今週も暗号資産アナリストの松嶋がビットコイン相場の動向を分析します。
- 今週のビットコインは、リスクオフの緩和で米国株とともに買い戻しが進むも、トランプ関税が上値を抑える展開となった。
- 来週のビットコインは、米国政府の相互関税の詳細発表が予定されており、その内容次第で相場が大きく動く可能性が高い。直近の価格レンジとして、上値はBTC=92,000ドル(約1,385万円)、下値はBTC=80,000ドル(約1,204万円)を意識する。
今週の相場動向
相場回顧 BTC(ビットコイン):買い戻しが進むも、トランプ関税で上値は重い
ビットコインは、リスクオフの緩和で米国株とともに買い戻しが進むも、トランプ関税が上値を抑える展開となった。
トランプ大統領が相互関税の柔軟姿勢を示したことで過度な懸念が後退し、米国株が反発。これに伴い、ビットコイン現物ETFへの資金流入が続き、買いも強まった。
さらに、ストラテジー【MSTR】やKULRテクノロジー【KULR】やゲームストップ【GME】といった米国企業に加え、日本や欧州でも企業によるビットコイン購入が相次ぎ、ビットコインはBTC=88,000ドル(約1,368万円)付近まで上昇した。
しかし、米国政府の自動車関税発表を受けて米国株が再び下落し、ビットコインも上値の重い展開となった。
今週のトピックス
金融市場
- 関税引き上げで米経済への短期的打撃ない-大統領経済諮問委員長
- トランプ政権、銅輸入関税を数週間以内に発動の可能性-関係者
- トランプ氏、財務省に決済システム近代化を指示-大統領令に署名
- 植田日銀総裁、2%目標に「もうちょっと」-物価は上下にリスク
- 米消費者信頼感、4年ぶりの低水準-トランプ関税を巡る懸念で
- トランプ氏、25%自動車関税を4月2日発動-米国産以外「全て」対象
暗号資産市場
- 米SECの仮想通貨タスクフォース始動、規制アプローチの転換点に
- コインベース、世界最大の仮想通貨オプション取引所デリビット買収交渉が最終段階に
- フィデリティ、米ドル建てMMF「FYHXX」のイーサリアム上トークン化を申請
- ブラックロックのトークン化ファンド「BUIDL」、ソラナに拡大 運用資産残高は計2550億円
- リップル、SECへの追加上訴を撤回 4年間の法廷闘争に終止符
- ゲームストップがビットコインを準備金として採用、取締役会で全会一致
- 米上場企業KULR、7.5億円相当のビットコインを追加購入
- イーサリアム「ペクトラ」アップグレード、Hoodiで最終テスト完了
- トランプ氏の暗号資産事業、ドルが裏付けのステーブルコイン提供へ
- トランプ指名のアトキンス氏が仮想通貨規制方針示す SEC委員長指名公聴会で
来週の相場予想
BTC(ビットコイン)はトランプ関税次第で相場が大きく動くか、米雇用統計にも注目
来週は米国政府の相互関税の詳細発表が予定されており、その内容次第で相場が大きく動く可能性が高い。
市場では、トランプ大統領の事前発言を踏まえ保守的な内容が織り込まれているが、強硬な政策となればリスクオフが再燃し、ビットコインが再び下落する懸念が強まる。一方、直前で関税が見送られるなどの動きがあれば、安心感から買いが進む展開も想定される。
また、3月の米雇用統計やISM製造業・非製造業景況指数にも注目である。関税政策の影響で景気後退リスクが懸念される中、これらの指標が市場予想を下回れば、短期的な売りが出る可能性がある。ただし、国や経済に対する不安が高まるほど、一部ではビットコインを逃避資産として購入する動きも期待されるため、下値は一定の底堅さを保つと考えられる。
今年に入り、各国企業がビットコインを財務戦略として採用する動きも加速しており、中長期な買いが増えることで価格の安定性は向上していくだろう。
直近の価格レンジとして、上値はBTC=92,000ドル(約1,385万円)、下値はBTC=80,000ドル(約1,204万円)を意識する。
来週のトピックス:暗号資産市場に影響しうる指標をピックアップ
経済イベント・指標
- 日本、1-3月期日銀短観(4/1)
- ユーロ圏、3月消費者物価指数<速報値>(4/1)
- 米国、ISM製造業景況指数(4/1)
- 米国、相互関税発動(4/2)
- 米国、自動車関税発動(4/3)
- 米国、ISM非製造業景況指数(4/3)
- 米国、3月雇用統計(4/4)
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