#89:ワールドコイン、アプリ登録ユーザーが1000万人到達

今週もマネックスクリプトバンクから、Web3.0界隈の動きをお伝えします。

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注目トピックス解説

Coinbaseがカナダにおいて暗号資産取引所の登録を受ける

コメント:泉

Coinbaseは4月3日にカナダにおいて暗号資産取引所としての登録を受けました。同社は昨年にフランス、スペイン、シンガポール、イタリア、アイルランド、オランダでもライセンスを取得し、各国の規制に準拠することでグローバルに事業を拡大しています。

CoinbaseがAngus Reidと共同で実施した新しい調査によると、カナダ人の72%が暗号資産取引所の規制は重要だと考えており、3分の1近くのカナダ人(29%)は業界規制が整備されることで暗号資産を購入する傾向が強まると答えています。

こうした調査もあり、Coinbaseはカナダが世界で3番目に暗号資産を意識している国であると評価しており、暗号資産市場をリードする可能性を秘めた熱心な技術エコシステムを誇っていると考えています。

実際にCoinbaseにとってカナダは米国外の最大規模の技術拠点であり、現地には200人を超えるフルタイムワーカーがいます。彼らによってカナダ人に合わせた製品開発を進めており、今回政府から登録を受けたことはカナダ進出をさらに助ける結果に繋がります。

また、Coinbase Venturesを通じて、カナダのスタートアップへの投資も進めています。カナダの著名なポートフォリオには、Dapper Labs、Minerva AI、Axelar、Horizon Blockchain Games、Zapperなどがあります。カナダで暗号資産取引所の登録を受けたことにより、さらにカナダ国内での影響力を持ち、投資規模を拡大する可能性があります。

カナダは世界で初めてビットコインの現物ETFを上場したことでも知られています。世界最大規模の暗号資産取引所であるCoinbaseの本格参入によって、カナダ発の有望な暗号資産関連スタートアップも成長し、今後また業界で注目される国の一つになるかもしれません。

ワールドコイン、アプリ登録ユーザーが1000万人到達

コメント:青木

仮想通貨プロジェクト「ワールドコイン」のアプリ登録ユーザーが1000万人を突破しました。

ワールドコインは、「ChatGPT」を運営するOpen AIのサム・アルトマン氏が共同創業したプロジェクトとして広く知られており、2023年6月のサービス開始から1年未満での1000万人到達となりました。現在では160カ国以上のユーザーを誇っており、7,000万件以上のウォレット取引を処理し、200万人のデイリーアクティブユーザーが存在しています。

またワールドコインのアプリを使用するためにはOrbと呼ばれる認証機械で虹彩データを登録する必要があり、その数も世界の主要地域で増加傾向にあります。日本でも東京や愛知、大阪、福岡など主要都市の約20ヶ所に存在しており、日本でのワールドコインの注目度も徐々に高まってきているといえるでしょう。

なぜワールドコインは短期間でこれほど多くのユーザーを惹きつけているのか、今後の利用者拡大に対してどのような障壁があるのか見ていきましょう。

ワールドコインは富の再分配を助長するものとして注目を集めています。登録者は生体認証データに紐づく個人IDを付与され、登録後には独自通貨Worldcoin(WLD)を少額ずつ永久に受け取ることができます。AI産業で稼いだ収益をベーシック・インカムのような形でユーザーに分配することを目指しており、具体的には初回登録時に74WLD、その後2週間に1回、3WLDをアプリの登録者に分配しています。現在、1WDLは約750円であるため、2週間に1度2000円以上を手にすることができる計算となります。

ワールドコインの分配金は、日本人にとっては少額に思えるかもしれませんが、新興国で暮らす人々にとっては大きな生活資金になります。そのためアフリカや南米、東南アジアなど途上国地域で爆発的な人気を集めており、彼らの需要がアプリ登録ユーザーの急拡大に寄与していると推察されます。

一方で、ワールドコインは個人情報の収集について各国当局から取り締まり強化を受けており、さらなる成長の障壁となっています。ケニア、スペイン、ポルトガルなどでは個人情報の漏洩の恐れがあるとして利用が制限されているとともに、香港や韓国などでは2024年2月に、個人情報の収集・処理方法についての調査の着手が始まっています。

この安全性の懸念に対してワールドコインは、生体認証データをユーザー個人のデバイス(主にスマートフォン)で安全に保管する「パーソナル・カストディ」と呼ばれる機能を実装する予定です。この機能は昨年12月に発表された「World ID 2.0」計画に含まれています。他にも虹彩データなしでのユーザー登録やゼロ知識証明の活用などでプライバシーを強化する計画です。

ワールドコインは、途上国の貧困層を対象にした営業活動において、不適切なマーケティングや現金、物品の配布などを行っていることも指摘されています。実際に恒久的にWLDの配布を行い続けることができれば富の再分配に直結するものの、運営元の経営悪化や情勢の変化によって利用者の経済状況に悪影響を及ぼすリスクも否定できません。

このようにワールドコインは富の再分配を謡って世界中から多くのユーザーを集めていますが、過剰かつ乱暴な個人情報の収集が問題視されています。OpenAI本体も同様にプライバシー保護について様々な指摘を受けており、今後の利用者拡大に向けてはAIにおける個人情報の活用をどのように捉えるかという問題と密接に関わることになりそうです。

注目の資金調達(4/8~4/14

※本まとめはGPT3.5によって自動生成されており、その内容の正確性を保証するものではありません。事例の概要を網羅的に把握するのにお役立てください。

Today

日付: 04月08日
調達額: $5.00M
ラウンド: Seed
投資家: Sfermionなど
カテゴリー: Others
プロジェクト概要: 2022年に設立されたTodayは、日常のタスクや活動にアプローチを革新することを目指しています。生産性、効率、総合的な幸福を向上させる革新的なソリューションを提供することが使命です。最新技術とユーザーセントリックなデザインを通じて、複雑なプロセスを簡素化し、個々の人々が毎日を最大限に活用できるよう支援します。Todayはシンプルさの力を信じ、ワークフローを合理化し、不要な障壁を取り除くツールを作成することに努めています。ユーザーエクスペリエンスに焦点を当て、革新に情熱を持つTodayは、生産性と時間管理の世界に大きな影響を与える準備が整っています。私たちと一緒に、生活、仕事、遊び方を再定義するこのエキサイティングな旅に参加してください。

Lumoz(Opside)

日付: 04月08日
調達額: $6.00M
ラウンド: Pre-Series A
投資家: OKXなど
カテゴリー: Infrastructure
プロジェクト概要: 2022年3月に設立されたLumozは、ブロックチェーンのスケーリングインフラに特化した香港を拠点とする企業です。同社はzk-rollup as a service(ZK-RaaS)として知られるユニークなサービスを提供し、開発者が最小限の努力でアプリケーション固有のzk-rollupsを簡単に展開できるようにしています。Lumozは、ZK-RaaSサービスをProof of Work(PoW)ネットワークと組み合わせた分散型プラットフォームとして運営し、Zero-Knowledge Proof(ZKP)マイニング活動をサポートしています。zk-rollupの展開をシームレスに行い、ZKPマイニングを促進することで、Lumozはブロックチェーンアプリケーションの開発プロセスを効率化し、分散型ネットワークの拡張性とセキュリティを向上させることを目指しています。ブロックチェーンインフラへの革新的なアプローチにより、Lumozは開発者とユーザーの両方を力強く支援し、ブロックチェーン業界に大きな影響を与えることが期待されています。

Cove(Storm Labs)

日付: 04月10日
調達額: $3.00M
ラウンド: Pre-Seed
投資家: Electric Capitalなど
カテゴリー: DeFi
プロジェクト概要: Coveは、現在の自動マーケットメーカー(AMM)の制約に対処するために設計された先駆的なオンチェーンポートフォリオマネージャーです。ポートフォリオ管理に関連する複雑さなしに、ユーザーに最適なリターンを提供します。CoveはYearnエコシステムに複雑に統合されており、Gauntletの最適化機能を活用して効率的に調整されています。Coveを利用することで、投資家はDeFiスペース内でのリターン最大化においてシームレスで手間のかからない体験を得ることができます。この革新的なプラットフォームは、DeFiセクターでの重要な進歩を表し、投資戦略を向上させる個人にとってユーザーフレンドリーなソリューションを提供します。

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担当:松嶋

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