Mt.Gox Trustee Balanceとは
Mt.Gox Trustee Balance(以下MGBと略す)とは、マウントゴックス(Mt.Gox)の民事再生手続きを監督する管財人である小林信明氏が管理するアドレスで保有されるBTCの量と定義されます。
またMGBは、Mt.Goxが取引所として保有していたBTCの量でもあるため、以前に紹介した取引所のコイン保有量を表すExchange Balanceに近い指標として考えられます。
Mt.Goxは、2013年には世界のBTCの約7割を扱う暗号資産取引所でしたが、2014年にハッキングされたことによって破綻にまで追い込まれてしまいました(マウントゴックス事件)。その後、BTC価格の劇的な上昇もあり、一部の債権者が同社に民事再生の適用を求めたことで現在までその手続きが進められています。その中で債権者へ返還されるBTCの量こそMGBを意味しています。
MGBは返還されるコインの量であるため増加することはありません。一方で、BTCが債権者に返還されることで残高が減少し、返還時期によっては売り圧につながると考えられます。そのためMt.Goxの民事再生手続きは市場の懸念材料として今も注目されています。
下の図はMGBとビットコインの価格を表示したものです。当初MGBは約20万BTCで推移していましたが、2017年終わりから2018年にかけて減少しています。これは2018年3月にMt.Goxの管理人が東京地方裁判所の許可を得て、約3.6万BTCを売却したという報告と誤差はあれど一致しています。
その後、コインの残高は変動しておらず、つい最近の2023年9月、Mt.Goxの債権者への弁済期限が本来予定した2023年10月31日から2024年10月31日へ1年間延長されることが発表されました。来年にかけても債権者へのBTC返還によるマーケットへの影響に注視が必要になりそうです。
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