#115:マイクロストラテジーがNASDAQ 100株価指数に追加される

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注目トピックス解説

ENSの独自チェーン「Namechain」開発、提携先として「Linea」を選定

コメント:宮本

ENS(Ethereum Name Service)を開発するENS Labsとレイヤー2「Linea」を開発するLinea Associationは12月17日、ENSを独自チェーンへと移行することを目的とした提携を結んだことを発表しました。

ENSは、「0x」から始まる複雑な文字列となるEthereumアドレスに、読みやすい名前(例: vitalik.eth)を紐付けすることができるサービスです。命名からも推察できるように、インターネットにおけるDNS(Domain Name System)のようなサービスとなっています。DNSによってIPアドレスを任意のドメイン名に置き換えることができるように、ENSを使うことでウォレットアドレスを任意のドメイン名に置き換えることができます。

2017年にサービスがリリースされて以来、すでに200万を超えるENSが登録されているなど、ブロックチェーン上の非金融アプリケーションとしては一定の成功を収めています。

一方で、現状のENSにはいくつかの問題点が存在します。そのうちのひとつが、登録にかかるガス代(手数料)の高さです。ENSを登録するためには利用年数および文字数に応じた登録料が必要となっていますが、ガス代がこの登録料を上回るケースも散見されます。

以下のグラフは オンチェーン分析サイトであるDuneから引用したもので、ENSの登録にかかる登録料とガス代を示したものです。赤線がENS登録料の平均を、青線がガス代の平均を示しています。

グラフからは、確かにガス代が登録料を上回るケースがあることが読み取れます。このような状況から、ENSの登録に対するハードルは高くなっていました。

こうした問題を解決するために、ENSの開発元であるENS Labsは 2024年5月に「ENSv2」というアップデート構想を発表しました。ENSv2では、独自のレイヤー2「Namechain」を開発し、ENSの登録をNamechain上で行うか、従来と同じくEthereum上で行うかを選択できるようになると明記されてます。ENSの登録をNamechain上で行う場合は、ENSの登録データがNamechain上で保存されるため、Ethereumよりも安いガス代で登録を行うことができるようになります。

Namechainは2025年末のリリースを予定しており、リリースに向けてNamechainの開発に利用する技術スタックの選定を行っているような状況でした。今回の発表により、Lineaの技術を用いてNamechainの開発が行われることが明らかになった形となります。

Lineaはゼロ知識証明を特徴とするレイヤー2で、MetaMaskなどを開発している米Consensysによって開発されたものです。現在はガバナンスを分散させることを目的として、Linea Associationという非営利団体に開発主体を移行しています。

Lineaが選定された理由として、CCIP Read(ERC-3668)というレイヤー2からENSの登録データを読み取る技術をすでに実装しており、運用実績もあったことが大きな要因となっています。ENSの登録をレイヤー2で行う場合、Ethereumや他のレイヤー2からでもENSがどのアドレスに紐付けられているかを読み取れるようになっている必要があります。LineaはこのCCIP Readを用いたENSサブドメインの登録サービスを展開しており、 12月17日時点で40万を超える登録が行われています。Lineaが展開するENSサブドメインは、「.eth」ではなく「.linea.eth」が付くことが特徴となっています。CCIP Readを用いたENSサブドメインの登録サービスとしては、 米大手暗号資産取引所であるCoinbaseも「Basenames」というサービス名で提供しています

また、Ethereumとの互換性が高く、バイトコードレベルの同等性(EVM equivalence)があることも選定理由のひとつとなっています。EVM equivalenceがあることで、Ethereumで動作しているスマートコントラクトをそのまま移行することができるため、開発者にとっても移行しやすい環境が整っているといえます。 Ethereumアドレスの可読性の低さはマスアダプションを遠ざけている要因のひとつでもあります。Namechainの実装によって、誰でも手軽に、安価にENSを持てるようになるかもしれません。

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マイクロストラテジーがNASDAQ 100株価指数に追加される

コメント:プリズム(X:@prism_cryptos)

米国のNASDAQは2024年12月13日、ソフトウェア企業であるマイクロストラテジー(MicroStrategy)が12月23日付けで株価指数の一種であるNASDAQ 100に追加されると発表しました。

マイクロストラテジーは、1989年に設立されたビジネスインテリジェンス(BI)やデータ分析を主力とするソフトウェア企業です。しかしながら、近年ではビットコインに関する投資や開発を経営戦略の柱に据え、世界最大のビットコイン保有企業としての注目が集まっています。

NADSAQ 100は、NADSAQ市場に上場している(金融を除く)時価総額上位100銘柄で構成される株価指数であり、世界を代表する企業が集結しています。構成銘柄の具体例は、AppleやMicrosoft、Tesla、NVIDIA、Starbucks、PepsiCoなどの著名企業です。

今回、暗号資産関連企業として初めてナスダック100指数に採用されることとなったマイクロストラテジーは、運用資産規模で世界5番目のETFであるインベスコQQQトラストに組み入れられることとなります。これにより、投資家層の拡大と株価への影響が予想されます。

なお同社は、ナスダック100に採用されたというニュースに続く形で12月17日に、新たに1万5350BTC(約2300億円)の追加購入を行った旨を発表しました。これにより、同社が保有するビットコインの量は43万9000BTCとなり、平均購入価格が1BTC当たり6万1725ドルとなりました。

今後、マイクロストラテジーの株式がより上位の運用資産規模を持つETFに組み入れられるためには、S&P 500へ追加されることが必要となります。同社は既に時価総額や取引高の基準で、S&P 500指数への組み入れ要件を満たしています。全ての要件をクリアしてS&P 500への追加が実現することで、S&P 500に連動するETFを購入している投資家が間接的にビットコインへ投資を行っている状態になることが期待されます。

注目の資金調達(12/16~12/22

※本まとめはGPT3.5によって自動生成されており、その内容の正確性を保証するものではありません。事例の概要を網羅的に把握するのにお役立てください。

StablR
日付: 12月17日
調達額: —
ラウンド: Strategic
投資家: Tetherなど
カテゴリー: DeFi
プロジェクト概要: StablRは、機関投資家が分散型オープンソースのブロックチェーン経済を活用できるよう支援するグローバルなフィンテック企業です。安定したデジタル資産へのアクセスを提供し、取引や支払いを可能にします。

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担当:松嶋

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