今週も暗号資産アナリストの松嶋がビットコイン相場の動向を分析します。
- 今週のビットコインは、トランプ大統領の政策を巡る不透明感が漂う中、アルトコイン関連のニュースに一喜一憂し、もみ合う展開となった。
- 来週のビットコインは、トランプ政策の不透明感は続くものの、好材料相次ぐ中で価格を維持すると予想。直近の価格レンジとして、上値はBTC=1,530万円(102,000ドル)、下値はBTC=1,410万円(94,000ドル)を意識する。
今週の相場動向
相場回顧 BTC(ビットコイン):アルトコイン関連ニュースに一喜一憂
ビットコインは、トランプ大統領の政策を巡る不透明感が漂う中、アルトコイン関連のニュースに一喜一憂し、もみ合う展開となった。
トランプ大統領の関税政策に対する市場の反応は鈍くなっているが、ロシアウクライナ戦争への介入によって地政学リスクが高まり、ビットコインはじりじりと値を下げた。
また、ミームコイン「LIBRA」のインサイダー取引疑惑によって、発行基盤であるソラナが急落。それに連れ安する形でBTC=1,410万円(94,000ドル)付近まで大きく下落した。
しかし、リップルが相次ぐ好材料で大きく上昇したこともあり、ビットコインは底堅く推移した。また、米国では、四半期報告書の中で機関投資家によるイーサリアム現物ETFの保有率が急増したことが明らかになり、ステーキング追加案のSEC審査も始まる中で、イーサリアムへの関心が高まった。
その後、FOMC議事要旨では、量的引き締めを減速させる議論もみられ、追加利下げへの期待が高まったことで、ビットコインは上昇した。
今週のトピックス
金融市場
- ウォラーFRB理事、金利据え置き望ましい-物価抑制で進展再開まで
- 英インフレ再燃、中銀は利下げに慎重に-米ではFOMC議事要旨公表
- EUはトランプ関税に報復へ、貿易戦争回避が望ましい-ショルツ独首相
- トランプ米大統領、自動車や医薬品などに25%前後の輸入関税の可能性
- 米ロ、ウクライナ停戦で制裁解除議論へ-月内に首脳会談とトランプ氏
- FOMCが量的引き締めの一時停止または減速を議論-米国債の強材料
- 米国務長官、対ロシア制裁は当面維持すると欧州に約束-関係者
暗号資産市場
- アブダビ政府系ファンド、昨年4QにブラックロックのビットコインETFに665億円投資
- イーサリアムの大型アップグレード「ペクトラ」、3月5日に最終テスト実施へ
- 機関投資家のイーサリアム現物ETF保有率が急増、ゴールドマンなどが購入
- 対バイナンス訴訟、SECが方針転換か 新設タスクフォースで証券性判断に変化の可能性
- SECの仮想通貨規制方針に転換の兆し 、コインベース訴訟延期で銘柄分類を再検討へ
- CZ氏、バイナンス売却の憶測を否定
- 米金融大手数社がついに仮想通貨カストディ事業参入へ SECルール撤回で事業拡大の狙い
- 破綻したFTXが現金での返金開始、5万ドル以下の顧客に最優先分配
- 米SECがBitwiseのXRP現物ETF申請を受理 年内の承認予測率は78%
- ブラジルでXRP現物ETFが承認
- 米SECがイーサリアムETFのステーキング追加案を審査段階へ 報酬還元が実現するか
来週の相場予想
BTC(ビットコイン)はトランプ政策の不透明感は続くものの好材料相次ぐ中で価格を維持するか
米国ではトランプ大統領政策を様子見する動きが広がっており、しばらくは関税強化や戦争介入など他国に対する強硬策の動向次第で相場が左右される展開が続くだろう。一方で、今回のFOMC議事要旨を受け、FRBが金融緩和の姿勢を崩していないことが確認されたため、利下げ期待が回復する中で堅調な相場を維持することは考えられる。
また、米国ではSECと暗号資産関連企業の訴訟問題が一時停止する動きや、SAB121の撤回で金融機関が暗号資産カストディに参入する動きなどポジティブ材料が多くみられる。アルトコイン現物ETFの審査が始まり、その動向も注目される。このように規制整備と合わせて業界発展につながる動きが続けば、新たな市場参入によってビットコインが上昇の勢いを取り戻すことは期待される。
特に、ソラナが不正取引の疑惑によって失速した一方で、これまで低迷してきたイーサリアムへの注目が高まっている。ステーキングETFの進展や3月に控える次期大型アップデートへの期待によって、アルトコイン市場を牽引することになれば、ビットコインも連れ高するだろう。
直近の価格レンジとして、上値はBTC=1,530万円(102,000ドル)、下値はBTC=1,410万円(94,000ドル)を意識する。
来週のトピックス:暗号資産市場に影響しうる指標をピックアップ
経済イベント・指標
- ユーロ圏、1月消費者物価指数<改定値>(2/24)
- ユーロ圏、ECB理事会議事要旨(2/27)
- 米国、10-12月期四半期実質国内GDP<改定値>(2/27)
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