Wrapped BTC(WBTC)バランスとは
指標の説明の前にWrapped BTCについて説明します。Wrapped BTCとは、Bitcoinで1:1に裏付けされた最初のERC20トークンであり、イーサリアムのブロックチェーン上で機能するように設計されています。より具体的にはERC20に対応することでスマートコントラクトの作成を容易にし、ビットコインの価値を持ったまま分散型取引所(DEX)や金融アプリケーションに大きな流動性をもたらします。発行者はKyber、Ren、BitGoが行なっていて、カストディアンのトラストを前提としています。
Wrapped BTC Balance(以下、WBBと略す)は、実際のBTCによってWBTCの裏付けを保証するカストディアンであるBitGoが保有するビットコインの量に対応した指標です。WBBの増加は、ビットコインネットワーク外(イーサリアム等)でのBTCの量が増加していることを意味します。逆に、WBBの減少は、ビットコインネットワーク外でのBTCの量が減少していることを意味します。
下の図はビットコインの価格とWBBを表示したものです。これを見ると2020年9月以降、ビットコインの上昇とともにWBBも増加していることがわかります。これは分散型金融市場や新興ブロックチェーンの台頭によってビットコインネットワーク外でのBTCの需要が増えたためと考えられます。一方、2022年に入ってからはビットコインの下落にやや遅れてWBBが減少しています。これは短期的な売買による下落からWBTCがビットコインネットワークへ戻されるまでには時差があることが推察されます。今年に入ってからビットコインの価格は上昇しているものの、WBBはほぼ横ばいとなっており、イーサリアム等でのBTCの需要は増えていないことが読み取れます。
※ここで紹介するオンチェーン指標は参考指標にすぎず、資産の売買を推奨するものではありません。投資判断に活用する場合にはご自身の判断でお願いいたします。
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