大きなコストとなる恐れがあります。

NFTが法定通貨で販売され代金決済または送金機能を介する場合は、資金決済法上の「暗号資産」「前払式支払手段」「電子決済手段」に該当する可能性があります。さらに、NFT発行者がNFT保有者に対し現金への払い戻しを認める場合、隔地者間の送金手段としての用途が生じるため「為替取引」に該当します。

「為替取引」の取り扱いは銀行業か資金移動業に該当し、免許や一定額の資本金などが求められ、それらの用意に莫大なコストが発生します。これらの規定を無視して営業を断行した場合、罰則の対象となります。

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NFT取引の規制とは?

NFTゲーム内のサービスであったり、新たにプレイヤーを獲得するキャンペーンなどで、法定通貨で評価できるNFTを配布・プレゼントする場合は、景品表示法に抵触する可能性があります。これは既存のオンラインゲーム・ソーシャルゲームの提供企業も直面している課題です。

特にNFTは常に価値が変動しているため、キャンペーン期間の間に価値の変動が発生するようであれば、景品類の差し替え・提供中止ができるルールを設定するなどの事前準備を要します。

また、NFTの販売においては「特定商取引法に基づく表示」を定める必要が生じる可能性があります。既存のオンラインゲーム・ソーシャルゲームで広く採用されているガチャシステムは「賭博罪」に抵触する可能性にも注意が必要です。

まとめ

NFTゲームの作り方・開発方法、情報収集方法や注意点などを解説しました。

NFTゲームは取引したNFTを暗号資産を通して現金化できる魅力があり、多くの潜在顧客が期待できます。

一方で、既存のオンラインゲーム・ソーシャルゲーム以上の開発スキルが求められることに加え、国内外への法対応も必要となってきます。

課題は多いものの、今後の大きな伸びが期待される業態でもあり、ぜひとも参入したいと考えている企業・団体は多いでしょう。

個人はもとより、一つの企業・団体の内側のみのスキルではなかなか対応が難しい専門分野も多く、ゲーム開発・トークンエコノミー・弁護士といった専門家の参加や助力を得てチームを作り上げていきましょう。

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