今週も暗号資産アナリストの松嶋がビットコイン相場の動向を分析します。
- 今週のビットコインは、米国のスタグフレーション懸念とトランプ関税を巡る動揺が広がり、下落基調が続いた。
- 来週のビットコインは、米国の相互関税策を受けた各国の対応と主要経済指標の発表によって左右される展開を予想。直近の価格レンジとして、上値はBTC=90,000ドル(約1,319万円)、下値はBTC=78,000ドル(約1,143万円)を意識する。
今週の相場動向
相場回顧 BTC(ビットコイン):米国のスタグフレーション懸念と関税リスクで下落
ビットコインは、米国のスタグフレーション懸念とトランプ関税を巡る動揺が広がり、下落基調が続いた。
3月の米PCE価格指数とミシガン大学消費者信頼感指数では、消費減速とインフレ長期化が示唆され、米国株が大幅下落。これにより、ビットコインもBTC=82,000ドル(約1,201万円)付近まで大きく下落した。
その後、米国株の反発を受け、ビットコインも買い戻しが優勢になった。ストラテジー【MSTR】やメタプラネット【3350】など企業によるビットコイン購入が相場を支えたほか、ブラックロックによるビットコインETFの欧州展開が好材料となり、BTC=87,000ドル(約1,275万円)付近まで回復した。
しかし、米国政府による相互関税発表を前にリスクオフの動きが再燃し、ビットコインは再びBTC=83,000ドル(約1,216万円)付近まで急落した。トランプ大統領の会見では想定以上に厳しい関税策が示され、各国市場の動揺が広がる中、ビットコインも不安定な値動きとなった。
今週のトピックス
金融市場
- 米PCE統計、支出わずかに増加-コア価格指数は予想上回る
- 関税で個人消費や企業投資が後退なら混乱も、米シカゴ連銀総裁が警告
- リッチモンド連銀総裁、トランプ関税は雇用減・インフレ招く恐れ
- 米ISM製造業指数、今年初の縮小圏-仕入れ価格は大幅上昇継続
- トランプ政権が世界一律10%の相互関税-日本24%、中国は計50%強に
- ベッセント氏、報復についてけん制-報復なければ現在の数字が上限
暗号資産市場
- 金融庁、仮想通貨のインサイダー取引規制導入か 「金融商品」に分類する法改正案提出へ=報道
- 2880億円規模のビットコイン買い増し、ストラテジー社
- USDC発行のサークル社、4月下旬IPO申請へ JPモルガンとシティを起用
- 三菱UFJ信託銀行、電子決済手段としては国内初のステーブルコイン発行へ=報道
- 三井住友FG、アバランチらとステーブルコインを共同開発へ=報道
- ブラックロック、英で仮想通貨事業者認可を取得、ビットコインETF提供へ
- メタプラネット、ビットコイン追加購入で累計4,206BTCに
- バリュークリエーション、2度目の1億円分のビットコイン購入を実施
- 国内上場のenish、1億円相当のビットコイン購入へ Web3事業強化で
来週の相場予想
BTC(ビットコイン)は貿易摩擦とインフレ指標の不透明感に影響されるが、市場では新たな動きにも期待
来週のビットコインは、米国の相互関税策を受けた各国の対応と主要経済指標の発表によって左右される展開を予想。
ベッセント財務長官は報復関税の動きをけん制する発言をしたものの、欧州や中国が対抗措置に踏み切った場合、市場のリスクオフが加速し、ビットコインにも売り圧力がかかる可能性がある。一方、大きな対立が回避されれば、材料出尽くしとの見方から買い戻しが強まることも想定される。
また、3月の米消費者物価指数が市場予想を上回れば、インフレ懸念が強まり、リスク資産全体が下落する恐れがある。一方、FOMC議事要旨で利下げや量的引き締めの減速に関する前向きな議論が見られれば、市場の安心感につながり、ビットコインの下支え要因となるだろう。
このように、短期的には貿易摩擦やインフレ指標の不透明感が相場の重しとなる。しかし、サークル【CRCL】のIPO申請やブラックロックETF【IB1T】の欧州展開、国内金融機関のステーブルコイン参入といった新たな動きもあり、ビットコインを巡る投資環境を総悲観する必要はないだろう。
直近の価格レンジとして、上値はBTC=90,000ドル(約1,319万円)、下値はBTC=78,000ドル(約1,143万円)を意識する。
来週のトピックス:暗号資産市場に影響しうる指標をピックアップ
経済イベント・指標
- 米国、FOMC議事要旨(4/9)
- 米国、3月消費者物価指数(4/10)
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