Total Value Secured
指標の説明の前に、TVLについて解説します。TVLとは、Total Value Lockedの略で、DeFi上に預け入れられた資産の合計金額を表します。
Total Value Secured (TVS)とは、TVLの中でもオラクルネットワークに関連したプロトコルの 預入資産の合計と定義されます。つまり、TVSはオラクルネットワークの価値を測る指標となっています。
オラクルネットワークはブロックチェーンのスマートコントラクトに外部データを伝達するサービス全般を指します。外部データの信ぴょう性や健全性が重要になるため、ネットワーク効果が働き、できるだけTVSの大きいものから採用されやすいと考えられます。またTVSの規模に応じて、良くも悪くもネットワーク内に影響を及ぼすため、オラクルが適切に機能していなかったり、不正に操作されてしまうリスクが高まります。
上の図はTVSのランキングを並べたものです。主要なオラクルネットワークとして知られるChainlinkは、TVSが$11bとなっており、2位のWINkLinkと比較しても倍近くの値をつけています。またオラクルの採用数を表すProtocols Securedも348と他を圧倒する水準となっています。
採用プロジェクトの詳細をみると、ChainlinkではAAVE V3のドミナンスが約26%となっています。続いて2位のWINkLinkは、TRON最大のTVLを誇るJustLendのドミナンスが約86%と大半を占めており、JustLendに依存したプロトコルのように見えます。3位のChronicleは、MakerDAOの専属のオラクルとなっており、ステーブルコインであるDAIの存在がうかがえます。
最近ではオラクル依存をなくそうとオラクルレスのDeFiプロトコルも登場しています。これは価格設定とリスク管理プロセスをユーザーに委ねることで、オラクル操作攻撃の影響を受けないことを実現しています。
※ここで紹介するオンチェーン指標は参考指標にすぎず、資産の売買を推奨するものではありません。投資判断に活用する場合にはご自身の判断でお願いいたします。
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