#90: 4度目となるビットコイン半減期が到来~前後の動きを振り返る

今週もマネックスクリプトバンクから、Web3.0界隈の動きをお伝えします。

ニュースレターを無料購読していただくと、毎週月曜日の17:00に最新のニュースレターをお届けいたします。

注目トピックス解説

4度目となるビットコイン半減期が到来~前後の動きを振り返る

コメント:中坪

4/20(土)にビットコインの4度目の半減期を迎えました。今回はビットコインの半減期とは何かを振り返りつつ、半減期後の相場の動きやビットコインETFの状況などを見ていきます。

そもそも半減期とは、ビットコインのマイニング報酬が半分になることです。ビットコインの歴史上これまで3回の半減期がありました。当初のマイニング報酬は50BTCでしたが、3回の半減期を経て、さらに今回の4回目の半減期で3.125BTCとなりました。当初と比べると、マイニング報酬は10分の1以下になってしまいました。しかし、ビットコイン黎明期の2009年ごろは1BTCが0.06ドル程度だったことを考えると、4月22日現在のレートである1BTC約65500ドルで計算すればドル建てで報酬は約6万8千倍となっており、実質的には報酬は増えてきたと考えることができるでしょう。また出来高ベースで見ても、少なくとも1000倍になっており、収益機会も増加してきました。

とは言っても、組織的にマイニングを行う企業等の存在が増加し、個人のマイニング機会は減少しました。また、世界的な半導体不足、電力の莫大な消費量、生成AIの登場などの要因から、マイニングのコストは年々増加しており、環境面からも問題視されるようになりました。例えば、イーサリアムはマイニングを必要とするコンセンサスアルゴリズムのPoWからマイニングに代わってステーキングを行うPoSに移行するなど、現在ではマイニング以外の方法でブロックを検証するブロックチェーンもたくさん登場しています。

それではこの一週間のビットコインのチャートを見てみましょう。半減期三日前の17日には大きく売りが出て、価格は60000ドル台近くまで下がりました。しかし、その二日後、半減期前日の19日には再び買いが入り、65000ドル付近まで戻しました。半減期当日にかけては価格がやや下落しましたが、二日経った22日には一週間前よりやや高い水準で推移しています。

ではビットコインの現物ETFにはどのような影響が出ているのでしょうか。ブルームバーグのシニアETFアナリスト、エリック・バルチュナス氏のX上での投稿によれば、4/20の半減期の前日には最大のビットコインETFであるブラックロックのIBITが69日連続で資金流入の超過を記録しました。流出超過が続いているグレースケールのGBTCもこの日は小幅な流出にとどまりました。同氏が引用しているFarside Investorが公開している現物ETFの各銘柄のフローテーブル(上図)をみてみても、ETF全体では流出超過が続いていた中で、19日は久しぶりに流入が流出を上回りました。

今後の展開ですが、米大手暗号資産取引所のコインベースや米投資銀行のゴールドマンサックスのレポートでは、今後のデジタル資産市場はマクロ要因によって方向づけられるとしています。例えば、地政学リスクや長期金利の動向などです。実際に、ビットコインの価格はイスラエルのイラン攻撃報道を受けて一時6万ドルを割るなど、マクロ動向に大きく影響を受けています。これは今後ビットコインや暗号資産独自のファンダメンタルだけではなく、経済や社会全体の影響を一層考慮する必要があることを意味しています。裏を返せば、それだけビットコインが金融資産としてそのポジションを認められるようになってきたということでしょう。2140年にはマイニング報酬がゼロになります。それまでにビットコインの社会的な立ち位置はどう変遷していくのは非常に楽しみです。

日本郵政グループが始めるNFTアートの販売と地域への愛着強化

コメント:勝山

日本郵政株式会社は山形県山辺町の協力のもと地域の特産品をモチーフとしたNFTアートの販売を2024年4月16日から開始しました。NFTの発行プラットフォームは日本ブロックチェーン基盤株式会社が手掛けるパブリックチェーン「Japan Open Chain(以下、JOC)」を利用しています。

日本郵政グループは、郵便局のリアルネットワークとデジタル技術を組み合わせて顧客体験価値を高める「みらいの郵便局」の実現をテーマに、これまでセルフレジやデジタル発券機の導入など様々な実証実験に取り組んでいます。同グループはNFTについても2022年以降、切手原画のNFTを試験的に販売するなど研究を進めています。

今回のプロジェクトはこれらの取り組みの一環でスタートしています。具体的には、町制施行70周年を迎える山形県山辺町に関するPR動画を同町内の郵便局および東京中央郵便局で放映し、同町の特産品であるかき氷とニット製品をモチーフとしたNFTアートを各500枚限定(一枚税込500円)でオンライン上の「日本郵政NFTマーケットプレイス」で販売します。販売益の一部は山形県山辺町の発展のために活用され、購入者に対しては同町に訪問時の特典が付与される予定です。

日本郵政グループが、これまで利用してきた楽天NFTマーケットプレイスではなく、JOCをプラットフォームとして選定したのは公共性を保つためでしょう。楽天はプライベートチェーンを採用しているのに対し、JOCはパブリックチェーンを採用しています。今回のNFTも当初はクローズドな形で販売されますが、今後は二次流通市場におけるNFTの交換やEthereumメインネットへの移転を可能にする計画を立てています。

日本郵政グループが始めたNFTアートの販売の他にも、デジタル住民票やふるさと納税の返礼品提供、農産物支援など地域活性化にNFTを活用する方法は多岐にわたります。これらの活動はNFTなど先端技術を用いて地域外の人間も含めた活気あるコミュニティを築くことが主眼に置かれており、その結果、リアルおよびデジタル空間を通じて地域への繋がりと愛着が強まるという好循環が期待されています。

このような地方創生におけるNFT活用は、まだ検証段階ではありますが、日本郵政グループも注目する領域として地域の持続可能な発展のために検討が続いていくでしょう。

注目の資金調達(4/15~4/21

※本まとめはGPT3.5によって自動生成されており、その内容の正確性を保証するものではありません。事例の概要を網羅的に把握するのにお役立てください。

Inference Labs

日付: 04月15日
調達額: $2.30M
ラウンド: Pre-Seed
投資家: Delphi Venturesなど
カテゴリー: Infrastructure
プロジェクト概要: Inference Labsは、AIとWeb3技術を融合させる最先端に位置し、Web3環境向けに特化したインフラストラクチャや製品の開発をリードしています。会社の主な焦点は、ブロックチェーン上でAI推論がシームレスに相互作用することを可能にすることにあり、分散型ネットワーク内で人工知能の能力を進化させることにコミットしています。AIとWeb3技術の統合を促進するツールやソリューションの開発に特化することで、Inference Labsは、人工知能とブロックチェーン技術の交差点で革新を推進し、新たな可能性を開拓する準備が整っています。

RWA Inc.

日付: 04月15日
調達額: $1.18M
ラウンド: Undisclosed
投資家: Castrum Capitalなど
カテゴリー: Others
プロジェクト概要: RWAは、現実世界の資産をブロックチェーン資産に変換するために設計されたトークン化されたエコシステムです。直感的なインターフェースとスマートコントラクトの自動化を統合することで、プラットフォームはプロセスを簡素化し、より広い層にアクセス可能にすることを目指しています。RWAの革新的なアプローチは、参入障壁を下げるだけでなく、資産トークン化に関連する技術的複雑さも軽減します。このエコシステムを通じて、個人は簡単に現実世界のアイテムをトークン化し、流動性とアクセシビリティを向上させる可能性を引き出すことができます。RWAのユーザーフレンドリーなプラットフォームは、ブロックチェーン技術を活用するユーザーにとってシームレスな体験を提供するために資産トークン化プロセスを効率化しています。

Avalon

日付: 04月15日
調達額: $10.00M
ラウンド: Undisclosed
投資家: BITKRAFT Venturesなど
カテゴリー: Others
プロジェクト概要: AVALON Corp.は革新的なプラットフォームとツールを使用して、ゲームと仮想体験の開発の風景を変える最前線にあります。伝統的なアプローチとは異なり、AVALONの手法はゲーム制作の芸術と技術に深く根ざしています。会社の理念である「人を育て、ゲームを作る」は、チームメンバーを最優先にする国際的な完全リモート組織としての運営を推進しています。AVALONは、才能あるベテランクリエイターを引き付け、雇用し、育成することにコミットしており、彼らが情熱と専門知識を解放し、ゲームの未来を形作ることを可能にしています。人を最優先にしたアプローチを通じて、AVALONは創造性が育まれる協力的でインスピレーションを受ける環境を育むことで、業界を革新することを目指しています。

ニュースレターを無料購読していただくと、続きをお読みいただけます。

マネックスクリプトバンクでは国内外のweb3関連スタートアップへの出資およびグループ会社を含めた事業連携などを検討しています。ぜひ相談したいという方は下記アドレスまでご連絡ください。

担当:松嶋

MCB RESEARCHレポート

最新レポート(無料)

Web3とメタバースが実現する未来型キャラクター葬儀事業の可能性

暗号資産インデックスのパフォーマンスを検証―株式以上に投資効率が良い可能性を示す

過去レポート(有料)

販売サイトはこちら

レポート例

  • GameFiとはなにか――DeFiの重要性と課題、CEXの役割
  • VR普及はいつ頃達成されるのか?―現状の問題点と関連技術を探る
  • メタバースのデジタルLANDを開発する方法ーDecentraland開発
  • ブロックチェーンゲームのビジネスモデルと収益推定
  • PAVA指標のレイヤー1トークンへの適用可能性の検討
  • 金融バブルを検知するLPPLSモデルの暗号資産への応用
  • MCBクリプト格付けー30種類の暗号資産を7つの項目別に相対評価
  • オラクルサービスChainlinkを活用したダイナミックNFTの基礎開発ガイド
  • NFTのマクロ分析ー価格の復活が見込まれるコレクションの選定基準を検証

マネックスクリプトバンクではインターン採用を募集中!

Comments are closed.