イベント:SHIBトークンがイーサリアム互換のレイヤー2「シバリウム」を公開
今回は犬系のミームコインとして人気を集める柴犬コイン【SHIB】の直近の動向について取り上げる。SHIBトークンは暗号資産の時価総額ランキングでもトップ20に位置し、国内においてもbitFlyerやGMOコイン、SBI VC トレードなど5つの取引所に上場している。
現状を打破する一手「シバリウム」
2023年1月に柴犬コインの開発チームによってSHIBトークンを間接的な手数料として使用するイーサリアムのレイヤー2ソリューション「Shibarium(シバリウム)」の概要が発表された。SHIBエコシステムの分散型取引所「ShibaSwap(シバスワップ)」のガバナンストークンであるBONEトークンをシバリウムのネイティブトークンとして移管し、同トークンがガス代として使用される同量分のSHIBトークンを流通量から減らす。要はシバリウムが使われるほどSHIBトークンの供給量が減って価値が向上する仕組みである。プロジェクトの関係者はシバリウムを足がかりにDeFiおよびNFTの分野でSHIBトークンが活用されることを狙いとしているという。
2023年3月にはシバリウムのテストネットの運用が始まった。時価総額ランキングでも上位にランクインするSHIBトークンのレイヤー2が安価な手数料で利用できるとあってか、試験段階から約2100万個のウォレットが作成され、非常に人気を博した。またミームコインの立場から本格的なブロックチェーンプロジェクトへ移行するという期待によってSHIBトークンの価格も短期的に上昇した。
予想外の大量のトランザクション流入でスタートから失速
その後、2023年8月17日にシバリウムのメインネットの運用がスタートしたが、本格稼働が開始されてすぐ、予想を超えるトランザクションの発生によってネットワークが11時間以上停止する事態となった。それに伴い、数百万ドル分の資産がイーサリアムとシバリウムの価値移転を行うブリッジに滞留してしまい、それらを引き出すことができなくなった。
開発チームは即座に対応を行い、同年8月末にシバリウムを再公開した。しかし、9月に入ってからもウォレット数が約120万個、日次トランザクション数が数万件、ネットワークに預け入れられている総資産額(Total Value Locked:TVL)も約400万ドルと伸び悩んでおり、アービトラムやベースなど既存のレイヤー2と比べて規模が小さいままとなっている。
項目別分析
2023年6月8日時点
前回のMCBクリプト格付では、SHIBトークンの総合スコアは6.35で14位となっている。シバリウムの登場により今後のSHIBトークンの格付けはどのような方向に向かっていくのか、プロジェクト稼働度とスケーラビリティ/分散性の観点から考察してみたい。
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