#101:イーサリアム現物ETFが承認、全9銘柄の経費率は?

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注目トピックス解説

イーサリアム現物ETFが承認、全9銘柄の経費率は?

コメント:宮本

7月22日、米国でイーサリアムEthereum)現物ETFが承認されました。

このトピックでは、承認された全9銘柄についての手数料や、ビットコイン現物ETFとの相違点について解説したいと思います。

まずは手数料、すなわちETFにおける経費率についてみていきましょう。今回承認された9銘柄の経費率は以下の通りとなっています。

経費率は0.15%から2.50%の範囲にあり、多くのETFの経費率は0.2%前後に設定されていることがわかります。Grayscaleが運用しているETHEのみ突出して経費率が高くなっていますが、これは既存の非上場投資信託を現物ETFに転換したものであるためです。

1月に承認されたビットコイン現物ETFと同じく、イーサリアム現物ETFの経費率はかなり低い水準に設定されていることが特徴的です。

また、こちらもビットコイン現物ETFと同じく、多くのETFに一定条件下での手数料の免除が設定されています。たとえばBlackRockが運用するETHAの場合、発売から12か月が経過するか、AUM(Assets Under Management:運用資産残高)が25億ドルを超えるまでは経費率は0.12%に設定されていますが、いずれかの条件が満たされなくなった場合には経費率は通常の0.25%に戻ることがわかります。

一方で、ビットコイン現物ETFとは異なる点もいくつか存在します。

まず1点目は、Grayscaleが既存商品を転換した銘柄だけでなく、新規銘柄についても提供を開始しているということです。ビットコイン現物ETFでは、Grayscaleの既存商品から転換した銘柄であるGBTCの経費率の高さが目立ち、承認後にGBTCから資金が流出する動きが活発になりました。結果として、承認から現在までに約187億ドルもの資金が純流出することになりました。今回新規銘柄として経費率の低いETHを申請した背景には、流出先となるような経費率の低いETFを自ら提供することで、自社商品からの資金流出をできるだけ防ぎたいという思惑があると考えられます。

2点目は、ビットコイン現物ETFを提供する運用会社のうち、いくつかの運用会社はイーサリアム現物ETFの提供を行っていないということです。中でもARK Investは2023年9月にイーサリアム現物ETFの申請を行うなど、最初期から提供を検討していた運用会社でしたが、2024年6月にイーサリアム現物ETFから撤退したことが判明しています。撤退した理由として、経費率が低く、利益を得ることができていないためとする報道もあります。イーサリアム現物ETFについては、ビットコイン現物ETFと同じ水準の経費率となることが予想されており、さらに需要はビットコイン現物ETFと比較して少ないことも予想されていたため、大きな利益を得ることができないと判断したのではないかと推測されます。

その他の相違点として、イーサリアムはステーキングによりインカムゲインを得ることができるアセットであるということが挙げられます。ただし、米国証券取引委員会(SEC)の方針により、今回承認されたすべてのイーサリアム現物ETFはステーキングが行われないものとなっています。政治的要因などによりSECの方針が変わり、将来的にステーキングが行われるイーサリアム現物ETFが承認された場合には、大きく需要が増加する可能性があります。

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農業専門RWA電子市場Agridex、初の取引を実行

コメント:泉

農業専門RWA電子市場であるAgridexが、7月24日にソラナブロックチェーン上で初の農業取引を決済したと報道されました。この決済に基づき、200本超のオリーブオイルとワインが南アフリカから英国に輸送されています。

Agridexは、農業市場におけるデジタルトークン化された資産を取引するためのプラットフォームです。このプラットフォームは、農産物や農業関連の商品に関連するデジタルトークンを取引し、農業コミュニティや投資家に新たな機会を提供しています。農業市場におけるイノベーションとデジタル化を推進することで、農業関連の取引や投資を促進することを目的としています。

RWAのトークン化で享受できるメリットは、農業分野と非常に相性が良く、Agridexの利用が拡大することによって農業の業界全体に革新が起きる可能性があります。以下に、RWAのトークン化メリットが農業界に与えるポジティブな影響を述べます。

まず、農業サプライチェーン上での透明性が向上する点が挙げられます。

従来の農業のサプライチェーン上は重層的に非常に多くのプレイヤーがいます。そのため、各プレイヤーが持っている情報の偏りから取引コストが高まり、非効率的な運用や不正行為に繋がってきました。しかし、Agridexでは、世界中の農家とバイヤーの間で即座に決済することができます。また、関係者に請求する手数料も0.15%しかない為、余計なコストをかけずに取引することが可能となっています。

次に、農業に対する新しい投資機会を用意した点です。

農業投資を行おうと思うと、農業関連企業あるいは農業ファンドへ投資するか、先物取引を利用する以外には資金を投入する方法はありませんでした。しかし、農作物がトークン化され、流動性の高い資産となることで今まで入らなかった層の投資家からの資金が一定集まると考えられます。また、世界的な人口増により食料需要は高まり続ける為、農業はこれからの投資対象として有望であり、資金が必要な分野でもあります。その点でも農業にWeb3の側面から新たな投資機会が提供されたことは有意義です。

RWAのトークン化によって、その資産を広く色々な人にアクセスしやすい資産とすることができます。そして、閉じられた業界であればあるほどその恩恵は大きくなります。

その点、ここで紹介したAgridexをはじめ、世界的な問題でありながら閉じられた業界と見られがちな農業界に対してRWAのトークン化でチャレンジするプロジェクトからは目が離せないと言えるでしょう。

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注目の資金調達(7/22~7/28

※本まとめはGPT3.5によって自動生成されており、その内容の正確性を保証するものではありません。事例の概要を網羅的に把握するのにお役立てください。

Multipool
日付: 07月24日
調達額: —
ラウンド: Strategic
投資家: Kronos Researchなど
カテゴリー: DeFi
プロジェクト概要: マルチプールは、DeFi取引を革新する革新的な分散型プロトコルです。トレーダーを高度な機能と使いやすいインターフェースで強化することを重視し、DeFiの新たな基準を設定することを目指しています。プラットフォームは分散化とセキュリティを優先し、ユーザーに高い信頼性と透明性を提供しています。最新技術とシームレスな取引体験を提供することで、マルチプールはトレーダーがDeFi市場と関わる方法を変える準備が整っています。

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担当:松嶋

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