暗号資産・クリプト指標:アクティブアドレス数とは

アクティブアドレス数とは

アクティブアドレス数とは、送信者または受信者としてネットワーク内でアクティブであった一意のアドレスの数と定義されます。アクティブとは、一定期間内に成功したトランザクションを含むアドレスを指します。この指標は暗号資産の健全性とネットワークの活発さを測る指標として活用されています。

暗号資産の健全性で見た場合、アクティブアドレスの数が安定しているか、増加しているかによってネットワークの健全性を判断することができます。急激な減少は、ユーザーの関心喪失や技術的な問題の兆候となる場合があります。

次にネットワークの活発さで見る場合、アクティブアドレスの数が増加すると、より多くのユーザーが取引し、ネットワークがより活発に使用されていることを示します。逆に減少している場合、ユーザーがネットワークを離れていると判断されます。

アクティブアドレス数は分散型アプリ(Dapps)の利用規模を測る上でも有効です。一般のサービスでも、アクティブユーザー数はその成長性や収益性を判断する指標として使用されています。

図1はビットコインのアクティブアドレス数と価格をプロットしたものです。価格の急激な上昇が起こるたびに値が上昇し、その後、価格の暴落とともに下落しながらも底値を切り上げていることがわかります。このことからバブルによってビットコインに新しく興味を持ったユーザーの一部が、暴落後もビットコインを保有し続けていることが伺えます。

また、別の観点では、アクティブアドレス数のピークは2017年のバブルと2021年のバブルでほぼ同じ水準となっていますが、ビットコイン価格は後者の方が3倍近くに高騰しています。これは企業や機関投資家の参入によってアドレスあたりの取引量が増加していると推測されます。

図2はイーサリアムのアクティブアドレス数と価格をプロットしたものです。こちらも急激な価格上昇とともに値が上昇していますが、価格が暴落した後はビットコインと比べてやや下降トレンドのままになっていることがわかります。

絶対値で比較してもイーサリアムのアクティブアドレス数はビットコインの半分程度となっており、ビットコインの方がネットワークが活発であると判断されます。

最後に、アクティブアドレス数は同一人物がアドレスを複数作り意味のないトランザクションを行うことによっても増加される点に注意する必要があります。ウォッシュトレードは取引所における取引高の水増しでも問題となっています。

※ここで紹介するオンチェーン指標は参考指標にすぎず、資産の売買を推奨するものではありません。投資判断に活用する場合にはご自身の判断でお願いいたします。

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