今週も暗号資産アナリストの松嶋がビットコイン相場の動向を分析します。
- 今週のビットコインは、米国のトランプ新政権における暗号資産推進への期待から強い買いが継続し、連日史上最高値を更新する展開となった。
- 来週のビットコインは、トランプ新政権への期待先行で10万ドル達成なるか。過熱後の急落には警戒が必要である。直近の価格レンジとして、上値はBTC=1,560万円(100,000ドル)、下値はBTC=1,217万円(78,000ドル)を意識する。
今週の相場動向
相場回顧 BTC(ビットコイン):トランプトレードにより史上最高値を更新
ビットコインは、米国のトランプ新政権における暗号資産推進への期待から強い買いが継続し、連日史上最高値を更新する展開となった。
米国大統領選挙でトランプ氏の勝利確実が報じられ、ビットコインはBTC=1,186万円(76,000ドル)付近まで急上昇した。週末を挟んでもみ合う場面もみられたが、米国のビットコイン準備金に関する法案がSNSで話題になると再び買いが強まった。マイクロストラテジー【MSTR】が過去最大規模のビットコイン追加購入に動く中、ビットコイン現物ETFへの資金流入が日次で10億ドル以上を記録し、ビットコインはBTC=1,404万円(90,000ドル)付近まで大きく上昇した。
また、米国では、今回の選挙で共和党の暗号資産支持派が数多く勝利し、トリプルレッドを達成したことで暗号資産規制見直しへの期待が高まった。これを受け、暗号資産関連企業が米国で証券性を指摘されてきた銘柄を再上場するなどの動きがあり、一部のアルトコインが強い値動きとなった。特にイーロン・マスク氏の政府効率化省(通称:DOGE)のトップ起用により、ドージコインが高騰した。
このような中、米国の10月消費者物価指数が12月FOMCの追加利下げを支持する内容だったこともあり、ビットコインは一時BTC=1,450万円(93,000ドル)付近まで値を伸ばした。
今週のトピックス
金融市場
- 英中銀、0.25ポイント利下げ-予算案はインフレ押し上げと警告
- FOMC、連続利下げ-トランプ氏が辞任求めてもパウエル氏拒否
- トランプ氏、アリゾナ州勝利で激戦州完全制覇-バイデン氏と13日会談
- ミネアポリス連銀総裁、景気は力強いもインフレ退治は終わっていない
- 石破首相を衆院が30年ぶりの決選投票で再指名-少数与党で前途多難
- 12月の米追加利下げ確率、市場織り込み80%に上昇-CPI予想通りで
- トランプ氏、ルビオ氏ら外交防衛の骨格固まる-忠誠心や見た目重視か
暗号資産市場
- ブラックロックのビットコイン現物ETFの出来高急増、トランプ氏勝利を受け
- イーサリアム財団が財務開示、資産の8割をETHで保有
- 暗号資産業界が支援の候補者、現時点で全勝-米選挙で影響力増す
- 米マイクロストラテジー、過去最大規模のビットコイン追加購入
- 米ロビンフッド、ソラナやXRPを再上場 PEPEは新規上場
- イーロン・マスク氏、DOGE省トップに就任予定
- コインチェック、米ナスダック株式上場の最終段階へ SEC登録届出書が承認
- 米コインベース、仮想通貨版S&P500指数「COIN50」を提供開始 無期限先物も提供
- トランプ新政権の財務長官、仮想通貨支持のスコット・ベセント氏が有力
来週の相場予想
BTC(ビットコイン)はトランプ新政権への期待先行で10万ドル達成なるか、過熱後の急落には要警戒
米国大統領選挙のトランプ氏勝利を受け、ビットコインの上昇の勢いが止まらない。米国の暗号資産規制見直しや国家準備金としてのビットコイン購入への期待が先行し、節目となるBTC=1,560万円(100,000ドル)まで一気に駆け上がる可能性はあるだろう。今ではビットコイン現物ETFの取り扱いがあるため、これまで以上の資金流入の速さと規模によって価格が高騰しやすい。
一方、先物市場ではやや過熱気味となっているため、短期的な急落には警戒が必要である。一部のアルトコインが高騰していることも投資家がリスクオンに傾いていることを示唆しており、ビットコインのドミナンスが急低下した際には価格が急落する恐れがあるだろう。また、米国におけるビットコイン準備金の過度な期待が増しているが、政府とは独立したFRBを説得する必要があることを踏まえると、その導入までには相応の時間を要することが予想される。
直近の価格レンジとして、上値はBTC=1,560万円(100,000ドル)、下値はBTC=1,217万円(78,000ドル)を意識する。
来週のトピックス:暗号資産市場に影響しうる指標をピックアップ
経済イベント・指標
- ユーロ圏、10月消費者物価指数<改定値>(11/19)
- 日本、10月全国消費者物価指数(11/22)
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