Net Transfer Volume from/to Exchangeとは
Net Transfer Volume from/to Exchangeは、Exchange Inflow Volume(EIV:取引所アドレスに入金されたコインの総量)からExchange Outflow Volume(EOV:取引所アドレスから出金されたコインの総量)を差し引いた値です。
EIVは、外部ウォレットから取引所アドレスへの入金を指し、その量が増えるとユーザーが短期的に売りに動いていることを示唆します。一方のEOVは、取引所アドレスから外部ウォレットへの出金を指し、その量が増えるとユーザーが長期保有に動いていることを示唆します。
Net Transfer Volume from/to Exchangeが正の時、すなわちEIV>EOVの時(図:青色)は短期的に市場の売りが強まる傾向にあります。逆にNet Transfer Volume from/to Exchangeが負の時、すなわちEIV<EOVの時(図:赤色)は相場が底打ちしている可能性を示しています。
図のように2021年以降のビットコインの値動きとNet Transfer Volume from/to Exchangeを照らしてみてみると、青赤のシグナルがともに12000BTC付近に迫った時に相場の下落と底を捉えています。
青色シグナル
2021年5月:テスラBTC決済中止および中国暗号資産規制による下落
2022年5月:テラショックによる下落
※2021年11月の下落は先物主導の調整売りであったため、オンチェーン上の反応が大きく表れなかったものと思われます。
赤色シグナル
2022年6月:テラショック後の底
2022年11月:FTXショック後の底
このようにNet Transfer Volume from/to Exchangeは暗号資産の現物保有に影響を及ぼす大きな事件に対しては適切に反応するように見えます。実際、バンク・オブ・アメリカがこの指標を用いて直近のビットコイン相場を分析しており、伝統的な金融機関にも注目される指標となっています( 参考)。
※ここで紹介するオンチェーン指標は参考指標にすぎず、資産の売買を推奨するものではありません。投資判断に活用する場合にはご自身の判断でお願いいたします。
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