#86:アルゼンチンにおけるデジタル通貨の躍進: 経済不安を超えた新たな希望

今週もマネックスクリプトバンクから、Web3.0界隈の動きをお伝えします。

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注目トピックス解説

アルゼンチンにおけるデジタル通貨の躍進: 経済不安を超えた新たな希望

コメント:勝山

アルゼンチンが経済的不安定性と自国通貨の価値下落に直面している中、デジタル通貨への顕著なシフトが注目を集めています。特に、ビットコインへの需要が急増しており、国民は自らの財産を保護するために新たな手段を模索しています。直近でレモンキャッシュをはじめとする暗号資産取引所でのビットコインの購入者数が前年週平均の2倍に達した事実は、この傾向を如実に示しています。

また、ビットコインだけでなく、デジタルドルでの貯蓄を求めてステーブルコインへの関心も高まっています。USDTなどを「クリプト・ケーブ」と呼ばれるブラックマーケットで購入する動きがあり、この現象は厳格な通貨管理とインフレーションからの逃避手段として暗号資産が利用されていることを浮き彫りにしています。

このような自国通貨からの逃避が著しい状況で、アルゼンチン新大統領に就任したハビエル・ミレイ政権は、2023年12月20日に経済再建に向けた政令を発表しました。その中で、特定の条件下でデジタル通貨の使用を許可する政策を打ち出し、外交・国際通商大臣ダイアナ・モディーノ氏が「アルゼンチンではビットコインや暗号資産での決済が可能である」とSNSでお墨付きを与えました。デジタル通貨の採用は、深刻な経済問題に直面しているアルゼンチンの抜本的な再構築に向けた政策の一つとして注力される可能性があります。

アルゼンチンだけでなく、世界中の新興国でも似たような動きが見られます。例えば、パキスタンでは、政府が暗号資産の合法化を否定したものの、市民は法定通貨の価値低下を恐れ、給与の一部をステーブルコインに替えていると伝えられています。この背景には、マネーロンダリング防止を目的とした国際基準機関FATFとの緊張関係や、国際通貨基金(IMF)との難航する救済交渉などがあります。パキスタンルピーの価値は大幅に下落している一方で、ビットコイン価格は急騰しており、 Chainalysisが調査した暗号資産の普及度でパキスタンが世界8位に位置していることは偶然ではありません。

その他にもウクライナ、レバノンなど多くの新興国の市民が、自国通貨のボラティリティや価値の低下に対するヘッジとしてビットコインに頼っています。これらの事例からは、暗号資産の目的が単なる投機を超え、新興国を中心に金融の自由を求める市民の間で価値を見出されていることが明らかです。これらの国々では、規制当局の越権行為に対する警戒感が強く、分散型という暗号資産の本質がより理解されやすい環境があります。

アルゼンチンやパキスタン、その他多くの新興国で見られるデジタル通貨へのシフトは、グローバルな金融システムにおける重要な変化の一部です。将来的には、これらの動きが世界の金融システムにどのように統合され、どのような影響を与えるかが注目されます。新興国の市民と政府は、暗号資産がもたらす機会を最大限に活用し、同時にそれに伴うリスクを管理する方法を模索していく必要があります。

日本のクリエイターエコノミーの進展は?~KPMGの資料からみる2024年の展望

コメント:中坪

クリプトの春がやってきた今、改めて注目すべき資料として、経済産業省の委託を受けてKPMGコンサルティングが実施し昨年3月にリリースされた「Web3.0時代におけるクリエイターエコノミーの創出に係る調査事業」の報告書があります。80ページにわたり、web3・メタバース時代のクリエイターエコノミーに関する現状や課題、海外の事例をまとめた資料となっており、これからweb3にまつわる事業をやりたいと考える人、特にIPなどを活用することを検討している人には必読の資料となっています。この資料の中でも「クリエイターエコノミーの創出に向けた課題」と言う部分は、言い換えるとこの部分をクリアしなければわざわざweb3でやる必要がないことを示すポイントであり、今年も引き続きweb3事業を行う上での焦点となってくるでしょう。今回はこれらの課題における昨年と比較した際のポイントを簡単に2つご紹介したいと思います。

まず、政治的要因です。権利保護がキーワードになってきますが、この部分では大きな変化はなかったように思われます。昨年は日本でG7が開催されました。 デジタル大臣会合ではweb3・メタバース両方について言及があった一方、広島での首脳宣言ではメタバースという言葉が使われましたがweb3には直接的に触れられていませんでした。国際的な取り組みは遅々として進んでいないのが現状です。その中、日本ではIP活用がこれからの成長戦略の一つとして有力視されており、他国に先駆けた法整備はweb3上のクリエイターエコノミー形成で先を行くために必須のことのように思われます。

次に専用デバイスです。メタバースに入り込むためのインターフェースとなる点で、やはりこれはメタバースへの参加者を増やすには避けては通れないポイントでしょう。上に挙げられた課題のうち、経済的要因、社会的要因、技術的要因の3つ項目で専用デバイスについて触れられています。VRヘッドセットのような専用デバイスはメタバースに没入するために必要なアイテムの一つである一方、長時間つけるには重すぎる重量やVR酔いなど様々な問題が指摘されています。

そんな中、今年は大きなニュースがありました。Appleが2月に発売したVision Proです。GAFAMではMetaが先んじてMeta Questを発売していましたが、Appleもついに参入するとあって業界は大いに湧き上がりました。筆者も発売直後の2月中旬に米国で体験してきましたが、あたかも目の前にMacbookのデスクトップが広がっているような感覚で操作ができる点や、頭の形や視線をチューニングすることでより繊細に操作を検出することができる点など、あっと驚くようなヘッドマウントディスプレイに仕上がっていました。スタンフォード大学で行われた 世界最大級のハッカソンでも発売直後にも関わらず多くのチームがVision Proを使ったサービスを開発していた模様で、米国でのVision Proへの期待感が非常に高まっていることがわかります。さらにショップの担当者によると現状は米国でのみ発売しているが、近いうち(おそらく年内)には米国以外の国、たとえば日本でも発売する予定があるとのことで、実際に最近日本発売の動きが見えてきているという報道も散見されます。

これほどの期待を集めるVision Proですが、現状の価格だと一台50万円近くするというMeta Questをはるかに上回る値段での提供のため、上述の課題も一つである価格という部分ではむしろハードルを上げてしまっています。また、米国と異なり、日本では東京以外のエリアで極端にApple Storeが少ないため、体験するための場所をどのように提供するのかというVR普及の面でも課題は解決できていません。Apple側がこの部分にどのような工夫をしてくるのかということには期待したいと思います。

注目の資金調達(3/18~3/24

※本まとめはGPT3.5によって自動生成されており、その内容の正確性を保証するものではありません。事例の概要を網羅的に把握するのにお役立てください。

AIL2

日付: 03月22日
調達額: —
ラウンド: Strategic
投資家: Waterdrip Capitalなど
カテゴリー: Infrastructure
プロジェクト概要: AINN Layer2(ANVM)プロジェクトは、AI駆動のモジュラー構築技術を活用した画期的なBitcoin Layer2ソリューションです。マイニングインセンティブを取り入れることで、プラットフォームはAIトレーニングのための共有コンピューティングパワーインフラを効率的に運用しています。この革新的なアプローチは、人工知能を統合することでブロックチェーン技術の可能性を最大限に引き出すことを目指しています。AINN Layer2(ANVM)は、ブロックチェーン技術と人工知能を組み合わせることで、Bitcoin取引の拡張性と効率性を向上させるだけでなく、分散型ファイナンスの領域で人工知能を活用する新たな可能性を開拓します。AINN Layer2(ANVM)は、ブロックチェーン技術と人工知能の間の隔たりを埋める重要な一歩であり、より連携し、知的な分散型エコシステムの道を開いています。

Rollie Finance

日付: 03月22日
調達額: —
ラウンド: Seed
投資家: Animoca Brandsなど
カテゴリー: DeFi
プロジェクト概要: ローリーファイナンスは、スクロールメインネット上で最も安全でコスト効率の高いプラットフォームの1つとして、先駆的なネイティブの永続的な分散型取引所(perp dex)として際立っています。最速の確定性を持つzkEVM EthereumスケーリングLayer 2ソリューションを活用することで、ユーザーに類まれなる利点を提供しています。低いガス料金、ハイパーキャピタル効率、透明性、そして最高水準のセキュリティ対策を含むこれらの利点があります。

R Games

日付: 03月22日
調達額: —
ラウンド: Strategic
投資家: FundLand Capitalなど
カテゴリー: NFTs
プロジェクト概要: R Gamesは、最も包括的なブロックチェーンベースのレーシングエコシステムを確立するためにさまざまなゲームモードを提供する専門プラットフォームです。プラットフォームは相互運用性を重視し、さまざまなブロックチェーンネットワーク間でのスムーズな統合を可能にします。ユーザー生成コンテンツと高度なAI機能を組み込むことで、プレイヤーはゲームプレイに参加し、同時に独自のゲームアセットを作成することができます。このカスタマイズされた体験は自動車ファン向けで、インタラクションと創造性の魅力的なミックスを提供します。

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担当:松嶋

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