今週も暗号資産アナリストの松嶋がビットコイン相場の動向を分析します。
- ビットコインは、米国の利下げ観測が後退する中で米国株に先行して売られる展開となったが、BTC=1,027万円(65,000ドル)付近では底堅く推移した。
- 来週のビットコインはさらなる下落リスクは残るが、イーサリアムの現物ETFへの期待が相場全体を支えるか。直近、上値としてBTC=1,106万円(70,000ドル)、下値としてはBTC=1,027万円(65,000ドル)、この水準を割り込んだ場合はBTC=948万円(60,000ドル)を意識する。
今週の相場動向
相場回顧 BTC:米国株に先行して売られるも底堅い
ビットコインは、米国の利下げ観測が後退する中で米国株に先行して売られる展開となったが、BTC=1,027万円(65,000ドル)付近では底堅く推移した。
DMM Bitcoinが顧客補償用のビットコインの調達完了を報告したことや、マイクロストラテジー【MSTR】がビットコイン購入のための資金調達額を引き上げたことなど、ポジティブな動きも見られる中で買戻しが強まった。しかし、米国では4営業日連続で現物ETFからの資金流出が相次ぎ、18日にはBTC=1,011万円(64,000ドル)付近まで価格を下げた。その後、米SECがイーサリアムの証券性に関する調査を中止したことが伝わり、イーサリアムは現物ETFの承認期待が高まって急上昇した。これを受けてビットコインも連れ高し、さらにはオーストラリアで初めて現物ETFが上場したことも好感され、BTC=1,027万円(65,000ドル)台を回復した。
今週のトピックス
金融市場
暗号資産市場
- DMMビットコイン、顧客補償用ビットコインを調達完了
- トンコイン(TON)が過去最高値を更新 テレグラム・エコシステムでの成長が後押し
- マイクロストラテジー、ビットコイン買い増しの資金調達額を引き上げ
- コインチェックIEO「ブリリアンクリプト(BRIL)」が上場 寄り直後の最高値は公募価格4.6倍の99.6円に
- ブルームバーグETFアナリスト「イーサリアム現物ETFは最短で7月2日に承認される可能性」
- 米バイデン陣営、7月初旬のビットコイン・ブロックチェーン戦略会議に出席予定か
- ベネズエラのマドゥロ政権、制裁逃れで暗号資産使用も-専門家ら警告
- 米上場のビットコイン採掘企業、合計時価総額が最高値更新=JPモルガン
- コインベース、上場予定仮想通貨のプレマーケット取引をローンチ
- 米SEC、イーサリアムを有価証券とみなさず
- VanEckのビットコインETF、オーストラリアで上場
来週の相場予想
BTCはさらなる下落リスクは残るが、ETH現物ETFへの期待が相場全体を支えるか
米国では、S&Pとナスダックの史上最高値更新が続いており、特にエヌビディア【NVDA】の高騰が大きな注目を集めている。この勢いが継続する中でビットコイン、暗号資産の買いが戻ることは考えられる。一方、リスク度の観点から米国株の先行指標とも見られるビットコインが今週に下落していることを踏まえると、市場が徐々にリスクオフへ傾いている可能性もある。仮に米国株が下落した場合、さらにビットコインの売りが強まるリスクには注意したい。
一方、米国でイーサリアム現物ETFのS-1フォームの承認期待が高まっており、一部のアナリストの中には7月初旬の取引開始を予想する声もある。こうした予想よりも早く、当局からの承認が発表された場合は、相場全体を再び押し上げる材料になるだろう。また、香港と英国に続いて豪州においてもビットコインの現物ETFが上場し、米国外での新しい投資家の参入が期待される。
直近、上値としてBTC=1,106万円(70,000ドル)、下値としてはBTC=1,027万円(65,000ドル)、この水準を割り込んだ場合はBTC=948万円(60,000ドル)を意識する。
来週のトピックス:暗号資産市場に影響しうる指標をピックアップ
経済イベント・指標
- 米国、1-3月期四半期実質国内GDP<確定値>(6/27)
- 米国、5月個人消費支出(6/28)
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