今週も暗号資産アナリストの松嶋がビットコイン相場の動向を分析します。
- 今週のビットコインは、上値追いの展開となり、BTC=120,000ドル(約1,776万円)を突破して史上最高値を更新した。
- 来週のビットコインは、米国企業の決算内容次第では米国株とともにさらに上昇する展開が期待される。FOMCを控えて静観ムードも広がる中、アルトコイン物色が強まることも。直近の価格レンジとして、上値はBTC=125,000ドル(約1,850万円)、下値はBTC=115,000ドル(約1,702万円)を意識する。
今週の相場動向
相場回顧 BTC(ビットコイン):上値追いで12万ドルを突破、史上最高値を更新
ビットコインは、上値追いの展開となり、BTC=120,000ドル(約1,776万円)を突破して史上最高値を更新した。
トランプ大統領による追加関税策を巡る不透明感がくすぶる中でも、各国との通商協議の進展期待が相場を支え、市場ではリスクオンムードが継続。ナスダック総合指数が連日で史上最高値を更新するなか、ビットコインも連れ高となった。
ストラテジー【MSTR】やメタプラネット(3350)による継続的な大口購入に加え、米下院での暗号資産関連法案の審議進展への期待感が高まり、一時BTC=122,000ドル(約1,805万円)まで上昇した。
その後、法案審議の停滞が報じられると、利益確定売りが優勢となり、BTC=117,000ドル(約1,731万円)付近まで下落した。6月の米消費者物価指数ではインフレの加速傾向が示され、関税の影響が意識される展開となった。
しかし、インドネシアとの通商合意が好感されたことや、ハイテク株の堅調な値動きが継続したことで、ビットコインも高値圏を維持した。パウエルFRB議長の解任報道を受けて市場が動揺する場面もみられたが、トランプ大統領がこれを否定したことで影響は限定的にとどまった。
今週のトピックス
金融市場
- 自公の過半数維持は厳しい情勢、超長期金利に上昇圧力-各社調査
- トランプ氏、EUとの関税交渉に応じる意向示唆-書簡は「ディール」
- トランプ氏の医薬品関税、「恐らく」月末に賦課-半導体にも近く発動
- トランプ氏、対インドネシア関税19%で合意と発表-米製品購入も主張
- パウエル議長後任選び、「正式プロセス」始まった-ベッセント氏
- 米CPIはFOMCの姿勢変えず、焦点は9月-市場関係者の見方
- トランプ氏、日本に25%の関税発動見通し-書簡の内容通り8月1日
- 米アトランタ連銀総裁、金利据え置きを支持-インフレ圧力に懸念
- パウエル議長解任の「現実味ある脅威」に市場動揺-トランプ氏が火種
暗号資産市場
- カリフォルニア州仮想通貨決済法案、ビットコイン除外でステーブルコインに限定
- チェコ国立銀行、米コインベース株約26億円を購入 仮想通貨関連企業への初の間接投資
- メタプラネット138億円でビットコイン買い増し 総保有16,352BTCに
- 12分で880億円調達、ミームコインプラットフォームのパンプファン
- 仮想通貨カストディへの規制緩和、FRB・FDIC・OCCが対応指針を明確化
- グレースケール、IPO申請を米SECに提出
- ストラテジー社のビットコイン保有数、60万BTC突破
- JPモルガンのダイモンCEO、ステーブルコインに懐疑的も参入表明
- スタンダードチャータード銀行、ビットコイン・イーサリアム現物取引を提供開始
- 米下院の仮想通貨法案審議手続きが再び停滞、保守派議員がCBDC条項で反発
- 9兆ドルの年金市場に仮想通貨投資解禁へ、トランプが大統領令準備=報道
- 仮想通貨規制に歴史的進展 米下院が3法案を可決
来週の相場予想
BTC(ビットコイン)は米国の決算シーズン入りで上値模索、FOMCを控えた様子見の中でアルトコイン物色も
来週のビットコインは、米国企業の決算内容次第では米国株とともにさらに上昇する展開が期待される。FOMCを控えて静観ムードも広がる中、アルトコイン物色が強まることも。
トランプ関税に対する過度な懸念が後退する中、市場の関心は米国企業の決算シーズンに移りつつある。大手ハイテク株を中心に業績予想を上回る内容となれば、リスク資産全般への資金流入が加速し、ビットコインの上値を押し上げる可能性がある。また、テスラ【TSLA】のビットコイン保有状況に変化がなければ、安心感から相場を下支えする要因となろう。
一方で、FOMCを控えて様子見姿勢も広がっており、通商交渉や暗号資産関連法案に目立った進展がなければ、ビットコインは高値圏でもみ合う展開となることも考えられる。こうした環境下では、投資家がより高いボラティリティを求めてアルトコイン市場へと資金をシフトさせる可能性があり、足元でもその兆しが見られる。イーサリアムやソラナ、リップルなど主要銘柄が相場を牽引する場面がさらに増えることも想定される。
直近の価格レンジとして、上値はBTC=125,000ドル(約1,850万円)、下値はBTC=115,000ドル(約1,702万円)を意識する。
来週のトピックス:暗号資産市場に影響しうる指標をピックアップ
経済指標・イベント
- ユーロ圏、ECB理事会(7/24)
決算発表
- 米国、アルファベット【GOOGL】(7/23)
- 米国、テスラ【TSLA】(7/23)
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