暗号資産・クリプト指標:Marketcap/TVLとは

Marketcap/TVLとは

Marketcap/TVL(以下、M/Tと略す)は、時価総額をTVLで割ったものと定義されます。Marketcapは1コインの価格に発行量をかけたもので、TVLはチェーンやプロトコルにロックされている資産の合計価値を表します。

M/Tは実際に活用されている資産価値を表すTVLに対して、時価総額が過剰に評価されているかどうか判断できます。ただし、TVL以外に価値があるチェーンやプロトコルの場合、それをM/Tが捉えることができない点を注意する必要があります。

図1は、TVLが上位のチェーンのM/Tを表示したものです。これを見るとBSCとEthereumが高く、Tronが小さくなっていることが分かります。EthereumやBSCは、チェーン上の需要以外にも従来の証券的な取引目的で保有されている部分が大きいので、M/Tが高くなっていると考えられます。一方でTronは、時価総額ではBSCのおよそ5分の1でありながらTVLではEthereumに次ぐ規模であり、大部分がDeFiを中心としたチェーン上の需要となっていると考えられます。他にレイヤー2のM/Tに注目するとPolygon、Optimism、そしてArbitrumの順となっています。基準となる値は定かではありませんが、同じレイヤー2の中でもArbitrumはPolygonに対して過小評価されていると捉えることができるかもしれません。

図2は、TVLが上位のプロトコルのM/Tを表示したものです。図1と合わせるとチェーン、レイヤー2、プロトコルの順にM/Tが大きくなっていることが分かります。全体的に見るとLido、MakerDAO、AAVE、Curve FinanceのM/Tは0.1~0.2とかなり近い評価となっている一方で、Uniswapがダントツの0.99となっています。これは取引所とレンディング、ステーキングなどのプロトコルの性質の違いも影響しているでしょうが、見方によって一方を過大評価あるいは過小評価と判断することができるかもしれません。

このようにM/Tは、チェーン、レイヤー2、プロトコルのそれぞれで適切な水準を割り出す必要がありますが、株式におけるPERやPBRのように指標の値を比べることで割安割高の判断に活用できる可能性があります。

※ここで紹介するオンチェーン指標は参考指標にすぎず、資産の売買を推奨するものではありません。投資判断に活用する場合にはご自身の判断でお願いいたします。

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