#58:Suiのステーキングプロトコルが改善、リキッドステーキングに対応

今週もマネックスクリプトバンクから、Web3.0界隈の動きをお伝えします。

ニュースレターを無料購読していただくと、毎週月曜日の17:00に最新のニュースレターをお届けいたします。

注目トピックス解説

Suiのステーキングプロトコルが改善、リキッドステーキングに対応

コメント:宮本

レイヤー1ブロックチェーンであるSuiを開発するSui Foundationは7月27日、ステーキングプロトコルを改善したことを発表しました。

Suiの特徴として、TPS(Transaction Per Second:1秒間あたりトランザクション処理数)がEthereumなどの他のレイヤー1ブロックチェーンと比較して多いことが挙げられます。公式に発表されているSuiのTPSは10,871~297,000となっており、これはEthereumのTPSが12~15で推移していることを考えると驚異的な数値となっています。

今回Suiのステーキングプロトコルに加えられた変更は、6番目のSIP(Sui Improvement Proposals:Sui改善提案)であるSIP-6としてGithub上で提案されていたものです。内容としては、「StakedSui」オブジェクトとそれに関連する関数の実装を拡張するものとなっています。オブジェクトはSuiが用いるプログラミング言語である「Move」における概念の1つで、Ethereumにおけるスマートコントラクトのようなものです。

以前からSuiのステーキングプロトコルは、ユーザーがSUIトークンをステークするとSUIトークンがStakedSuiにラップされる仕組みをとっていました。したがって、StakedSuiはステーキング証明書のような役割を果たしているオブジェクトであると説明することができます。しかし、StakedSuiは取引や譲渡ができないオブジェクトとして実装されていたため、ユーザーはSUIトークンをステークすると流動性を失わざるを得ない仕組みとなっていました。

今回発表された変更によって、StakedSuiは「store」の付いたオブジェクトに変更され、さらに2つの新たな関数が追加されることになりました。storeはMoveにおけるアビリティの1つで、オンチェーン上での取引や譲渡が可能であることを示すものです。これにより、StakedSuiに流動性を持たせることが可能になり、StakedSuiを用いたリキッドステーキングが行えるようになりました。

Ethereumのリキッドステーキングのようにサードパーティーのスマートコントラクトに頼らず、プロトコルレベルでリキッドステーキングを実現していることは、TPSの多さに次ぐSuiの新たな優位性となるかもしれません。また、SuiはコンセンサスアルゴリズムとしてDPoS(Delegated Proof of Stake:デリゲート・プルーフ・オブ・ステーク)を採用しているため、バリデーターを自ら選択する形のリキッドステーキングが行えるという点も特筆すべきものでしょう。

Sui Foundationは、現時点ではSIP-6を含むステーキングプロトコルの改善はテストネット上での実装に留まっているものの、互換性のテストが終わり次第メインネットにも追加する予定であると発表しています。

次世代フィンテック、Revolutが米国での暗号資産サービスを終了

コメント:中坪

金融アプリサービスを提供するRevolutが米国での暗号資産サービスを終了すると発表しました。同社の担当者は米国での規制環境の現状と先行きの不透明性がこの決定に至った理由だとThe Block紙の取材で答えています。今回の発表以前からRevolutはSECによる規制を警戒した動きを見せており、SECが未登録証券として名指ししたポリゴン、ソラナ、カルダノを米国での取扱暗号資産リストから外すとしていました。なお、米国以外でRevolutがサービスを展開する国々では引き続き暗号資産取引を行うことができます。

そもそもRevolutとは、手数料不要でさらにユーザーに有利なレートによる為替両替、個人間(P2P)送金などを可能にしたフィンテックアプリです。日常での決済もできる他、予算管理や貯金機能などお金に関する便利な機能も多く備わっており、欧州を中心に3000万人以上の個人ユーザーを抱えています。以前メルマガで紹介したドイツを中心に利用されているオンラインバンキングN26と同様に、Revolutも近年暗号資産取引サービスをアプリ内で提供しています。フィンテックと暗号資産の親和性は非常に高く、暗号資産サービスを自社のアプリに組み込む動きは広がりを見せています。日本でもメルカリが暗号資産の取引をメルカリアプリ内でできるようにしたことは記憶に新しいでしょう。また、イーロンマスクがX(旧Twitter)上で暗号資産を含む金融サービスを提供するのではないかという意見も聞かれます。Revolutはその先駆けのような存在で2021年ごろからイギリスで暗号資産取引サービスを開始し、徐々に対応国を増やしてきました。そのような中で暗号資産の大きな市場である米国からの撤退は打撃が大きいように思われます。

フィンテック系を中心に暗号資産を自社サービスに何らかの形で取り入れる企業が増える傾向がある一方、暗号資産関連サービスが米国から撤退するあるいは軸足を別国に移す動きがあるのも事実です。取引所サービスを展開するCoinbaseやBinance、最近判決結果が話題となった暗号資産XRPを提供するRippleなどは米国SECと対立関係にあり、これが大きな原因となってか、米国以外の国々との協力関係の構築やサービスの進出を進めています。Binanceが日本でサービスを開始したのも、このような米国での規制環境による影響があるのではないでしょうか。

暗号資産に近づいていくフィンテック企業、暗号資産への締め付けを強める米国からの暗号資産企業の離脱。この二つの大きなトレンドを代表するのがRevolutの今回の発表と言えるでしょう。Revolutに限らず、これから米国でビジネスを行う暗号資産に携わる企業の動きから目が離せません。

注目の資金調達

※本まとめはGPT3.5によって自動生成されており、その内容の正確性を保証するものではありません。事例の概要を網羅的に把握するのにお役立てください。

Solv Protocol

調達額: $6.00M
ラウンド: Undisclosed
投資家: Laser Digitalなど
カテゴリー: NFTs
プロジェクト概要: 2020年に設立されたSolv Protocolは、暗号通貨業界において金融ツールの民主化と資本効率の向上を目指しています。2023年第2四半期には、徹底的かつ反復的な開発の末にSolv V3が導入されました。この最先端のオンチェーンファンドプラットフォームは、ユーザーが簡単に様々なオンチェーンファンドを作成、管理、発行、決済することを可能にし、透明性と使いやすさにおいて優れた性能を発揮します。

Conductive.ai

調達額: —
ラウンド: Seed
投資家: Animoca Brandsなど
カテゴリー: Others
プロジェクト概要: Conductive.aiは、ゲーム業界のプレイヤーの長期的な価値を向上させることを目指したエンゲージメントプラットフォームを開発しました。このプラットフォームは、ゲーム開発者がプレイヤーのエンゲージメントとリテンションを向上させ、新たな収益の機会を創出するための基盤となります。Conductive.aiの主な目標は、次の10億人のユーザーをWeb3にオンボードすることで、プラットフォームの範囲と影響力を拡大することです。エンゲージメントプラットフォームを活用することで、ゲーム開発者はプレイヤーの体験を最適化し、より強いつながりを育み、新たな収益の流れを開拓することができます。Conductive.aiの革新的なソリューションは、開発者がWeb3の巨大なポテンシャルにアクセスし、プレイヤーの生涯価値を最大化することを可能にするため、ゲーム業界を革新する準備が整っています。

Terminal 3

調達額: —
ラウンド: Pre-Seed
投資家: 500 Globalなど
カテゴリー: Web3
プロジェクト概要: Terminal 3は、Web3テクノロジーに特化した香港のスタートアップで、分散化された未来のためのユーザーデータインフラを構築することを目指しています。同社は、ユーザーのプライバシーを損なう集中型データストレージの代替案として革新的なソリューションを提供し、企業にコンプライアンスとセキュリティの問題を抱えさせません。Terminal 3は、分散型ストレージとゼロ知識証明を活用して、ユーザーデータを完全にプライベートかつセキュアに保ちながら、公正なWeb3エコシステムを実現します。Terminal 3の創業者は、世界的に重要な企業を築き、拡大し、変革してきた実績を持つ企業のエグゼクティブおよび起業家です。さらに、Terminal 3は500 Global、CMCC Global、Consensys Mesh、Bixin Ventures、BlackPine、DWeb3、Hard Yaka、Bored Room Venturesなどの有名な投資家からの支援を受けています。

ニュースレターを無料購読していただくと、続きをお読みいただけます。

マネックスクリプトバンクでは国内外のweb3関連スタートアップへの出資およびグループ会社を含めた事業連携などを検討しています。ぜひ相談したいという方は下記アドレスまでご連絡ください。

担当:松嶋

今週のオンチェーン指標:Number of Active Addresses

概要

アクティブアドレス数とは、送信者または受信者としてネットワーク内でアクティブであった一意のアドレスの数と定義されます。アクティブとは、一定期間内に成功したトランザクションを含むアドレスを指します。この指標は暗号資産の健全性とネットワークの活発さを測る指標として活用されています。

暗号資産の健全性で見た場合、アクティブアドレスの数が安定しているか、増加しているかによってネットワークの健全性を判断することができます。急激な減少は、ユーザーの関心喪失や技術的な問題の兆候となる場合があります。

次にネットワークの活発さで見る場合、アクティブアドレスの数が増加すると、より多くのユーザーが取引し、ネットワークがより活発に使用されていることを示します。逆に減少している場合、ユーザーがネットワークを離れていると判断されます。

アクティブアドレス数は分散型アプリ(Dapps)の利用規模を測る上でも有効です。一般のサービスでも、アクティブユーザー数はその成長性や収益性を判断する指標として使用されています。

図1はビットコインのアクティブアドレス数と価格をプロットしたものです。価格の急激な上昇が起こるたびに値が上昇し、その後、価格の暴落とともに下落しながらも底値を切り上げていることがわかります。このことからバブルによってビットコインに新しく興味を持ったユーザーの一部が、暴落後もビットコインを保有し続けていることが伺えます。

また、別の観点では、アクティブアドレス数のピークは2017年のバブルと2021年のバブルでほぼ同じ水準となっていますが、ビットコイン価格は後者の方が3倍近くに高騰しています。これは企業や機関投資家の参入によってアドレスあたりの取引量が増加していると推測されます。

図2はイーサリアムのアクティブアドレス数と価格をプロットしたものです。こちらも急激な価格上昇とともに値が上昇していますが、価格が暴落した後はビットコインと比べてやや下降トレンドのままになっていることがわかります。

絶対値で比較してもイーサリアムのアクティブアドレス数はビットコインの半分程度となっており、ビットコインの方がネットワークが活発であると判断されます。

最後に、アクティブアドレス数は同一人物がアドレスを複数作り意味のないトランザクションを行うことによっても増加される点に注意する必要があります。ウォッシュトレードは取引所における取引高の水増しでも問題となっています。

※ここで紹介するオンチェーン指標は参考指標にすぎず、資産の売買を推奨するものではありません。投資判断に活用する場合にはご自身の判断でお願いいたします。

MCB RESEARCHレポート

最新レポート(無料)

「MCBクリプト格付けー30種類の暗号資産を7つの項目別に相対評価」

過去レポート(有料)

販売サイトはこちら

レポート例

  • 「GameFiとはなにか――DeFiの重要性と課題、CEXの役割」
  • 「VR普及はいつ頃達成されるのか?―現状の問題点と関連技術を探る」
  • メタバースのデジタルLANDを開発する方法ーDecentraland開発」
  • 「ブロックチェーンゲームのビジネスモデルと収益推定」
  • 「PAVA指標のレイヤー1トークンへの適用可能性の検討」
  • 「金融バブルを検知するLPPLSモデルの暗号資産への応用」

採用情報

マネックスクリプトバンクではインターン採用を募集中!

Web3やメタバース、NFT事業を研究して、新しい金融の可能性を探ろう!

クリプトのマーケットを研究して未来の指標を作ろう!学生インターン募集中

法律を読み解いてweb3の未来を発⾒しよう!学生インターン募集中

Comments are closed.