暗号資産・クリプト指標:プルーフ・オブ・リザーブとは

プルーフ・オブ・リザーブとは

Proof-of-Reserve(以下、PoR)は、取引所が自己申告したアドレスに保有する暗号資産残高を示しています。

前回紹介した取引所残高を意味するExchange Balance(EB)は、Glassnodeなどのデータプロバイダが独自にブロックチェーン上のデータをもとに計算した推定値になります。そのためEBとPoRでは「EB=PoR+PoRを除く取引所の資産の推計値」という関係があります。

PoRは、2022年11月のFTX破綻により取引所に対する信頼が揺らいだことで、取引所の準備金に対する透明性を高めるために開発された指標です。今ではバイナンスを筆頭に多くの取引所が暗号資産の保有量を自己申告するルールを開始しています。

PoRはオンチェーン上の準備金のみを示している点には注意が必要です。実際にはオンチェーンおよびオフチェーンの負債と合わせて暗号資産の保有状況を検証する必要があり、取引所の開示情報を別途確認することで取引所リスクを評価することができます。

上の図は、バイナンスのPoRとビットコイン価格を表示したものです。2022年の相場下落局面においてPoRは減少し、今年に入ってからはビットコイン価格は上昇しているもののPoRは下がり続けている様子が確認できます。特にバイナンスが発行するステーブルコインBUSD(黄色)の下げが目立ちます。これは米国当局を中心にバイナンスに対する取り締まりが強化されていることが影響していると予想されます。直近の6月5日、米証券取引委員会(SEC)がバイナンスを提訴した際にもPoRは急激に減少しました。投資家がバイナンスに資産を置くのを恐れて資産を逃がしていることが原因だと思われます。

※ここで紹介するオンチェーン指標は参考指標にすぎず、資産の売買を推奨するものではありません。投資判断に活用する場合にはご自身の判断でお願いいたします。

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