相場展望:BTC(ビットコイン)は米中貿易摩擦を巡る不透明感が相場の重しとなるものの、底堅い推移を予想

今週も暗号資産アナリストの松嶋がビットコイン相場の動向を分析します。

  • 今週のビットコインは、トランプ関税ショックによる市場の混乱が一巡する中、買い戻し優勢の展開となった。
  • 来週のビットコインは、米中貿易摩擦を巡る不透明感が相場の重しとなるものの、底堅い推移を予想する。直近の価格レンジとして、上値はBTC=88,000ドル(約1,254万円)、下値はBTC=78,000ドル(約1,111万円)を意識する。

今週の相場動向

相場回顧 BTC(ビットコイン):トランプ関税ショックが一巡する中、買い戻し優勢

ビットコインは、トランプ関税ショックによる市場の混乱が一巡する中、買い戻し優勢の展開となった。

4月11日には、ボストン米連銀総裁のハト派寄りの発言を受け、FRBによる市場支援への期待が高まったことから米国株が大幅反発。これに連動してビットコインも買いが強まり、BTC=86,000ドル(約1,225万円)付近まで上昇した。同日に発表された3月の米生産者物価指数が米消費者物価指数に続いて市場予想を下回り、インフレ懸念が後退したことも買いの安心感につながった。

その後、米国政府によるスマートフォンなど電子機器への関税方針を巡って不透明感が再燃し、さらには米中間の報復関税合戦が激化したことで、市場は再びリスクオフに傾いた。

その中、パウエルFRB議長が利下げに慎重な姿勢を示し、米国株は大幅下落した。しかし、ビットコインは、企業による購入が相次ぐ中で、政府高官が関税収入の活用によるビットコイン購入の可能性に言及したことも期待材料となり、相場は底堅く横ばいで推移した。

今週のトピックス

金融市場

暗号資産市場

来週の相場予想

BTC(ビットコイン)は米中貿易摩擦を巡る不透明感が相場の重しとなるものの、底堅い推移を予想

来週のビットコインは、米中貿易摩擦を巡る不透明感が相場の重しとなるものの、底堅い推移を予想する。

米中両政府は強硬姿勢を崩しておらず、貿易協議進展の兆しも見えないまま、対立の長期化リスクが意識されている。このまま協議が平行線をたどるようであれば、市場全体のリスクオフムードが継続し、リスク資産全般の弱気相場が続く可能性が高い。まずは米中首脳会談の実現や、交渉開始への糸口が見いだされるかが当面の注目材料となる。

一方、米国の金融政策を含め、市場全体の不確実性が高まることで、ビットコインが無国籍資産として再評価されることも考えられる。加えて、足元ではドル指数が下落しているが、金と同様にドルヘッジの手段としてもビットコインは有効であり、こうした逃避的な買いによって相場が下支えられる面はあるだろう。

また、カナダで世界初のソラナ現物ETFが上場したことや、米国の上場企業ジャンオーバー【JNVR】がソラナを購入したことを受け、ソラナが強い値動きになるなど、暗号資産市場ではポジティブな材料も出てきており、市場センチメントの改善に寄与している。来週はテスラの決算発表があり、ビットコインの保有状況に変化がないかも注目材料だ。

直近の価格レンジとして、上値はBTC=88,000ドル(約1,254万円)、下値はBTC=78,000ドル(約1,111万円)を意識する。

来週のトピックス:暗号資産市場に影響しうる指標をピックアップ

企業決算

  • 米国、テスラ【TSLA】(4/22)
  • 米国、アルファベット【GOOGL】(4/24)
  • 米国、アマゾン【AMZN】(4/24)

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