#69:MetaMaskが詐欺やハッキングを防ぐセキュリティアラートを実装

今週もマネックスクリプトバンクから、Web3.0界隈の動きをお伝えします。

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注目トピックス解説

MetaMaskが詐欺やハッキングを防ぐセキュリティアラートを実装

コメント:宮本

ConsenSys社は10月31日、Web3セキュリティプロバイダーのBlockaid社と提携してMetaMaskにセキュリティアラートを実装することを発表しました。

セキュリティアラートは、トランザクションの署名リクエストがあった際に、ユーザーに対して悪意のあるトランザクションかどうか判別し、悪意のあるものについては警告を表示するような機能です。これにより、詐欺やハッキングなどに用いられるトランザクションに署名してしまうことを防止する効果が期待されます。

セキュリティアラートは10月31日からデスクトップ拡張機能版のMetaMaskには導入されており、11.4.0以降のバージョンであれば設定の試験運用タブから有効にすることができます。また、11月後半までにはモバイルアプリ版のMetaMaskにも導入されることや、2024年3月までにはすべてのMetaMaskにおいてデフォルトで有効とする予定であることも明記されています。

セキュリティアラートを有効にする際の注意点として、試験運用タブには2つのセキュリティアラートが表示されているということが挙げられます。今回リリースされた方は「Blockaid」で、「OpenSea + Blockaid」は今年4月にリリースされたベータ版になります。これら2つにはどのような違いがあるのでしょうか。

今年4月にリリースされたベータ版セキュリティアラートは、BlockaidとMetaMaskに加えてOpenSeaと提携したものになります。悪意のあるトランザクションに対して警告を表示するという基本的な機能については同じですが、重要な違いとしてサードパーティ(OpenSea)にデータが共有されてしまうということが挙げられます。ベータ版セキュリティアラートの利用規約を見てみると、トランザクションが開始されるWebサイトのURLやトランザクションの種類、ウォレットアドレスや暗号資産の金額などがOpenSeaに共有されることが明記されています。

一方で、今回リリースされたセキュリティアラートはOpenSeaなどのサードパーティにデータが共有されることはありません。内部的には「Privacy Preserving Offline Module(PPOM)」という独自の技術が使用されており、オフラインでトランザクションに関するシミュレーションを行うことで、サードパーティにデータを共有することなく悪意のあるトランザクションかどうか判別できると説明されています。

プライバシーを犠牲にすることなく、ユーザーの安全性を確保する機能が追加されたことは歓迎できそうです。MetaMaskなどのセルフカストディウォレットを利用する際には、詐欺やハッキングなどの被害を受けないように自己防衛する必要があります。一方で、このような特性はセルフカストディウォレットの普及を遠ざけている要因にもなっています。今回のようなセキュリティアラートは、今後MetaMask以外のセルフカストディウォレットにも必要とされる機能になるかもしれません。

Defi業界のバンガード“Overinight”とは?

コメント:中坪

今週はDefi上で投資信託に類するサービスを提供するOvernightをご紹介します。Overnightは主にステーブルコイン投資を行いたい保守的な投資家向けに作られた運用代行サービスです。例えば米ドルとペッグしたステーブルコイン「USDC」を預けると、USD+というUSDCと1:1でペッグされたトークンが発行され、資産を預入れたユーザーに提供されます。Overnightは預入資産を別のDefiで運用し、その利回りを還元する仕組みになっています。従来型の金融市場で言えばマネーマーケットファンドに相当するDefiとなっており、短期的な金融市場での取引を通じて高い流動性と日次での利回りの還元を実施しているところが特徴となっています。

またDefi上での分散ポートフォリオを構築することで、リスクを抑えて安定的な利回りを確保していることも特徴です。Defiはハイリスク・ハイリターンであることが特徴の一つでしたが、先述の通り、Overnightはステーブルコインを保有し、それを運用したいと考えるような暗号資産保有者の中でも保守的な層をターゲットとしており、その対象にマッチするようなパッシブな運用商品を提供することで他のDefiと差別化を図っています。まさに、Defi界のバンガードともいうべき存在でしょう。

これまではUSDC、DAI、USDTなどのステーブルコインを中心としたサービスを提供してきましたが、先月にはイーサリアムへの対応を開始し、仕組みはステーブルコインと同じまま、イーサリアムの運用を行うことができるようになりました。2023年11月6日現在、利回りは5~12%程度となっており、米ドル金利よりも高い利回りで運用を行うことができます。

来年一月から新NISAが始まることに合わせ、投資信託への注目度も高まっています。パッシブ型の投資信託であれば個別株を自分で選定しなくても、S&P500などのベンチマークに合わせてお任せで分散投資できることが特徴です。このようなメリットはDefiでも非常に重要だと考えられます。Defiは情報収集が難しく、投機性が高いことも相まってリスクが非常に高い商品が多いのが現状です。当然、リターンも高いのですが、リスク管理を行えるリテラシーのある人はそう多くありません。しかし、Overnightような投資信託に類するサービスを使えば、ストラテジーに沿ってDefi上で分散投資を行なってくれます。

今後、日本でもセキュリティトークン等の購入において利用されるステーブルコインのホルダーは増加すると見られますが、それを現金としてウォレットに眠らせておくだけでなく、このような保守的なDefiに預け入れるというのも今後有力な選択肢となっていくかもしれません。

注目の資金調達(10/30~11/5

※本まとめはGPT3.5によって自動生成されており、その内容の正確性を保証するものではありません。事例の概要を網羅的に把握するのにお役立てください。

Anapaya Systems

日付: 10月30日
調達額: $1.90M
ラウンド: Undisclosed
投資家: –など
カテゴリー: Web3
プロジェクト概要: アナパヤシステムは、プライベートネットワークの堅牢性とインターネットの適応性を組み合わせたユニークなソリューションを提供しています。革新的なSCIONインターネットにより、データの安全性を確保しながら、グローバルネットワークにシームレスに接続し、潜在的なリスクや障害を排除します。SCIONは信頼性の高い中断のない接続を提供し、情報のセキュリティを保証します。さらに、アナパヤのSCIONテクノロジーは、ブロックチェーンシステムをサポートするための強力で非常に信頼性の高いインフラとして機能します。SCIONを活用することで、ブロックチェーンプラットフォームは、操作の完全性と安定性を保証する堅牢な基盤を活用することができます。アナパヤシステムのプライベートネットワークのセキュリティとインターネットの柔軟性をSCIONを通じて統合することで、デジタルワールドへの安全で信頼性の高い接続を求める組織にとって、最先端のソリューションを提供します。

Vaas

日付: 10月31日
調達額: $2.00M
ラウンド: Pre-Seed
投資家: ABSeedなど
カテゴリー: Others
プロジェクト概要: VAASは、ブラジルのRegTech SAAS企業であり、銀行やDeFiプラットフォームを含む金融機関を規制リスクや高リスク取引から保護することに特化しています。包括的な保護を提供することを重視しているVAASは、これらの機関が直面する潜在的な脅威を軽減するための革新的なソリューションを提供しています。先進技術と専門知識を活用することで、VAASは金融機関が規制要件に準拠し、高リスク取引を効果的に特定・対処できるようにします。本社をブラジルに置くことで、VAASは現地の金融業界の特定のニーズに対応する戦略的な位置にあります。VAASと提携することで、金融機関はリスク管理能力を向上させ、規制コンプライアンスのフレームワークを強化し、潜在的な脅威から業務を保護することができます。

iQ3Connect

日付: 10月31日
調達額: —
ラウンド: Seed
投資家: NOVA Prime Venturesなど
カテゴリー: Others
プロジェクト概要: iQ3Connectは、仮想現実(VR)、拡張現実(AR)、パーソナルコンピュータ(PC)、モバイルデバイスなどのさまざまなデバイスで、魅力的でインタラクティブな3Dコンテンツを使用して、個人、チーム、企業が生成、実装、共同作業、教育を行うことができるウェブベースのプラットフォームを提供しています。iQ3Connectの主な目的は、没入型3D技術の使用を革新し、企業にとって広く利用可能で効果的なコミュニケーションツールにすることです。iQ3Connectを採用することで、組織は業務を効率化し、時間の消費を最小限に抑え、コストを削減し、持続可能なプラクティスを確立することができます。プラットフォームの多様性により、ユーザーはさまざまなメディアで3Dコンテンツの力を活用し、シームレスな共同作業と知識共有を促進することができます。iQ3Connectを使用することで、企業は没入型技術の潜在能力を活用し、コミュニケーション戦略を強化し、長期的な成功を達成することができます。

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担当:松嶋

 

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