Minimum Nakamoto Coefficientとは?
Minimum Nakamoto Coefficient(MNC)は、ブロックチェーンのネットワークをダウンさせるために必要なサブシステムの数の最小値と定義されます。サブシステムとは組織的に行動できる独立したエンティティ(バリデータまたノード群)を指します。
MNCはBalaji S. Srinivasan氏とLeland Lee氏によって最初に提案されました。分散化を図る指標として活用することができます。MNCの値が大きいほどシステム全体は分散化していて、逆にMNCの値が小さいほど集中化していると考えられます。
分散化の定義を考えるにあたって、ビットコインを例にとって分散システムとサブシステムの考え方を紹介します。ビットコインという分散システムは、図1のように分散化に重要な6つのサブシステムによって構成されていると考えられます。ここで重要なのは、それぞれのサブシステムのうちどれか一つでも分散化されていない部分があれば、分散化において致命的な影響を与えやすくなることです。
図1 出典:news.earn.com
注: システム全体の分散化にどのサブシステムが不可欠であると考えるかに基づいて、異なるサブシステムを使用することを決定できます。
PoSネットワークにおけるMNCは、ネットワーク上の全てのステークの3分の1以上を制御するノードオペレータの数と定義されます。例えば、特定のネットワークのMNCが「5」の場合、そのネットワーク上のステークの 3 分の 1 以上が5人のノードオペレーターによって管理されていることを意味します。
図2を見ると、MinaやPolkadotがダントツでMNCの数値が大きく分散化されていることがわかります。逆にEthereumは数値が2とかなり小さい値となっています。これは、Lidoなどリキットステーキングプロトコル(LSP)への集中により、単一のエンティティにノードオペレーターが集中していることが原因だと思われます。
図2 出典:nakaflow.io
PoS系の場合、LSPなど特定の分散型金融(DeFi)サービスに資産が集中することで、ノードオペレーターも集中していく傾向があります。そのためDeFiの拡大の裏でネットワークの集中化が進んでいないかについても、MNCの値を見ながら注目する必要があります。
参考文献
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