今週もマネックスクリプトバンクから、Web3.0界隈の動きをお伝えします。
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目次
注目トピックス解説
Ethereumが新テストネット「Holesky」をリリース
コメント:宮本
Ethereum Foundationが8月17日に開催したミーティングにて、新テストネット「Holesky」を9月中旬にリリースすることを計画しているとする報道がありました。
Ethereumにおけるテストネットは、実際のEthereumメインネットと同様の仕組みを持つ開発環境のことです。開発者がスマートコントラクトやプロトコルをテストすることを目的として作られており、テストネット上では実際のETHの代わりにテスト用のETHが使用されています。
現在、Ethereumには主に「Goerli」と「Sepolia」という2つのテストネットが存在しています。GoerliとSepoliaの大きな違いとして、バリデータへの参加が公開されているかどうかが挙げられます。
Goerliはバリデータへの参加が公開されているため、Dappsやスマートコントラクトのテストだけでなく、ステーキングのテストも行うことができるテストネットとなっています。一方で、Sepoliaはバリデータへの参加が許可制となっているため、用途はDappsやスマートコントラクトなどのテストに限定されます。
今回新しいテストネットであるHoleskyがリリースされる背景として、Goerliにおけるテスト用ETHであるGoerli ETHの供給が限界を迎えていることが挙げられます。
テスト用ETHの供給を行っているサービスのことを「Faucet」と呼びますが、Faucetは少数のバリデータによる善意で成り立っています。Faucetから得られるGoeril ETHは1日あたり0.02Goeril ETHほどとなっている一方で、ステーキングのテストには最低でも32Goerli ETHが必要となるため、膨大な需要に対して供給が追いついていないことが問題視されていました。
Holeskyは今年2月から「Holli」という名称で計画されていたテストネットで、Goerliの供給問題を解消し、ステーキングのテストやプロトコルのテストなどを円滑に行えるようにすることを目的としたものです。Ethereum Foundationが8月17日に開催したミーティングでは、Holeskyにおけるテスト用ETHであるHolesky ETHの総供給量を16億とすることも合わせて決定されています。現在のEthereumメインネットにおけるETHの総供給量が1億2000万であることを踏まえると、Goerliに代わるステーキングのテストを目的としたテストネットとしては十分に役割を果たせるといえそうです。
Githubのドキュメントによると、Holeskyテストネットは日本時間(JST)9月15日 23:00にリリースされる予定です。また、LTSは5年間に設定されており、2027年12月までの長期サポートが予定されています。
ソーシャルメディア系DAppsのFriend.techの24時間手数料が急騰
コメント:中坪
先週月曜日、SocialFiアプリのFriend.techの24時間あたりのプロトコルフィーが142万ドルを超え、手数料ベースでトップ3のクリプトプロジェクトとなりました。SocialFiとは暗号資産をインセンティブとしたシステムを持つFinanceを組み合わせたSNSサービス一般を指すものです。インフルエンサーがfriend.techのプラットフォーム上でShareと呼ばれるトークンを発行、それを一般のfriend.techユーザーに販売することができます。Shareを保有することでユーザーはインフルエンサーとプライベートなメッセージ交換などが可能になります。また、Shareは一般ユーザー間でも売買可能で、Share価格はインフルエンサーの影響力などに応じて決定されます。また、Shareが売買されるたびにそれを発行したインフルエンサーは手数料収入を得ることができるため、発行者側のメリットも大きいようです。
このように盛り上がりを見せているfriend.techは、インフルエンサーにとっては魅力的なサービスのように映りますが、懸念すべき点も多いです。まず一つには現在公開されている情報が少なすぎることが挙げられます。サービスサイトのみが存在しており、ホワイトペーパー等のプロジェクト情報が掲載されたサイトは存在していないため、運営側の情報に不透明な点が多いです。コード監査の状況や個人情報の取り扱いについても明らかにされていません。また、一概に悪い点とは言えませんが、現在招待制でしかアプリに参加できないこともエコシステムの中身を見えづらくしている原因の一つでしょう。
注目の資金調達(8/21~8/27)
※本まとめはGPT3.5によって自動生成されており、その内容の正確性を保証するものではありません。事例の概要を網羅的に把握するのにお役立てください。
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今週のオンチェーン指標:Liveliness
=最後に使用されたステーク合計/発行時点からのステーク合計
概要
暗号資産のトランザクション(取引)を行った場合、移動した時間と資産の量がブロックチェーン上に記録されます。そこで現在の時点と最後に資産が移動した時点の差(つまり、保有期間)を計算し、それに移動した金額をかけたものを「ステーク」と呼ぶことにします。ステークは保有期間が長いほど、また金額が大きいほど大きくなっていきます。
Livelinessとは、最後に使用されたトランザクションで計算したステークを合計したものを、発行時点のトランザクションで計算したステークを合計したもので割った比率と定義されます。この指標はチェーンの活発さを測る指標となっていて、ブロックチェーン上での取引が活発になるほど1に近づき、逆に取引が少なくなるほど0に近づいていきます。
このような特徴からLivelinessは大口長期ホルダーの動向を考察する指標として注目されています。大口長期ホルダーがトランザクションを行った場合、Livelinessが増加します。逆に大口長期ホルダーが蓄積するにつれて、Livelinessが減少すると考えられます。
下の図はBTC・ETHのLivelinessと価格を表示したものです。BTCのLivelinessを見ると、2021年後半から現在にかけて下降トレンドが続いており、価格の下落とともに現物取引も落ち着いていることが見受けられます。一方、ETHの場合には2021年前半に急増してからはほとんど横ばいとなっており、分散型金融(DeFi)を中心に取引が継続していることが推測されます。これらの違いはBTCとETHの暗号資産としての性質の差も影響していると思われます。
※ここで紹介するオンチェーン指標は参考指標にすぎず、資産の売買を推奨するものではありません。投資判断に活用する場合にはご自身の判断でお願いいたします。
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