#50:2023年Q1のL1ブロックチェーン総括-財務の視点から

今週もマネックスクリプトバンクから、Web3.0界隈の動きをお伝えします。

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注目トピックス解説

北京市がWeb3ホワイトペーパーを公開

コメント:宮本

中国・北京市が5月27日、Web3に関するホワイトペーパーを公開しました。

公開されたホワイトペーパーは北京市科学技術委員会と中関村科技園区管理委員会が主体となって作成したもので、Web3の定義や構造、国内外における関連技術の開発状況などについて体系的にまとめられています。中関村科技園区は中国初の国家ハイテク産業開発区として位置付けられている行政区画です。地方法規として独自の条例が定められており、税制優遇や戸籍緩和策などが政府により打ち出されていることから、研究内容や発表される情報には政府の意向がある程度反映されていると推測されます。

ホワイトペーパーの内容のうち最も興味深いのは、AI技術をWeb3の構成要素のひとつとして捉えているということです。ホワイトペーパーではWeb3のアーキテクチャは「インフラ層」「インタラクティブ端末層」「プラットフォームツール層」「アプリケーション層」の4層によって成立していると考えられており、このうちAI技術は「インフラ層」に該当するものであるとされています。AI技術は人間とNPCの対話やコンテンツ生成、仮想空間のリアルタイムレンダリングなどで重要な役割を果たしていると説明されており、今後Web3におけるコンテンツや情報の発生源としてAI技術が用いられると推測されています。

ブロックチェーン技術に関してもAI技術と同じく「インフラ層」に分類されています。北京市の取り組みとしては、独自に開発したブロックチェーン「ChainMaker」が紹介されています。
ホワイトペーパーでは「インフラ層」以外の構成要素についても説明されており、「インタラクティブ端末層」ではXR端末やホログラム、ブレイン・コンピューター・インターフェースが、「プラットフォームツール層」ではUnreal EngineやUnityなどの3Dエンジンやデジタルツインが主要な技術として位置付けられています。「アプリケーション層」については今後Web3においてどのようなアプリケーションが登場するのかといったことが試案されており、都市のコピーを仮想空間上で作成してシミュレーションを行った上で、現実世界の都市における通信システムや交通システム、エネルギーシステムなどの管理を実施するアプリケーションなどが一例として挙げられています。

中国では2021年に暗号資産の取引やマイニングを禁止する通知が出されており、現在でも暗号資産に関する活動は違法とされています。一方で、今回公開されたホワイトペーパーではWeb3が今後の潮流となることを認めた上で、北京市がブロックチェーンを含むWeb3関連技術の開発や発展における主導権を握るために政策支援を強化することが明記されています。

暗号資産に関する活動についても方針転換を図るのか、あるいは現状のように暗号資産とブロックチェーン技術を切り分けた上でブロックチェーン技術の研究開発を水面下で続けていくのか、今後の展開にも注目したいところです。

2023年Q1のL1ブロックチェーン総括-財務の視点から

コメント:中坪

暗号資産データプロバイダーのMessariから2023年Q1におけるL1ブロックチェーンの総括が公開されました。対象となっている暗号資産はAvalanche、BNB、EthereumをはじめとするL1の主要通貨14種類です。エコシステムやネットワークなど様々な観点からの分析がなされているこのレポートの中から、今回は各チェーンを財務的視点から分析したパートの注目ポイントをお伝えします。

2022年は暗号資産市場において大きな事件が相次ぎ、全体として市場が大きく落ち込みました。その反動もあり、2023年Q1で市場はかなり上向いたと言えそうです。今回対象となったL1チェーンの時価総額は前の四半期と比べて平均で83%増加しました。前年同期比では58%の下落と完全にショック前に戻ったわけではありませんが、Bitcoinを利用してスマコンやDAppsの開発を行うことができるStacksチェーンを筆頭にL1チェーン全体で回復基調に向かっていることがうかがえます。

次に収益を見てみます。ここでの収益とはプロトコルによって集積された手数料の合計のことをいいます。これを見ると、やはり利用が多くガス代をたくさん集めているEthereumが約4億5700万ドルと群を抜いて高くなっており、他の対象L1チェーンの収益を合計したものの約2.8倍の額となっています。増加率で見るとHederaが前期で489%の増加を記録しました。これはHederaチェーンが提供するコンセンサスサービスと言われる、Web2およびWeb3アプリ上でのイベントで検証可能なタイムスタンプと時系列を記録するサービスがサプライチェーンの追跡やDAOでの投票カウント、IoTデバイスでの監視といった場面で活用が広がったことが理由だと考えられます。

最後にP/S Ratioを見てみましょう。日本ではPERとも呼ばれ、株価の割安・割高を判断する際に広く使われていますが、先ほどのようにチェーンの収益を定義することで暗号資産においても理論上計算が可能です。最も割安だったのはTRONの16倍で、それに続くEthereumの118倍とは大きく差を空けています。実際には企業分析とは異なり、ここで定義した収益が必ずしもチェーン自体の収益となっているわけではなく、また手数料の処理についてもチェーンごとで異なるため一概に株価を見るときのような指標として活用することは難しいですが、トークノミクスと呼ばれるトークンごとのシステムの設計を理解する上では面白い指標と言えるかもしれません。

暗号資産市場では株式市場と比べても投機的な話題に左右されやすい面が依然大きいですが、チェーン自体の定量・定性的な分析を通してチェーンそのものの価値を知ることも重要です。もし、今回の記事で気になったL1チェーンがあれば、ぜひ今回のようなレポートや通貨ごとのホワイトペーパーを通してプロジェクトの概要を調べてみることをお勧めします。

注目の資金調達

※本まとめはGPT3.5によって自動生成されており、その内容の正確性を保証するものではありません。事例の概要を網羅的に把握するのにお役立てください。

DeGame
  • 調達額:1000万ドル
  • ラウンド:非公開
  • 投資家:Folius Venturesなど
  • カテゴリー:NFTs

DeGameは、世界最大のNFTゲーム集約サイトであり、ブロックチェーンゲームプロジェクトとトークン/チェーンの最大コレクションを誇っています。2021年の創業以来、4000以上のゲームプロジェクトと1000以上のトークン/チェーンをリストアップし、NFTゲーム愛好家や開発者にとっての必須プラットフォームとなっています。50以上のギルドやチェーンと提携し、ユーザーに包括的で多様なゲームオプションを提供しています。DeGameは、シームレスで使いやすい体験を提供することにコミットしており、ゲーマーや開発者の間で人気があります。豊富なNFTゲームのコレクションと主要なギルドやチェーンとのパートナーシップにより、DeGameはNFTゲーム業界での成長と支配を続けることが期待されています。

MetaZone
  • 調達額: 300万ドル
  • ラウンド: シード
  • 投資家:Sfermionなど
  • カテゴリー: Web3NFTs

MetaZoneは、コンテンツ配信プラットフォームを提供することで、オープンメタバースのデジタル経済を支援するプラットフォームです。このプラットフォームを使用することで、ユーザーは世界初のMetaverse Enabled Tokenized Applications(METAs)を構築、体験、所有することができます。メタバースは、ユーザーが共有空間でお互いやデジタルオブジェクトとやり取りできる仮想世界です。MetaZoneのプラットフォームは、この仮想世界内でのコンテンツの作成と配信を容易にするように設計されています。トークン化を使用することで、ユーザーはメタバース内でデジタルアセットを所有し、取引することができます。これにより、ユーザーは自分の作品や体験を収益化することができる新しい経済が生まれます。MetaZoneのプラットフォームは、ユーザーがデジタルアセットや体験に対してより多くの制御を持つことができるようになる、より分散化され、民主化されたデジタル経済への一歩となります。

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マネックスクリプトバンクでは国内外のweb3関連スタートアップへの出資およびグループ会社を含めた事業連携などを検討しています。ぜひ相談したいという方は下記アドレスまでご連絡ください。

担当:松嶋

今週のオンチェーン指標:Exchange Balance

 

概要

Exchange Balance(以下EBと略す)とは、公開されている取引所アドレスに保有されているコインの総量を表します。

EBは、取引所別に見ることで、それぞれの取引所がどれだけのコインを保有しているのかを確認することができます。つまり、取引所の規模や流動性を測るための参考指標と言えます。また、市場全体で見ることで、暗号資産の取引需要の増減や各取引所のシェア動向を確認することもできます。

上の図は、BitcoinのBEです。これを見ると、最近ではBinanceとCoinbaseが大きなシェアを持っていることが分かります。実際にCoinMarketCapでBTC取引高(現物)を確認しても、Binanceが圧倒的な市場シェアを誇っていることが分かります。
別の観点では、取引所全体のコイン量を確認すると、2020年2月を境に右肩下がりであることが確認できます。これは、2021年にかけてUniswapなどの分散型取引所(DEX)がDeFiブームとして発展したことや、米国でカストディアンウォレットを介した機関投資家層による取引が拡大したことなどが影響していると考えられます。

今後は、取引所のアドレス開示に関する規制の動きや、分散型金融(DeFi)の発達に応じてEBの推移も変わるものだとして注視していきたいです。

以前、このメルマガで同じ取引所関連の指標としてExchange Inflow Volume(取引所アドレスへの入金:EB増加)とExchange Outflow Volume(取引所アドレスからの出金:EB減少)を紹介しました。これらとEBを組み合わせることで短期的な市場センチメントをより掴みやすくなるかもしれません。

その他のニュース

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レポート例

  • 「GameFiとはなにか――DeFiの重要性と課題、CEXの役割」
  • 「VR普及はいつ頃達成されるのか?―現状の問題点と関連技術を探る」
  • 「メタバースのデジタルLANDを開発する方法ーDecentraland開発」
  • 「ブロックチェーンゲームのビジネスモデルと収益推定」
  • 「PAVA指標のレイヤー1トークンへの適用可能性の検討」
  • 「金融バブルを検知するLPPLSモデルの暗号資産への応用」

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