今週も暗号資産アナリストの松嶋がビットコイン相場の動向を分析します。
- 今週のビットコインは、BTC=1,520万円(100,000ドル)の達成感から利益確定売りが強まったが、米国で企業によるビットコイン購入が継続する中、高値圏を維持した。
- 来週のビットコインは、年内最後となるFOMC次第では史上最高値をさらに更新する可能性がある。一部では年末にかけての利益(損失)確定売りが強まることも注意したい。直近の価格レンジとして、上値はBTC=1,672万円(110,000ドル)、下値はBTC=1,398万円(92,000ドル)を意識する。
今週の相場動向
相場回顧 BTC(ビットコイン):節目の達成感から一時は下落するも、買い継続により高値圏を維持
ビットコインは、BTC=1,520万円(100,000ドル)の達成感から利益確定売りが強まったが、米国で企業によるビットコイン購入が継続する中、高値圏を維持した。
米SECの次期委員長に暗号資産推進派のポール・アトキンス氏が指名されたことや、プーチン大統領がビットコイン準備金の可能性に言及したことなどを受け、ビットコインは一時BTC=1,558万円(102,500ドル)付近まで高騰した。しかし、節目となるBTC=1,520万円(100,000ドル)到達で利益確定売りが強まり、たちまちBTC=1,398万円(92,000ドル)付近まで急落した。
その後、押し目買いによって大きく反発したが、11月米雇用統計が強弱入り混じる内容となったこともあり、上値の重い展開となった。9日には、グーグル【GOOGL】が新量子チップ「Willow」を発表し、暗号資産のセキュリティリスクへの懸念が強まった。また、中国のエヌビディア【NVDA】調査報道やシリアのアサド政権崩壊でハイテク株が下落し、ビットコインも同様に下落した。
しかし、11月米消費者物価指数を受けて12月の利下げ観測が高まると、ビットコインは買い戻しが強まった。米国ではマイクロストラテジー【MSTR】やジーニアス・グループ【GNS】など企業によるビットコイン購入、さらにはビットコイン現物ETFへの資金流入が継続し、再びBTC=1,520万円(100,000ドル)を回復した。
今週のトピックス
金融市場
- 12月米利下げ、雇用統計が示唆も確信には至らず-インフレ統計待ち
- アサド大統領はシリアを出国、辞任を決定した-ロシア外務省
- 中国がエヌビディアを調査、独禁法違反の疑い-米規制に反撃
- 米CPI、伸びが市場予想と一致-12月の利下げ観測強まる
- トランプ氏、一連の減税表明でウォール街にアピール-NYSE訪問
暗号資産市場
- 米フロリダ州、25年第1四半期開始の議会でビットコイン準備金創設か
- 国税庁、日本居住者による米国ビットコインETFの譲渡所得は「分離課税」の認識示す
- 米財務省、ビットコインは『デジタルゴールド』としての役割があるとの認識示す
- 仮想通貨の暗号技術への影響は? グーグル 量子コンピューターチップ「Willow」を発表
- 米上場のAI企業Genius Group、総額27億円でビットコイン購入
- 「ロシアでビットコイン準備金の創設を」議員が財務大臣に要望提出=報道
- エルサルバドル、企業のビットコイン受入義務を撤廃か IMFとの4500億円超の融資契約で=報道
- マイニング大手Riot、755億円調達でビットコイン買い増しへ
- 3200億円相当のビットコイン追加購入、米マイクロストラテジー
- 米マイクロストラテジー、今月中にナスダック100指数の構成銘柄に追加予定か
- マイクロソフト株主総会、ビットコイン投資の提案を却下
- リップル社のステーブルコインRLUSD、ニューヨークで規制許可を取得
- 億万長者投資家ダリオ氏、ビットコインを「ハードマネー」として推奨
来週の相場予想
BTC(ビットコイン)は年内最後となるFOMC次第では史上最高値をさらに更新する可能性
米国ではビットコインの旺盛な買いが続いており、FOMC次第ではさらに上昇する可能性がある。市場では0.25%の連続利下げがすでに織り込まれているが、パウエルFRB議長が2025年以降の見通しについてハト派寄りの発言をした場合、史上最高値を再び更新することは期待される。一方、無難な内容となった場合は材料出尽くしで売りが強まることも考えられるだろう。来週は取引が活発な年内最後の週であり、一部では利益(損失)確定売りが強まることも注意したい。
また、FOMCや主要経済指標の発表を通過してビットコインの値動きが落ち着いた後は、より大きなボラティリティを求めてアルトコインの取引が活発になることが予想される。イーサリアムやリップルなど主要なアルトコインの値上がりによってビットコインが連れ高する面はあるが、アルトコインの高騰が続いた後の急落には警戒が必要である。
直近の価格レンジとして、上値はBTC=1,672万円(110,000ドル)、下値はBTC=1,398万円(92,000ドル)を意識する。
来週のトピックス:暗号資産市場に影響しうる指標をピックアップ
経済イベント・指標
- 米国、小売売上高(12/17)
- 米国、FOMC(12/17-18)
- ユーロ圏、11月消費者物価指数(12/18)
- 日本、日銀金融政策決定会合(12/18-19)
- 米国、7-9月期四半期実質GDP(12/19)
- 日本、11月全国消費者物価指数(12/20)
- 米国、11月個人消費支出(12/20)
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