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注目トピックス解説
Tetherがビットコイン上でUSDT発行へ、Lightning Networkに対応
コメント:宮本
米ドルステーブルコイン「USDT」を発行するTetherは1月30日、ビットコイン上でUSDTを発行することを発表しました。USDTの発行には、Lightning Labsが開発するビットコイン上のプロトコル「Taproot Assets Protocol」が用いられます。
Taproot Assets Protocolは、ビットコイン上でネイティブアセットの発行を可能にするプロトコルです。2021年のビットコイン大型アップグレード「Taproot」によって導入された「Tapscript」というスクリプトを活用しており、Fungible Assets(トークンに近いアセット)とNon-Fungible Assets(NFTに近いアセット)の両方を発行することができます。
この仕組みはビットコインNFTに用いられているOrdinalsとよく似ていますが、Ordinalsとの違いとして、ビットコインレイヤー2「Lightning Network」に対応しているといった特徴があります。今回発表されたUSDTについても、Lightning Networkに対応していることが明記されています。
Lightning NetworkにUSDTが導入されることで、これまでSatoshi(ビットコインの最小単位)建てで行われていたマイクロペイメントをドル建てで行うことができるようになります。これによって、決済レイヤーとしてのLightning Networkの利用が増加する可能性があります。USDTの今後の利用動向次第では、Taproot Assets Protocolを用いてUSDT以外にも様々なアセットが発行され、Lightning Network上で取引されるようになるかもしれません。
また、2023年のOrdinalsブームを契機に、近年ではビットコインにも様々なレイヤー2ソリューションが登場しています。USDTがビットコイン上で発行されることによって、このようなレイヤー2ソリューションにおけるDeFiユースケースが拡大する可能性があります。
Ethereumはスマートコントラクトを実行できるという特徴を持っていますが、近年はレイヤー2にその機能を一部委譲しており、価値の保存手段としての利用がメインになりつつあります。ビットコインにおいても、Lightning Networkを含めたレイヤー2の利用が活発になると仮定すると、ビットコインにて価値の保存が行われ、レイヤー2にてトークン/NFT/DeFiによる取引が行われるという、Ethereumに似た構造になる可能性があります。
もちろん、コンセンサスアルゴリズムや開発言語、チューリング完全性の有無などは存在するものの、将来的にはビットコインとEthereumとの間で、構造的な差異は徐々に縮小していくのかもしれません。
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大手不動産企業であるオープンハウス、不動産取引においてビットコイン決済への対応を発表
オープンハウスグループは、東京、名古屋、大阪、福岡を中心に幅広い種類の不動産を取り扱う大手企業です。居住用の戸建・マンションに加え、投資用マンションやオフィスビルなど、多岐にわたる物件の企画・販売・管理を手掛けており、一気通貫で不動産事業を行っています。
2025年1月31日、オープンハウスグループは、日本の不動産販売における暗号資産決済の受付を開始すると発表しました。受付対象となる暗号資産はビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)になっており、順次別の暗号資産も対応を開始する方針であると発表しています。今回の施策は、グローバルな顧客に対して、日本国内での物件探しから購入、管理、売却までの不動産サービスを円滑に提供する体制の強化を目的としています。
出典元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000677.000024241.html
オープンハウスグループは、本施策を実施した背景として、アメリカでのBitcoin ETF承認や自民党のweb3ワーキンググループ活動の活発化など、暗号資産を取り巻く環境変化と、政府関係者による暗号資産の活用推進を挙げています。上述した市場変化により、不動産取引においても従来の決済方法に加えて暗号資産を採用することで、利用者の利便性向上を実現することを謳っています。また同社は、暗号資産決済を導入することで越境決済やマイクロペイメント領域での実用化、迅速かつ効率的なサービス提供による不動産取引全体の信頼性向上を目指す姿勢を表しています。
オープンハウスグループは暗号資産分野への取り組みを早期から検討しています。2022年にはビットコインのLightning Networkという技術に関する研究者団体『Diamond Hands』への協賛を実施しています。今回の決済システム導入は、同社が長年にわたり培ってきた暗号資産に関する知見と技術的検証の成果とも考えられ、将来的にはさらなる暗号資産活用の幅を広げる可能性が考えられます。暗号資産が決済手段として機能するのか、同社からの続報に注目したい事例だと考えます。
出典元:https://openhouse-group.co.jp/news/release/pdf/20220616_diamond%20hands.pdf
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