暗号資産・クリプト指標:Daily GBTC Premium/Discount to NAVとは

Daily GBTC Premium/Discount to NAVとは

=(GBTC価格ーBTC価格)/BTC価格

今回は、オンチェーン指標ではありませんが、米国で話題の暗号資産投資信託会社Grayscaleが提供するビットコイン投資信託GBTCに関連した指標「Daily GBTC Premium or Discount to NAV(以下GB/Bと略す)」について紹介します。

GB/Bとは、GBTCと現物ビットコインの価格差を現物ビットコインの価格で割ったものに100をかけたものと定義されます。つまり、GBTCが原資産となる現物ビットコインに対してどれだけ価格が高いか低いかを%で表します。

GB/Bがプラスの時は、GBTCの価値が現物ビットコインに対してプレミアムがついている状態であると判断できます。逆にGB/Bがマイナスの時は、GBTCの価値が現物ビットコインよりも割り引かれていると判断できます。

下の図は、GB/Bを表示したものです。GB/Bは2020年頃まではプラス圏で推移し、GBTCは現物ビットコイン以上の価値を持っていたことが読み取れます。これは機関投資家層を中心に現物ビットコインを直接保有できない投資家が、ビットコインへのエクスポージャーを求めて殺到したためです。しかし、2021年以降はビットコインに関連したファンドやETF商品などGBTC以外にもビットコインへ間接的に投資できる環境整備が進みました。それによってGB/Bはマイナスに転じ、2022年の冬相場ではGrayscaleの親会社であるDigital Currency Groupの経営状況悪化への懸念もあって一時マイナス50%近くまで低下しました。

GBTCのプレミアムが低下した背景の一つに、GBTCが償還期限前の払い戻しや中途解約ができないクローズド・エンド型であるという問題があります。Grayscaleはこの問題を解消するべく米SECに対してGBTCをETFに転換する申請を行っています。先月にその再審査をSECに求める裁判でGrayscaleの主張が認められました。直近でもGB/Bはマイナス20%付近で推移していますが、今後のETFの期待によりディスカウントが解消されることが期待されます。

※ここで紹介するオンチェーン指標は参考指標にすぎず、資産の売買を推奨するものではありません。投資判断に活用する場合にはご自身の判断でお願いいたします。

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