#102:ArbitrumがEthereum以外へのエコシステムの拡張を検討か、提案の投票プロセスが開始

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注目トピックス解説

ArbitrumがEthereum以外へのエコシステムの拡張を検討か、提案の投票プロセスが開始

コメント:宮本

Arbitrum Oneなどのレイヤー2を展開するArbitrum Foundationは7月25日、Arbitrum OrbitをEthereum以外のブロックチェーンに拡張する提案を行いました。

Arbitrum Orbitは、Arbitrum Oneなどに用いられている技術を利用して独自のレイヤー2やレイヤー3を立ち上げることができるフレームワークのことです。

Arbitrum Orbitは2023年6月にリリースされており、当初はArbitrumのレイヤー2チェーン(Arbitrum OneやArbitrum Nova)を親チェーンとするレイヤー3を立ち上げるためのフレームワークとして想定されていました。Ethereumを親チェーンとするレイヤー2の立ち上げについては技術的には可能であるものの、立ち上げにはArbitrum DAOの許可および管理が必要になるなど、レイヤー3の場合よりも厳しく制限されていました。

このようなレイヤー2への姿勢について、変化が見られたのは2024年1月です。 Arbitrum Foundationが1月18日に発表した「Arbitrum Expansion Program」において、10%のレベニューシェアを条件として、Arbitrum Orbitを用いたレイヤー2の立ち上げをArbitrum DAOの許可や管理なしで認めることが明記されました。

こうした方針転換に伴い、さらにArbitrum DAO内において、Ethereum以外のブロックチェーンにもArbitrum Orbitを展開できるようにすることで、Arbitrum DAOに分配される収益が大きくなるのではないかという議論が行われるようになりました。

今回の提案はこのような議論を受けて、Arbitrum OrbitをEthereum以外のビットコインやBNB、Cosmosなどのチェーンにも展開できるようにArbitrum Expansion Programを変更する、というものになっています。

Arbitrumエコシステムにおける提案は、 Arbitrum DAOでの数回の投票によって可決された場合に限り導入される仕組みとなっています。今回の提案はNon-Constitutionalという比較的制約が緩いものにあたるため、Arbitrum DAO内で行われる2回の投票で可決されることで導入されることになります。

最初の投票フェーズである「Temperature check」についてはすでに終了しており、 賛成票が84.5%を占める結果となりました。Temperature checkは単純な多数決で賛成票が反対票を上回ればよいため、次の投票フェーズである「On-chain DAO Vote」に進むことが推測されます。On-chain DAO Voteで賛成票が反対票を上回り、かつすべての投票可能なガバナンストークンのうち3%以上が賛成票に投票した場合、今回の提案は可決されることになります。

独自のレイヤー2を立ち上げることができるフレームワークとしては、Arbitrum Orbitの他にもOptimismのOP StackやPolygonのPolygon CDKなどがあります。Polygon CDKを用いてビットコインレイヤー2を立ち上げた事例などもみられはしますが、基本的にはこれらのフレームワークはEthereumにおけるレイヤー2を前提として作成されたものになります。Arbitrum OrbitがEthereum以外のチェーンを正式にサポートすることで、こうしたフレームワーク間の競争において優位性を持つことができるようになるかもしれません。

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注目の資金調達(7/29~8/4

※本まとめはGPT3.5によって自動生成されており、その内容の正確性を保証するものではありません。事例の概要を網羅的に把握するのにお役立てください。

BlonkFi
日付: 07月29日
調達額: —
ラウンド: Pre-Seed
投資家: UOB Ventureなど
カテゴリー: DeFi
プロジェクト概要: BlonkFiはSolanaブロックチェーン上で運営される画期的なマネーマーケットプロトコルであり、ユーザーはmemecoinsなどの変動性のある中規模の時価総額を担保にしてステーブルコインを借りることができます。このプロジェクトは、既存の課題に対処しながら、460億ドル以上の価値がある新興市場セグメントであるmemecoinsを中心とした繁栄する経済生態系を確立することを目指しています。安定した資産を担保にするための安全なプラットフォームを提供することで、BlonkFiはコア流動性インフラストラクチャーレイヤーとして機能し、高注目度で高変動性の資産に対する高度な組み合わせを促進します。この革新的なアプローチは、ユーザーに新たな機会を開拓するだけでなく、Solanaネットワーク上の分散型ファイナンスの広範な発展にも貢献します。

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担当:松嶋

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