SSL(Secure Sockets Layer)およびTLS(Transport Layer Security)は、インターネット上でデータを安全に送受信するためのプロトコルです。これらは特にウェブブラウザとウェブサーバ間の通信を暗号化するために広く使用されており、オンラインでの金融取引や個人情報のやり取りなど、セキュリティが重要視される場面で不可欠な技術となっています。
SSLは、1994年にネットスケープコミュニケーションズによって開発されました。SSLはその後、バージョンを重ねるごとにセキュリティが強化され、1999年にはTLS 1.0として標準化されました。TLSはSSLの後継として開発されたものであり、現在ではSSLよりもTLSの方がより安全であるとされています。そのため、現在ではSSLという用語は一般的にTLSを指す場合もありますが、正確には異なるプロトコルです。
SSL/TLSの主な機能は以下の通りです。
- 暗号化:データを読み取り不可能な形式に変換することで、第三者によるデータの盗聴や改ざんを防ぎます。
- 認証:ウェブサーバが本物であることを証明するために、デジタル証明書を使用します。これにより、ユーザーは自分が接続しているサイトが正しいものであると確信できます。
- データ完全性:データが途中で改ざんされていないことを保証します。
SSL/TLSのプロセスは大まかに以下のステップで進みます。
- ハンドシェイク:クライアント(例えばウェブブラウザ)とサーバ間で、通信の詳細を決定するための初期交渉を行います。この段階で、どの暗号化方式を使用するかやセッションキーの交換などが行われます。
- サーバ認証:サーバは自身のデジタル証明書をクライアントに送信します。クライアントは証明書を検証し、信頼できる認証機関(CA)によって発行されたものであることを確認します。
- クライアント認証:必要に応じて、クライアントも自身のデジタル証明書をサーバに提供して認証を行います。
- キー交換:クライアントとサーバは共通の秘密鍵(セッションキー)を生成します。この鍵はセッション中のデータを暗号化するために使用されます。
- データ転送:セッションキーを用いてデータを暗号化し、安全に情報をやり取りします。
SSL/TLSは多くのウェブサイトで採用されており、URLが「https://」で始まる場合、そのサイトはSSL/TLSを使用していることを示しています。ユーザーはこれにより、自分の情報が安全に扱われることを期待できます。
セキュリティ技術は常に進化しており、TLSもバージョンアップが続けられています。例えば、TLS 1.3は2018年に発表され、以前のバージョンよりもさらにセキュリティが強化され、パフォーマンスの向上が図られています。
SSL/TLSはインターネットセキュリティの基盤となる技術であり、個人情報の保護、電子商取引の安全性向上、信頼できるインターネット環境の確立に寄与しています。これらのプロトコルによって、ユーザーは安心してオンラインでの活動を行うことができるのです。