「マイナー」(miner)とは、新しいトランザクションをブロックチェーンに追加するために必要な計算作業(マイニング)を行う個人または組織のことを指します。マイナーの役割は、ブロックチェーンネットワークのセキュリティと正確性を維持する上で極めて重要です。
マイナーの主な活動内容は以下の通りです。
- トランザクションの検証:マイナーはブロックチェーン上で行われるトランザクションを集め、それらが有効であるかを検証します。このプロセスには、二重支払いの防止などが含まれます。
- 新しいブロックの生成:トランザクションが検証されると、マイナーはこれらをブロックにまとめ、ブロックチェーンに追加します。この過程で、複雑な数学的な問題を解く必要があり、これがマイニングの中核を成します。
- コンセンサスの維持:マイナーはブロックの生成を通じて、ネットワーク全体で取引履歴についての合意(コンセンサス)を形成します。これにより、ブロックチェーンの整合性が保たれます。
- 報酬の獲得:新しいブロックがブロックチェーンに追加されると、マイナーは新たに生成された暗号通貨(例えば、ビットコイン)とトランザクション手数料の形で報酬を受け取ります。これがマイニングの経済的インセンティブです。
マイナーが行う計算作業は非常にエネルギー集約的であり、特にビットコインのようなプルーフ・オブ・ワーク(Proof of Work、PoW)に基づくシステムでは、高い計算能力と消費電力が必要となります。このため、マイニングは大規模なオペレーションとなり、専用のハードウェアやデータセンターが使われることが一般的です。
マイナーの活動は、ブロックチェーンネットワークのセキュリティと透明性を支える重要な要素ですが、エネルギー消費の問題や集中化のリスク(一部のマイナーが過度に強力になること)など、いくつかの課題も抱えています。これらの課題に対応するため、プルーフ・オブ・ステーク(Proof of Stake、PoS)のような新しいコンセンサスメカニズムが提案され、採用されつつあります。