MCBクリプト格付:【XRPウォッチ】リップル訴訟が示す暗号資産投資のこれから

イベント:リップル訴訟問題で一部判決

2023年7月13日、米国連邦地裁が暗号資産XRPの証券性を巡る裁判で部分的な判決を下した。この裁判は、2020年12月に米国証券取引委員会(SEC)がXRPの発行元であるリップル社を提訴して以来、両者間で争われてきた。今回の判決によれば、取引所における個人投資家向けのXRP販売は有価証券とはみなされないとのことである。この結論を受けてXRPの価格は前日比で一時約100%高騰した。判決後、XRPを上場停止していたCoinbaseやKrakenなどの主要暗号資産取引所でその取扱いが即座に再開されるなど、市場全体では好意的な受け止めがなされた。

一方で、機関投資家向けにXRPを直接販売する行為は、投資契約の該当性を判断するハウェイテストの諸条件を満たし、未登録証券の販売に当たることも認められた。XRPは国際送金の効率化を図る決済ネットワークにおいて用いられる暗号資産であり、リップルの決済網には各国の金融機関、政府機関を含めて多くのパートナーが参加を表明している。そのような特徴から同社は裁判の中でXRPは独自のデジタル通貨であることを主張してきた。しかし、その販売方法が限定的とはいえ証券取引に該当すると判断されたことは、一部の投資家およびクライアントにとってネガティブなものとも受け取れる。

今回の判決について米SECは控訴する可能性を示唆しており、どちらの方向に転ぶにしてもリップル社の訴訟問題が完全に解決されるのはもう少し先のことになるだろう。

項目別分析

2023年6月8日時点

前回のMCBクリプト格付では、XRPの総合スコアは6.40で11位となっている。時価総額比で見ても低い値だ。米SECとの訴訟がスコアを下げる要因となり、裁判の厳しい状況が続く中で法規制リスクの評価は対象となった30種類のトークンで最下位の3を記録。また、訴訟が発端となり、価格が最高値の時から大きく下落したためカタストロフィリスクのスコアも悪くなっている。

判決後、XRPの格付けはどのように変わりうるのだろうか。特に流動性と法規制リスクの二項目について影響が及ぶと考えられる。

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